肌のハリにはコラーゲンを食べるのが一番と思われがちですが、実は、コラーゲンを一生懸命摂るよりも、アミノ酸を摂った方が肌のハリに直接効果的だということをご存知でしょうか。
今回はそんなアミノ酸について、コラーゲンよりも効果的な理由にその肌への効果、
より効果的なアミノ酸の種類に、アミノ酸を豊富に含むおすすめ食材や飲み物などについて詳しくご紹介してみたいと思います。
1.アミノ酸とは?
アミノ酸というのは、アミノ基にカルボキシル基で構成されている合成化合物であり、
たんぱく質を加水分解して得られる物質でもあります。
また、人の体を構成する筋肉や皮膚、臓器、髪の毛などはたんぱく質でできているのですが、そのたんぱく質を作り上げるのもこのアミノ酸となっています。
そして人の体内のたんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されています。
2.アミノ酸で肌の弾力が高まる?
コラーゲンは、肌のハリを高めてくれるイメージがあり、女性に人気の高い成分でもあって、
実際に、肌を構成する真皮ではその70%がコラーゲンでできています。
そのことから、肌にコラーゲンがたくさん存在することによって、肌の弾力が保たれ、ハリも高めることができるようになるのですが、
ただ、コラーゲンを豊富に含む食べ物を直接食べたとしても、そのままで吸収されるわけではなく、体内で一度アミノ酸へと分解されることになります。
さらにそんなコラーゲンもまたアミノ酸でできていることから、
コラーゲンの原材料となり、肌のハリを高めるためにはアミノ酸を直接摂ってあげる方が効果的であるともいわれています。
さらに、アミノ酸が多く存在するだけでコラーゲンの生成も活発することができるようになるともされていて、
もちろん、アミノ酸は肌を作り上げるたんぱく質の元ともなる成分でもあり、その点でも、弾力のある肌を作るにはやはりアミノ酸を摂る方が効果的であるといえます。
3.アミノ酸はどうやって取り入れる?
では実際にアミノ酸はどのように取り入れることができるのでしょうか。
アミノ酸は多くの食べ物、飲み物に含まれていますので、毎日の食事から積極的に摂るようにされると良いでしょう。
また、食事からだけでは十分に摂りきれていないと感じる場合には、サプリメントやサプリメント飲料などもありますので、そのようなものを活用されるのも良いでしょう。
4.アミノ酸スコアとは?
食品にどのくらいアミノ酸が含まれているのかがわかる指標として「アミノ酸スコア」というものも参考になります。
これは、食品のたんぱく質中に必須アミノ酸がどれくらい含まれているかを点数化したものとなっており、0~100の数値で表されています。
そして、その数値が100に近いほど必須アミノ酸が多く、かつバランスよく含まれていることになります。
5.アミノ酸スコアが高い食べ物
このようにアミノ酸スコアを見れば、どの食品を摂れば、より多く、バランスよく必須アミノ酸を摂ることができるのかがわかります。
例えば、アミノ酸スコアが高い食品として、
●アミノ酸スコア100の食品
・鶏肉(スコア:100)・豚肉(100)・牛肉(100)・鶏レバー(100)・馬肉(100)
・アジ(100)・鮭(100)・カツオ(100)・イワシ(100)・マグロ(100)
・鶏卵(100)・牛乳(100)・ヨーグルト(100)・大豆(100)
このような食品がアミノ酸スコアが満点の100の食品の一例となっています。
特に、肉類、魚介類、乳製品、豆類など、
たんぱく質が豊富に含まれる食品がやはりアミノ酸スコアが高くなっています。
他にも、
・精白米(65)・玄米(68)・食パン(44)
・じゃがいも(73)・キャベツ(53)・トマト(51)・りんご(56)
・胡麻(50)・アーモンド(50)
といった食品も比較的アミノ酸スコアが高くなっており、
たんぱく質が豊富に含まれる食品以外にも、野菜や果物など、比較的アミノ酸スコアが高いものもあります。
毎日の食事からアミノ酸をたっぷりと摂るのであれば、このようなアミノ酸スコアの高い食品もバランスよく摂ることを心がけられるといいでしょう。
6.美肌やハリ肌に関係するアミノ酸の種類は?
また一口にアミノ酸といってもその種類は様々あり、自然界全体でみるとその数は500種にも上るといわれています。
そのなかでも、人を含む、生体内のたんぱく質を構成するアミノ酸は20種類とされていて、
さらにそのアミノ酸の中でも、肌の美しさを作り上げるのにより効果的だったり、肌のハリを保つのに効果的なアミノ酸というものもあります。
それが
●プロリン
プロリンは、コラーゲンを作り上げるアミノ酸であり、強いコラーゲンの生成能力があるとされるアミノ酸です。
プロリンにはさらに、傷ついたコラーゲンの修復を促す働きもあり、しわやたるみ、シミなどの改善にも役立つアミノ酸としても注目されています。
●プロリンを多く含む食品としては…
プロリンはゼラチンに多く含まれるため、ゼリーやマシュマロなど、ゼラチンを用いた食品
といったものがあります。
●グリシン
グリシンは、プロリン同様、肌のコラーゲンの原料となるアミノ酸であり、肌を構成するコラーゲンのうち30%以上がこのグリシンだとされています。
そのため、多く補給してあげることで体内でコラーゲンの生成が促され、肌のハリ、弾力を保つのにも効果的とされています。
今ではこのグリシンが皮膚科医や美容研究家の間でも注目され、その補給が推奨されているアミノ酸でもあります。
さらに睡眠の質をよくするアミノ酸としても知られています。
といったものがあります。
●セリン
セリンは、人の肌の表皮にある角質層を構成する「天然保湿因子(NMF)」に多く存在するアミノ酸であり、
天然保湿因子を構成するアミノ酸の中で最も多くを占めるのがこのセリンとされています。
セリンを補給してあげることで、肌の保水力をさらに高めることができるようになり、
さらにセリンには、メラニンの生成を促す「チロシナーゼ」という酵素を抑制するといった働きもあり、
シミやそばかすを防いで、肌の透明感を保つという美白効果もあるとされています。
といったものがあります。
●スレオニン(トレオニン)
スレオニン(トレオニン)もまた、天然保湿因子を構成するアミノ酸の中でも多くを占めるアミノ酸であり、
肌の水分量や潤い、また、肌のターンオーバーにも関わるアミノ酸となっています。
さらに、肌内部のコラーゲンの原材料ともなるアミノ酸ともいわれ、
肌にハリや弾力をもたらしてくれることから「美容のアミノ酸」と呼ばれることもあります。
といったものがあります。
●リジン
リジンにはカルシウムを体内に定着させやすくする働きがあり、カルシウムは骨を丈夫にする働きの他にも、
肌の角質細胞を作るのにも欠かすことのできないミネラルであり、そのため、カルシウムの定着率が高まることで、角質細胞の生成も促され、
肌細胞の生成も活発になります。
またカルシウム自体、摂取しても体外に排出されやすいという性質があり、
リジンと一緒に摂ることで吸収されにくいカルシウムの吸収率を高めることができるようになります。
といったものがあります。
●アスパラギン
アスパラギンは、セリンやスレオニン(トレオニン)同様、肌の天然保湿因子(NMF)を構成するアミノ酸であり、
肌の保水力を高めたり、ハリや弾力を高めるのにも効果を発揮してくれるアミノ酸となっています。
さらに、肌のターンオーバーを促すアミノ酸でもあり、年齢肌の改善や乾燥肌、敏感肌の改善にも効果的なアミノ酸といえます。
といったものがあります。
●BCAA
BCAAは、「分岐鎖アミノ酸」とも呼ばれ、筋肉で主にエネルギーとなる必須アミノ酸の総称です。
具体的には、ロイシン、イソロイシン、バリンのことをいい、人の筋肉を作り上げる主な必須アミノ酸となっています。
そのためBCAAを補ってあげることにより、筋肉を保ちやすくなったり、筋肉量の衰えも防ぐことができ、
それと同時に、筋肉の衰えが原因となる肌のたるみも防ぐことができ、肌に若々しいハリをもたらしてくれるものとなっています。
といったものがあります。
●オルニチン
オルニチンというと、肝機能を高めて、二日酔いの症状の緩和やお酒を飲む人にいいというイメージがありますが、
その他にも、成長ホルモンの分泌を促したり、コラーゲンの生成を促し、コラーゲンを強化するといった働きがあることも認められています。
そのことで、肌のハリを保つことができたり、肌の新陳代謝を促進するといった効果も期待できるアミノ酸となっています。
といったものがあります。
7.アミノ酸豊富!おすすめの食材、飲み物は?
このようにアミノ酸は、肌細胞の元となるたんぱく質を作り上げたり、コラーゲンの元になる材料でもあり、
肌のハリや弾力、みずみずしさにも欠かせないものとなっているんですね。
そして食品から摂るのであれば、より豊富に、効果的に摂りたいものです。
そこでおすすめなのが、
●牛乳
牛乳には、イソロイシンやリジン、セリン、トリプトファンなどのアミノ酸が豊富に含まれ、
さらに、コラーゲンの生成を促してくれるカルシウムも豊富に含まれていることから、美肌にも非常に効果的となっています。
●甘酒
甘酒には、ロイシンやリジン、スレオニン(トレオニン)、バリン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンが含まれていて、
その9種のアミノ酸は体内で生成することができない必須アミノ酸と呼ばれるもので、甘酒にはこの9種の必須アミノ酸が全て含まれていることになります。
甘酒には、必須アミノ酸以外のアミノ酸も豊富に含まれていますし、
ビタミンやミネラルなども含まれていることから美容にも非常に効果的となっています。
そのことから「飲む美容液」と呼ばれることもあるほどです。
●鮭やマグロなどの魚介類
鮭やマグロ、カツオ、イワシ、サンマ、アジなどの魚介類にもまた、必須アミノ酸が豊富に含まれているものも多く、
また、アミノ酸が豊富であるということは、たんぱく質も豊富であるということであり、より美しい素肌、ハリのある素肌を作るのにも効果的な食材といえます。
さらに、かつおの栄養価が高まった鰹節にはセリンやアルギニンが豊富に含まれていますし、
しじみには、オルニチンが豊富に含まれ、このような食材もおすすめです。
●肉類
牛肉に豚肉、鶏肉には、リジンやロイシン、イソロイシン、スレオニン(トレオニン)、バリンなどの必須アミノ酸も豊富に含まれ、
BCAAもしっかりと摂ることができるようになっています。
そして魚介類同様に、肌を作り上げるたんぱく質も豊富に摂ることができることから、美肌、肌のハリを保つのにも効果的な食材といえます。
肉類には他にも、たんぱく質の代謝や脂質の代謝を促すビタミンB群も豊富に含まれることから、より肌のターンオーバーを促してくれるようになっています。
ただ、脂肪分も多く含まれることから、脂肪分が気になる方は、鶏胸肉や鶏ささみであれば脂肪分が少ないうえに、アミノ酸は豊富に含まれているためおすすめです。
●お豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品
大豆には、ロイシン、イソロイシン、バリンというBCAAがしっかりと含まれていて、さらに、9種の必須アミノ酸のうち8種を含む食品となっています。
大豆はもちろん、大豆を用いたお豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品からでもアミノ酸を豊富に摂ることができるようになっています。
もちろんたんぱく質も豊富に摂ることができるようになっていますし、そんなアミノ酸の含有量は肉類にも劣らない含有量を誇っているほどです。
さらに、脂質や糖質、カロリーも低いことから、ダイエット中も安心して取り入れることできる食材でもあります。
●鶏卵
卵には、ロイシンやイソロイシン、バリン、リジン、トリプトファン、スレオニン(トレオニン)という必須アミノ酸に、
アルギニンやアスパラギン、グリシンという非必須アミノ酸も含まれていて、アミノ酸をバランスよく補給するのにも最適な食材ともいえます。
また、様々なお料理にも使うことができ、身近で、毎日のアミノ酸補給のために最も取り入れやすい食材の一つでもあります。
●チーズ
チーズにもイソロイシンやリジン、セリンなどのアミノ酸が豊富に含まれ、それは大豆のたんぱく質よりもバランスよくアミノ酸が含まれているともいわれてます。
また、生乳から作られることから当然、コラーゲンの生成を高めてくれるカルシウムも豊富に摂ることができ、美肌効果、ハリを高める効果も期待できる食材であるといえます。
8.まとめ
いかがでしたか?
肌のハリや弾力を高めたり、若々しい素肌、美肌を保つために補うものというと真っ先にコラーゲンを思い浮かべますが、
確かにコラーゲンは肌の弾力に欠かせない成分なのですが、実際にはコラーゲンを直接摂取しても、体の中ではアミノ酸に分解されてから吸収されることになるんですね。
さらに、肌の細胞を作り上げるのはたんぱく質で、そのたんぱく質を構成しているのもまたアミノ酸で、
その意味では、アミノ酸を直接摂取して、アミノ酸の量を増やしてあげることの方が、より美肌に効果的であるといえるんですね。
またそんなアミノ酸を補給するには、毎日の食事から補給することになるのですが、食品の中にもアミノ酸を豊富に含むものもたくさんあり、
そのような食品を積極的に取り入れてあげることによって、より効率的にアミノ酸を補給することが可能になっています。
こちらでは、アミノ酸の美肌への効果やアミノ酸を多く含む食品、さらに、特に美肌、肌の老化防止に効果的なアミノ酸の種類についてもご紹介しましたので、
ぜひ参考になさって、アミノ酸で、より効果的に、効率的にハリ肌を目指してみましょう。
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