パッケージに記載されていないことが多い化粧品の使用期限、では実際に化粧品はどれくらい持つものなのでしょうか?
今回はそんな化粧品の使用期限について、その目安とは?アイテム別の使用期限、さらに、化粧品を長持ちさせる方法、捨てるタイミングの目安などについてもご紹介してみたいと思います。
ぜひ、より安心、安全に化粧品を使い続けられる目安となさってみてください。
1.化粧品の使用期限の目安とは?
化粧品の使用期限は、一般的には約3年以内というのが目安となっています。
というのは、化粧品や医薬品の製造や販売について定めている「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」において、
未開封の状態で3年以上その品質が保持できる製品については、その製造日、使用期限も記載する必要はないと定められているからで、
製品に特別に記載されていない場合には、約3年以内が使用期限と考えていいでしょう。
開封した場合には、使用期限は短くなり、半年以内を目安に使い切るのがいいようです。
未開封の状態だと密閉状態であることから、空気に触れることもなく、雑菌が入り込むこともありません。
ただ一旦開封して、空気に触れることによって、それだけで酸化が進んでしまうことになり、
また雑菌も入りやすく、容器の中で雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。
特に化粧品の場合には、直接手で触ることも多く、また、パフやブラシで使用するような化粧品の場合には、そのパフやブラシなどのメイク道具で雑菌も繁殖しやすく、
そこから直接化粧品に移りやすくなることも考えられます。
ですから、開封した後は半年以内を目安とし、できるだけ早めに使い切ることが推奨されています。
2.アイテム別で異なる使用期限
開封後のものは、一般的に半年以内に使い切ることがよいとされていますが、
それは、アイテムや各製品の特徴によっても異なります。
その使用期限の長さを決めるポイントとなるのは、
●水分、油分の多さ
・水分、油分が多い→使用期限は短い
・水分、油分が少ない→使用期限は長い
化粧品の中でも、水分や油分が多く含まれるものは、必然的に、製品の中で雑菌が繁殖しやなり、使用期限が短くなります。
例えば、化粧水や乳液、クリームなどはそれにあたりますし、
ファンデーションであれば、リキッドやクリームファンデーション、BBクリームなども比較的短くなります。
他にも、マスカラやリキッドタイプのアイライナー、クリームタイプのチークなどもそれにあたるでしょう。
一方、パウダー状だったり、固形の化粧品の場合には、含まれる水分も少なく、それだけ雑菌の繁殖や腐ったりする心配も少なくなります。
例えば、パウダーファンデーションやパウダータイプのチーク、
アイシャドウやペンシルタイプのアイライナー、アイブロウ、固形の口紅などは比較的長持ちするようになっています。
●使用する箇所
・肌に直接使用するもの、敏感な箇所へ使用するもの
→ 使用期限は短い
・肌に直接触れないもの、比較的丈夫な箇所へ使用するもの
→ 使用期限は長い
肌のどの部分へ使用するか、どのように使用するかによってもその期限は変わってきます。
例えば、化粧水や乳液、クリーム、美容液、化粧下地など、肌に直接使用するものや、敏感な箇所へ使用するものについては、
化粧品の新鮮さや酸化の進み具合、雑菌が繁殖してしまっているかなどが、肌に直接影響を与えてしまい、
そのことで、刺激になったり肌荒れにつながりやすくなってしまいますので、できるだけ新しいものを使用するのが好ましくなっています。
また、敏感な目元や唇に使用するマスカラやアイライナー、アイシャドウ、口紅などはできるだけ新しいものを使用した方が好ましいです。
逆に、直接肌に触れないもの、
例えば、ファンデーション(ただし、化粧下地をつけた後使用する場合)や、チークなどはそれほど新しさにこだわる必要はないといえるでしょう。
3.化粧水や乳液などの、スキンケア用品の場合
化粧水や乳液、クリーム、美容液、美容パックなどのスキンケア用品の場合には、
【6ヶ月以内】
を目安にするといいようです。
このようなスキンケア用品には、水分や油分が多く含まれていて、
さらに、空気に触れやすく、直接手で触ることも多いことから、酸化しやすく、雑菌も繁殖しやすくなっています。
また、肌に直接つけるものでもあることから、やはり早めに使い切ることが望ましく、半年以内を目安に使い切るようにしましょう。
4.化粧下地、ファンデーションの場合
化粧下地やファンデーションの場合には、その種類によって異なります。
例えば、
●化粧下地、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、BBクリームの場合…
【6ヶ月以内】
●パウダーファンデーション、フィニッシュパウダーの場合…
【1年以内】
ベースメイクの場合、例えば、化粧下地やリキッドファンデーション、クリームファンデーション、BBクリームの場合には、水分、油分が多いことから、
開封してしまうとやはり雑菌やホコリが入り込みやすく、雑菌が繁殖しやすくなります。
また、直接肌に塗ることからやはり早めに使い切ることが望ましいとされています。
一方、パウダーファンデーションやフィニッシュパウダー(おしろい)の場合には、
乾燥させて、粉状にしていることから、リキッドタイプのものよりも、雑菌の繁殖は抑えられ、
比較的長く使用することができるようになっています。
ただ、パウダーファンデであってもフィニッシュパウダーであっても、直接肌につけるものでもありますので、1年以内は目安ですが、できるだけ早めに使い切るようにしましょう。
5.マスカラ、アイライナーの場合
【マスカラ…3ヶ月以内】
マスカラの場合、水分が多く含まれ、また、空気に触れやすいものでもあるため、酸化が進みやすく、雑菌が繁殖しやすくなっています。
また、マスカラのブラシ部分は毎日同じ箇所を使用し、涙などがついてより雑菌が繁殖しやすいものとなっています。
さらに、デリケートな目元に使用するアイテムでもあり、直接目に入ってしまうこともありますので、
3ヶ月以内を目安にできるだけ早めに使い切るようにし、
古いものは、まだ残っていても思い切って新しいものに買い換えるようにしましょう。
【リキッドアイライナー…3ヶ月以内】
リキッドタイプのアイライナーも、マスカラ同様に水分が多く、空気に触れやすくて、
また、同じブラシ部分を何度も使うことになります。
もちろんデリケートな目元部分に直接使用するアイテムでもありますので、3ヶ月以内と短くなっています。
やはり、これもマスカラ同様に、古いものは使わないようにしましょう。
【ペンシルアイライナー…1年以内】
ペンシルタイプのアイライナーの場合、リキッドタイプのものに比べて雑菌が繁殖しにくく、酸化も進みにくいので、
長く使用することができるようになっています。
また、マスカラやリキッドアイライナーのように、使用する部分が同じではなく、
例えば、鉛筆タイプであれば削ることで、繰り出しタイプのものであれば繰り出していくことで、常に新しい部分を使用することになりますので、
そのことからも長く使うことができるでしょう。
ただやはり、ペンシルアイライナーでもデリケートな目元に使用することには違いがありませんので、1年以内を目安に早めに使い切るようにしましょう。
6.アイシャドウの場合
アイシャドウの場合には、そのテクスチャの種類によって、使用期限の目安は異なります。
【リキッド・クリームタイプ…半年以内】
リキッドやクリームタイプのアイシャドウの場合には、やはり水分や油分が含まれていることから、雑菌が繁殖しやすく、
また、デリケートな目元に使用するものでもあることから、できるだけ早めに使い切るようにし、長くても半年以内には使い切るようにするのがおすすめです
【パウダータイプ…1年以内】
パウダータイプのものは、リキッドやクリームよりも長持ちする傾向にあります。
でもやはり目元に使用するアイテムですので、1年以内には使い切るようにするのがおすすめです。
また、アイシャドウを使用する場合、チップやブラシでおつけになる方も多いですが、
チップやブラシ自体が汚れていると、アイシャドウにも直接それが触れるため、それで雑菌が繁殖してしまうこともあり、
なにより、それで目元を直接メイクするのはやはり好ましくありませんので、
チップやブラシはいつも清潔なものを使うようにし、使い捨てのものもありますので、そのようなものを使うようにするといったこともいいでしょう。
7.チークの場合
【2年以内】
チークの場合、パウダータイプのものは雑菌も繁殖しにくく、基本的には、ファンデーションの上から塗布し、肌に直接触れるものではなく、
頬にだけ使用するというものでもあることから、比較的長く使うことができます。
使用期限の目安としては2年以内が目安となっていて、それを過ぎたものは買い換えるようにしましょう。
ただ、クリームタイプのチークの場合には、パウダーよりも使用期限は短くなっていて、
変色やにおいなどを確認しながら、パウダーよりも慎重に使うようにしましょう。
8.口紅、リップの場合
【固形タイプの口紅やリップ…1年~1年半以内】
【液状の口紅、リップやグロス…1年以内】
固形タイプの口紅やリップの場合には、1年~1年半以内が使用期限の目安となっています。
また、テクスチャの柔らかめのものは水分や油分も多いことから、早めに使い切るようにし、
硬いテクスチャのものは、それよりも長く、1年半近くは使うことができるものが多くなっています。
また、液状の口紅やリップグロスの場合には、やはり、水分や油分が多いことから、雑菌が繁殖しやすく、1年以内に使い切ることがおすすめです。
そして、唇も、目元の皮膚と同様に非常に薄く、デリケートな箇所でもあり、
さらに、直接口に入ってしまいやすく、また、口紅を塗る際に口紅に唾液がついたりすることも多いため、
やはり早めに使い切ったほうがいいアイテムとなっています。
そのため使っていて、変な味やにおいがする場合には、使用期限内であっても使わないようにしたほうが無難です。
9.日焼け止めの場合
【6ヶ月以内】
日焼け止めの場合も、水分や油分が多く含まれ、空気にも触れやすく、雑菌も繁殖しやすくなっていて、
また、肌に直接使用するものでもありますので、早めに使い切ることがおすすめです。
さらに、時間が経ったり、品質が劣化してしまうとそれだけで日焼け止めの効果が低下してしまうものも多いので、やはりできるだけ新しい状態で使い切るのが理想です。
目安としては半年以内に使い切るようにし、
日焼け止めという性質上、1年のうち使用する期間は限られているため、ワンシーズンで使い切るようにし、
去年のものを使いまわすことはおすすめできません。
また、リキッドやジェル、クリームタイプの日焼け止めに比べて、スプレータイプやパウダータイプのものはそれよりも使用期限が長くなっています。
それでもやはりワンシーズンで使い切ることをおすすめします。
10.化粧品をできるだけ長持ちさせる方法
どうせなら化粧品は最後まで使い切ることはもちろんですが、できるだけ長持ちさせたいものです。
それに、成分をできるだけ新鮮な状態に保っておくほうがより安心して使うことができるようになりますね。
そのためには、例えば、
●必ずふたを閉める
当たり前のことですが、化粧品を使用したら必ずふたを閉めるようにしましょう。
ふたが開いたままの状態ではそれだけで空気に触れやすく、雑菌やホコリも入りやすく、酸化や劣化、腐食の大きな原因になってしまいます。
回して閉めるタイプのふたはもちろんですが、
ワンタッチで開閉できるふたも意外ときちんと閉めることができていないことも多いので、カチッと音がするまできちんと閉めるようにしましょう。
●容器の口の部分は清潔に保つ
化粧水や乳液、リキッドファンデーションなど、容器に入っているような化粧品の場合、一番雑菌が繁殖しやすい箇所は、口の部分です。
直接手が触れることも多く、それでも雑菌が繁殖しやすくなっていますので、容器の口の部分は常に清潔に保っておくことも大切です。
例えば、使用した後は口の部分を拭き取るようにする、アルコールなどで消毒するようにするといったこともいいでしょう。
毎日は無理でも、週に1度など、できるだけ頻繁にお掃除してあげるようにしましょう。
●パフやスポンジ、ブラシは清潔に保つ
メイクをする時に使うパフやスポンジ、ブラシも、同じものを使い続けることになるので、雑菌が繁殖しやすいアイテムでもあります。
そしてそんな状態でファンデーションやチーク、アイシャドウなどを取ると、その雑菌がそれらに移ってしまい、
化粧品を劣化させてしまうこともあります。
もちろん、そのように不衛生な状態のままで、肌に直接使うのもあまり気持ちのいいものではありませんので、
パフやスポンジ、ブラシ、チップなども、いつも清潔なものを使用するようにし、
できれば週に1度、少なくても、月に1,2回はきちんと洗うようにしましょう。
●直射日光の当たらない場所に保管する
化粧品は、直射日光の当たらない場所に保管することも大切です。
直射日光に当たることで、成分が変質してしまう化粧品も多くあり、劣化が早くなり、持ちが悪くなったり、分離してしまうものもありますので、注意しましょう。
できれば暗い場所に保管するのがおすすめで、
容器が光を通さないような遮蔽タイプのものに入っている化粧品を選ぶというのもより安心です。
●高温多湿の場所を避けて保管する、できれば冷暗所に保管する
温度の高すぎる場所、湿度の高すぎる場所での保管は避けるようにしましょう。
直射日光同様に、高温、多湿の場所で保管することにより、成分が変質しやすく、
劣化が進みやすかったり、分離してしまう恐れもあります。
できれば、涼しくて、あまり光の当たらないような冷暗所に保管するのがおすすめです。
例えば、ドレッサーに化粧品を置くのであれば、表に出しておくのではなく、引き出しにしまっておくなどするのも安心ですし、
特に、使用期限の短い化粧品の場合は、冷蔵庫に保管するのもいいでしょう。
また逆に、温度の低すぎる場所も避けるようにしましょう。
●温度変化の激しい場所を避けて保管する
あまりそのような環境や場所は少ないかもしれませんが、
1日のうち、あるいは1年を通して、温度変化や湿度の変化が激しいような場所で保管するのも避けるようにしましょう。
温度変化や湿度変化が激しいだけで、化粧品に与える影響も大きく、やはり、変質や劣化の原因になってしまいます。
●化粧水や乳液など、一旦出したものは戻さないようにする
化粧水や乳液、あるいは、リキッドファンデーションなどにしても、出しすぎたからといって、余った分を元の容器に戻すこともやめましょう。
一度出すことによって、空気に触れ、それだけで酸化が進んでしまいますし、手の平などに出すことで雑菌が混ざりやすくなり、
その状態で元の容器に戻すと、その雑菌が容器全体に移ってしまい、化粧品の劣化や酸化を進めてしまいます。
ですから、一度出したものは戻さないようにしましょう。
11.捨てる化粧品のタイミング、見極め方とは?
古くなった化粧品は使わないで、捨てた方がいいのはもちろんなんですが、
特に、以下のようなことが化粧品に起こっている場合には、たとえ使用期限内であっても、使わないで捨ててしまった方がいいでしょう。
また、捨てようかどうしようか迷っている時の目安にもなります。
例えば、
●成分が変色している
例えば、透明であったものが濁っていたり、乳白色であったものが黄色くなってきているなど、
明らかに変色している場合には、酸化が進んでいる、成分が変質してしまっている、また、腐敗してしまっている可能性が高いので、使わないで、捨ててしまうのがいいでしょう。
●成分が分離している
もともと分離している化粧品以外で、成分の分離が見られるものも使わないほうがいいでしょう。
例えば、油分を含むクリームや乳液、リキッドファンデーションなどで、成分が分離している場合には、酸化や腐敗が進んでいる可能性が高いので使わないようにしましょう。
●テクスチャが変質している
例えば、乳液やクリーム、リキッドファンデーションなど、テクスチャが硬くなってしまっている、
マスカラがダマになってしまって使いにくくなっている、逆に、固形の口紅など、硬いものが柔らかくなっているといった場合、
その製品そのものが古くなり、成分が変質、腐敗してしまっている可能性もありますので、やはり使わないほうがいいでしょう。
●成分が浮いていたり、沈殿している
分離とも似ているのですが、化粧品に含まれる何らかの成分が浮いてしまっているような場合や底に沈殿してしまっているような場合も、
やはり成分が変質して、酸化や腐敗が進んでしてしまっていることもありますので、使わないようにしましょう。
●異臭がする
においを嗅いでみて、明らかに今までとは違うにおいがしたり、ツンと鼻につくような異臭がするような場合も、
やはり酸化や腐敗してしまっている可能性が高いので、使わないで捨ててしまうようにしましょう。
12.まとめ
いかがでしたか?
化粧品には、パッケージを見てもその使用期限がはっきりと明記されているものは少なく、むしろ書かれていないものの方が多くて、
特に、古いものなんかは、本当に使って大丈夫なのかなと迷ってしまうこともありますよね。
でも、それぞれで使用期限の目安というものもあって、また、開封や未開封によっても違いますし、
化粧品の種類や、化粧品に含まれる成分、さらに、顔のどの箇所に使用するかなどによっても違ってくるんですね。
その目安を知っておくだけでも安心して化粧品が使えるようになりますし、さらに、化粧品の使い方や保管の仕方によっては、できるだけ長持ちさせることができたり、
きちんと捨てるタイミングなどについても知っておくことで、より安心して使うことができます。
こちらではそんな、様々な種類の化粧品の使用期限について、その目安に、種類別の目安、
さらに、化粧品を長持ちさせる使い方に保管方法、捨てるタイミングの見極め方などについてもご紹介してみましたので、
今まで何となくで使っていた方も、今一度確認されて、より、安心、安全に化粧品を使っていくようにしましょう!
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