人の体の筋肉というのは上半身よりも下半身の方が多く、そのために、下半身を鍛える方が筋肉を付けやすく、基礎代謝のアップや、
やせやすく、太りにくい体作りにも効果的とされていることをご存知でしょうか?
今回は下半身を鍛えることの有効性や、太もも、ふくらはぎを中心に、
自宅でも簡単手軽に鍛えることができるトレーニング法、女性にもおすすめの、ムキムキにならないトレーニング法などもご紹介してみたいと思います。
1.腿、太ももを鍛えると全身やせられる?
●全身の筋肉の約7割が下半身に集中
筋肉というのは体脂肪に比べて、基礎代謝が高く、筋肉がついているだけで、何もしていなくても、体の消費カロリーを高めることができるようになっています。
それは、筋肉が1kg増えるだけで、体全体の基礎代謝量が約50kcal増えるともいわれているほどで、
当然、基礎代謝量が増えることで、脂肪が燃焼しやすくなり、体重も落としやすくなります。
さらにそんな筋肉は、体の中でも特に下半身に集中しており、
全身の筋肉の約7割が下半身についているといわれています。
そのため下半身を鍛えることは、より効果的に全身の筋力のアップや代謝のアップにも効果的とされています。
2.下半身、その中でも腿の筋肉を鍛えるのが効果的?
また、そのような下半身の筋肉の中でも、特に、腰から太ももにかけての筋肉が最も大きな筋肉とされていて、
全身で見ても、圧倒的なボリュームを誇っているのがこの太ももの筋肉とされています。
また、大きな筋肉であることから、他の箇所と比べても鍛えやすく、筋肉もつきやすくなっていて、基礎代謝を上げるのにも最適な筋肉といえます。
そのことから下半身でも、特に太ももの筋肉を鍛えることは、全身の基礎代謝量のアップにもつなげられるとされています。
3.腿を鍛える簡単トレーニング
このように太ももを鍛えることは、全身の基礎代謝アップ、そして、全身のダイエットにも効果的といえるんですが、
とはいえ、特に筋トレに慣れていない女性の場合、いきなり太ももの筋肉を鍛えるといっても、何から始めていいのかよくわかりませんよね。
こちらでは、そんな女性も、また、特別なマシンを使わなくても簡単手軽に鍛えられる方法をご紹介してみたいと思います。
●ノーマルスクワット
スクワット運動は、とても簡単にできる運動でありながら、太ももにふくらはぎ、
下半身はもちろん、ウエストや背中など、全身も鍛えることができる優れた運動です。
また、スクワットは実際にやっているという方も多いかもしれませんが、正しい姿勢できちんと行うことが大切で、
その方法としては、
1.まず両足を肩幅か、それよりも少し広めにとるようにします。
この時、つま先は少し外側に向けるようにしましょう。
2.次に、背中はまっすぐの状態のままで、ゆっくりと腰を下ろすようにします。
できれば、膝の角度が90度くらいになるまで腰を落とすのがおすすめです。
さらに、体重はつま先ではなく、かかとにかけるようにしましょう。
3.そして最後に、ゆっくりと腰を上げ、元の姿勢に戻します。
これを10~20回程度を目安に行いましょう。
ポイント
・背中を曲げない
・つま先に体重をかけない、前のめりにならない
(前のめりになると膝への負担が大きくなってしまいます)
最初のうちは、無理をせずに、膝を曲げる角度も90度以上、浅く腰を落とす程度から始めてられるといいですし、
回数も、10回以上が理想的ですが、辛ければ、少ない回数から始めて、徐々に増やしていくようにしましょう。
●その場で腿上げ運動
スクワットよりもさらに簡単な鍛え方として、腿上げ運動もおすすめです。
こちらもとても簡単で、
1.まずは、スクワット同様、両足を肩幅くらいに広げるように立ちます。
2.背中はまっすぐ、少し胸を張った状態で、そのままゆっくりと太ももを上げます。
膝の角度が90度くらい、太ももと地面とが平行になるくらいまで上げて、3~5秒ほど静止してから、そのまま太ももを下ろします。
3.右足、左足と交互にこれを行い、右足、左足と1セットで、10~20回ほど行いましょう。
こちらの運動もやはり、無理をせずに行うようにし、腿を高く上げればそれだけ腿を刺激することができるのですが、
高く上げられない方は、上げられるところまで無理なく上げるようにしましょう
回数も、無理なく徐々に増やしていくようにしましょう。
ポイント
・背中をまっすぐにしておく
・腕の位置は、体のバランスが取りやすい位置に保つ、腰に当てておくのもOK
●レッグランジ(足を前方へ踏み出す運動)
レッグランジはあまり聞き慣れないトレーニング法ですが、
その方法もとても簡単です。
1.まずは両足を肩幅よりも少し狭いくらいに開きます。
2.両腕は頭の後ろか、腰に軽く置くようにします。
3.次に、片足を前方へ大きく踏み出すようにします。
4.その後にゆっくりと腰を落とすようにします。
前に踏み出した足の太ももと地面とが平行になるくらいまで腰を落とすようにします。
5.最後に、ゆっくりと腰を上げ、元の姿勢に戻します。
これを、右足、左足交互に行って、右足、左足1セットで10~20回程度行います。
ポイント
・背中をまっすぐに保つ
・視線は常に前に
・腰を落とす時はゆっくりと、太ももの筋肉を意識するように
●フロントブリッジ(うつ伏せになって、腕とつま先だけで全身を支える運動)
フロントブリッジもまた、やっぱり聞き慣れないトレーニング法なのですが、こちらもとても簡単で、
1.まずは、マットなどを敷いて、そこへうつ伏せで横になります。
2.次に、ひじを曲げた状態で、ひじをついて、上半身だけを起こすようにします。
この時、ひじの間隔は肩幅と同じくらいにしておきましょう。
3.この姿勢のまま、今度は、足をまっすぐに、つま先を立てて、お尻から下半身を起こすようにします。
4.腕とつま先だけで全身を支えるようにして、この姿勢を、30秒ほどキープします。
5.30秒ほど経ったら、姿勢を崩して、しばらく休憩します(30秒程度)。
6.少しインターバルを取ったら、また同じように、ひじを立て、上半身を起こし、
つま先でお尻、太もも、ふくらはぎを上げるようにします。
同じように30秒ほどキープしたら、姿勢を崩します。
この動作を、5~10回ほど繰り返します。
慣れてきたら、姿勢をキープする時間を40秒、50秒と長くするようにしましょう。
ポイント
・背中から足先まで1直線に、まっすぐにキープする
・顔はまっすぐ前を向く
・さらに負荷を強くしたい時は、
腕とつま先だけで全身を支える姿勢の時に、片足だけを後ろに少し浮かせるようにする
こちらの運動は、太ももやふくらはぎの筋肉を鍛えることができるのはもちろん、
腹筋や腕の筋肉、体幹も鍛えることができるのでおすすめです。
●サイドブリッジ(横向きに寝転び、腕と足だけで全身を支える運動)
サイドエルボーブリッジというトレーニングも手軽にできるのでおすすめです。
その方法としては、
1.まずはマットを敷いて、そこへ横向けに寝転びます。
2.次に、下に向いている方の腕のひじを曲げて、ひじを立てて、上半身を浮かせるようにします。
3.今度は、太もも、ふくらはぎをまっすぐ1直線に保つように、お尻を浮かせるようにします。
4.この体が斜めになった状態を30秒ほどキープします。
5.30秒ほど経過したら、姿勢を崩して、インターバルを30秒ほどとるようにします。
6.インターバルの後は、今度は、逆向き、下になっていた方の腕や足が上に来るように、横向きに寝転びます。
7.そして同じように、ひじを立てて、上半身を起こし、足をまっすぐにして、お尻を浮かせるようにします。
8.この姿勢を30秒ほどキープします。
これを繰り返し、右、左1セットで5~10回ほど繰り返すようにします。
ポイント
・腕と足だけで姿勢を支える際、まっすぐの姿勢を保つ
・さらに負荷を強くしたい時は、
腕と足だけで全身を支える姿勢の時に、上になっている足をさらに少しだけ浮かせるようにしたり、
足を前後に少し動かすようにする
・足を動かす時には、足以外は動かないようにする
4.膝の悪い方、体力に自信のない方にはこのトレーニング!
スクワットやレッグランジなどは特に膝への負担が重くなり、元々膝の悪い方、膝に負担を掛けたくないといった方、
あるいは、体力に自信のない方には無理が生じてしまうこともあります。
そのような方には、さらに負荷が軽く、無理なく行えるものがおすすめです。
それが、
●椅子に座って腿上げ運動
1.まず椅子に浅く腰を掛けます。
この時、背中はまっすぐに伸ばし、背中と太ももの角度は90度くらい、膝の角度も90度くらいになるのが理想です。
2.次に、片足の腿を上げ、太ももに少し負荷を感じるくらいまで上げるようにします。
3.そのままの状態で10~15秒ほどキープします。
4.その後に腿をゆっくりと下ろし、元の姿勢に戻します。
これを左右の足、交互に行っていくようにし、
左右1セットで、10~15セットほど行うようにしましょう。
ポイント
・背中をまっすぐに伸ばす
・腿を上げる時は、無理のない程度に、かつ、太ももに負荷を感じるくらいまで上げる
●仰向けで腿上げ運動
1.まずマットなどの上に仰向けで寝転びます。
膝を曲げ、手は頭の後ろで組むようにします。
2.次に、両足をそのまま上の方へ持ち上げ、軽く浮かせるようにします。
3.その姿勢のまま、5秒ほどキープします。
4.そしてゆっくりと両足を下ろし、元の姿勢に戻します。
これを10~15回ほど行います。
ポイント
・足を浮かせる際は、軽く浮かせるようにする
あまりにも高く浮かせすぎてしまうと、逆に腿への負荷が軽くなり、効果があまり期待できなくなってしまいます
・両足を上げるのがきつい場合には、最初は片足から交互に上げるのでもOK
●寝転びながらヒップリフト
1.まずマットなどの上に仰向けで寝転びます。
膝を曲げ、足は少し開いた状態で、手は体の横に置いておきます。
2.次に、ゆっくりとお尻を持ち上げるように浮かせます。
背中とお尻、太もも、膝までのラインが1直線になるくらいまで持ち上げるようにします。
3.この姿勢のまま5~10秒ほどキープします。
4.ゆっくりとお尻を下ろし、元の姿勢に戻します。
これを10~15回ほど行います。
ポイント
・お尻を上げた時に、背中が反ったり、丸まったりすることのないよう、
まっすぐの状態を保つようにする
・もう少し負荷を高めたいなら、お尻を上げた時に、片方の足も浮かせるようにする
5.ふくらはぎも鍛えよう!
太ももが下半身の中で最も大きな筋肉がある箇所なのですが、その次に大きな筋肉があるのがふくらはぎです。
ふくらはぎを鍛えることもやはり、体全体の基礎代謝をアップさせるのには効果的でしょう。
そんなふくらはぎを鍛えるのにも、自宅でも簡単に行うことができるものもあります。
●スタンディングカーフレイズ(つま先立ち運動)
1.まずは、足は肩幅ほど開いて、まっすぐに立ちます。
2.次に、そのまま、つま先立ちをするように、かかとを上げるようにします。
無理のない範囲で、でも、ぎりぎりと思えるところまでかかとを上げるようにします。
3.そのままの姿勢で5~10秒ほどキープします。
4.ゆっくりとかかとを下ろし、元の姿勢に戻します。
これを10~20回ほど繰り返します。
ポイント
・背中をまっすぐに伸ばして、視線は前を向いたままの状態を保つ
・ふくらはぎの筋肉を意識して行う
・つま先立ちの状態が不安定な場合には、壁に手をついて行う
●シーティングカーフレイズ(座ってつま先を立てる運動)
膝の悪い方や体力に自信のない方の場合には、シーティングカーフレイズもおすすめです。
その方法としては、
1.まず椅子に浅く腰を掛けます。
背中をまっすぐにし、背中と太ももの角度は90度くらい、膝の角度も90度くらいになるのが理想です。
2.次に、そのまま、つま先だけをつくように、かかとを持ち上げるようにします。
無理のない範囲で、でも、ぎりぎりと思えるところまでかかとを持ち上げます。
3.そのままの姿勢を5~10秒ほどキープします。
4.ゆっくりとかかとを下ろし、元の姿勢に戻します。
これを10~20回ほど繰り返します。
ポイント
・立って行うよりもどうしてもふくらはぎの負荷が軽くなってしまうので、
かかとを上げた時にふくらはぎの筋肉を引き締めるよう、少しだけ(無理のない範囲で)力を入れるようにする
・背中はまっすぐにして、視線は前を向いておく
6.鍛えすぎは禁物?
女性の場合、特に、心配になってしまうのが、太ももやふくらはぎの筋肉を鍛えすぎてしまうことで、逆に筋肉がつきすぎてしまって、
ムキムキになったり、ムチムチになってしまうんじゃないかということだと思うのですが、
でも実際には、太ももの筋肉もふくらはぎの筋肉も、
例えば、アスリート並みの、極度に追い込むようなトレーニングをしない限りは、ムキムキになったり、筋肉で太くなってしまうこともないといいます。
特にこちらでご紹介したトレーニングはどれも筋肉に負荷をかけすぎるといったことのないトレーニングばかりですので、必要な筋肉は保ちながらも、筋肉がつきすぎるといったことはないでしょう。
ただそれでも、限度を超えてやりすぎてしまうと太くなってしまうこともありますので、
こちらでご紹介した回数なども参考にされて、適度に行うようにしましょう。
7.注意点は?
こちらでご紹介したトレーニングは、どなたでも簡単に行うことができ、体力に自信のない女性でも手軽に行うことができるものばかりなのですが、
それでも注意していただきたいこともあります。
それが、
●決して無理をしない
例えばトレーニングをしていて、痛みが生じた場合にはすぐに運動を中止するようにしましょう。
また、色んな種類の運動を立て続けに行うのではなく、途中で適度に休憩を挟みながら行うようにするなど、
決して無理をしないようにしましょう。
さらに、こちらでは下半身を中心に鍛えるトレーニングをご紹介していることから、足を上げたり伸ばしたりする運動が多くなっているのですが、
足を上げる際、伸ばす際にも、決して無理をせずに、可能な範囲で上げたり、伸ばしたりするようにしましょう。
また、上げたりした時に痛みが生じた場合には、無理が生じている証拠ですから、上げたり、伸ばしたりする範囲を小さくするようにしましょう。
●体力のない方は最初は軽い運動から、少しずつ負荷を加えるようにする
特に、これまであまり運動をする機会のなかった方がいきなりトレーニングを始めると、筋肉を傷めてしまう恐れがありますので、
最初のうちは、短い時間、少ない回数から始めるようにし、
徐々に時間や回数を増やして、負荷を段階的に強くするようにしましょう。
●筋肉痛がある時は、痛みが治まるまでトレーニングを休止する
このような筋肉を鍛える運動の場合、どうしても起こってしまうのが筋肉痛です。
特に、トレーニングを開始した当初は筋肉痛が起こりやすく、また翌日に起こることも多いです。
そんな筋肉痛がある時にもやはり無理をしてトレーニングを行うことはおすすめできません。
痛みを我慢してトレーニングをしてしまうと、痛みが長引いてしまう恐れもありますし、筋肉自体が傷ついてしまう恐れもあります。
さらに、痛みがあるためにトレーニング中に上手く体が動かずに、ケガをしてしまうこともあります。
ですから筋肉痛がある時は、痛みが治まってからトレーニングを再開するようにしましょう。
8.まとめ
いかがでしたか?
体の基礎代謝を高めることは、ダイエットにも非常に効果的で、基礎代謝が高いだけで、体脂肪が燃えやすかったり、やせやすく、太りにくい体をキープすることができ、
さらにその基礎代謝を高めるためには、体に筋肉を付けることが大切であることもよく知られています。
でも、そんな体の筋肉というのは、上半身よりも下半身の方が多く、下半身を鍛えてあげることで、より効率的に筋肉をつけることができ、
より代謝のアップにも効果的だったということはあまり知られていないかもしれません。
こちらでは、特に太い筋肉のある腿やふくらはぎを鍛えて、より効果的に代謝をよくする方法、
なかでも、特別なマシンなども必要とせずに、自宅でも簡単手軽に鍛えることができるトレーニング法を色々とご紹介していて、
そしてどれもが、女性も簡単に実践できるものばかりですので、ぜひ参考になさって、効率的に筋肉アップ、代謝アップ、全身やせを目指しましょう!
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