スーパーでも簡単に手に入るようになった亜麻仁油やエゴマ油、その効果は高血圧や生活習慣病予防だけじゃないことをご存知ですか?
今回はそんな亜麻仁油にエゴマ油の優れた効果、知られざる健康効果に、1日の摂取量や効果的な摂り方、
さらに、摂り方で注意する点や気になる酸化、保管の方法などについても詳しくご紹介してみたいと思います。
今まで何となく亜麻仁油、エゴマ油を取り入れていた方も、取り入れたことがないという方もぜひ上手く活用して、健康油を毎日の健康習慣に取り入れてみましょう!
1.亜麻仁油とは?
亜麻仁油というのは、亜麻と呼ばれるアマ科、一年草植物の種子から抽出される油のことです。
亜麻は「アカゴマ」とも呼ばれることもあり、
日本でも古くから栽培が行われ、優れた薬効もあるため、江戸時代にはその種子が薬としても用いられてきた記録もあります。
2.エゴマ油とは?
エゴマ油というのは、エゴマというシソ科、一年生植物から抽出される油のことです。
その原産は東南アジアで、また、日本でも、特にそのエゴマ油の歴史は古く、平安時代初期にはすでに明かりを灯す油としても用いられてきたという記録もあるほどです。
3.どんな成分が含まれる?
エゴマ油、亜麻仁油ともに、色々な成分、栄養素が含まれているのですが、
その中でも脂肪酸が豊富に含まれていることもわかっています。
なかでも、
・オレイン酸(オメガ9脂肪酸)
・リノール酸(オメガ6脂肪酸)
・飽和脂肪酸
といった脂肪酸が豊富に含まれていて、
そしてその構成としては、
亜麻仁油が、
・オレイン酸:約19%
・リノール酸:約15%
・飽和脂肪酸:約15%
エゴマ油が、
・オレイン酸:約14%
・リノール酸:約16%
・飽和脂肪酸:約16%
こう見ると、亜麻仁油、エゴマ油ともに、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸の含有率や種類にもそれほど違いはなくて、
エゴマ油のほうが若干α-リノレン酸の量が多くなっています。
他にも、
・ビタミンK
・水溶性食物繊維
・不溶性食物繊維
なども含まれています。
4.どんな効果がある?
ではこのような亜麻仁油やエゴマ油にはどのような効果や効能が期待できるのでしょうか?
●血液をサラサラに保つ
亜麻仁油やエゴマ油に豊富に含まれるα-リノレン酸(オメガ3系不飽和脂肪酸)は、
摂取することで体内でDHA、EPAに変換されることもわかっています。
そしてDHA、EPAには血流を改善し、血液の状態を健やかに保つといった効果が期待できるようになっており、
血液をサラサラに保つ効果も期待できるようになっています。
●血栓を防ぐ効果
そのような、血流がサラサラに保たれたり、血流が改善する効果によって、
血液の塊である血栓ができてしまうのを予防することもできるようになります。
●高血圧予防
血液をサラサラに保ち、血流が良くなることによって、血液の滞りもふせぐことができ、
また、血液が滞ることによる血管へのダメージも防ぐことができるようになり、
血管もしなやかに保ち、血圧も安定化させ、血圧を下げて、高血圧を防ぐといった効果も期待できるようになります。
●動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞の予防
さらに、高血圧を防ぎ、血管がしなやかに若く保たれることによって、
動脈硬化を防ぐといった効果も期待できるようになります。
また、そのような動脈硬化が原因となって起こる脳梗塞や心筋梗塞を防ぐといった効果も期待できるようになります。
●コレステロールを下げる
亜麻仁油やエゴマ油に含まれるα-リノレン酸には、
血中の悪玉コレステロールや脂肪の排出を促し、その値を下げてくれるといった効果も期待できるようになっています。
特に、悪玉コレステロールを下げる効果が期待でき、そのような悪玉コレステロールが原因となるあらゆる生活習慣病の予防にも効果的となっています。
●脳の活性化、認知症予防
このように亜麻仁油やエゴマ油にはあらゆる生活習慣病予防に効果が期待できるようになっているのですが、それだけではなく、
先のとおりに、α-リノレン酸は体内に入ると、DHAやEPAに変換されることがわかっており、
またそのようなDHAやEPAには、脳への血流も高めて、脳の機能を活性化するという効果があることもわかっています。
そして、脳の活性化を促し、脳の機能が高まることによって、認知症やアルツハイマー病といった疾患の予防につなげられるとされています。
●記憶力、集中力向上
また、そのような脳の機能を高める効果、脳への血流がよくなる効果によって、記憶力や集中力を高めるといった効果も期待できるようになり、
そのことから、仕事や勉強に励みたい際にも最適なオイルと言えます。
●アトピーやアレルギー性疾患の改善
脂肪酸の中にはリノール酸という脂肪酸もあり、このリノール酸もまた不飽和脂肪酸の一種で、適量であれば、体にいいものなのですが、
その一方で摂り過ぎもよくないとされていて、摂り過ぎることで体内で炎症を引き起こしてしまうことがあり、
そんな炎症によってアレルギーやアトピーの原因になってしまうことがあることもわかっています。
またそのようなリノール酸は、サラダ油やコーン油、大豆油など、私たちがよく口にする植物油にも含まれていて、知らず知らずのうちに摂りすぎてしまうことも多い油で、
亜麻仁油やエゴマ油に含まれるα-リノレン酸には、そんなリノール酸の働きを抑えるといった効果があることもわかっています。
そのため、α-リノレン酸を十分に摂取することは、アレルギーやアトピーを防いだり、そのような症状を抑えることにもつながるとされています。
●美肌効果
α-リノレン酸はさらに、体へと取り入れることでセラミドの原料となることもわかっています。
セラミドは肌内部の、特に肌の表面を守る角質層を構成する細胞間脂質の一種でもあり、
肌細胞と肌細胞の間を埋めて、肌の水分量を高め、潤いを保ち、乾燥からを肌を守るのにも欠かせないものとなっています。
またセラミドは、肌の健やかなバリア機能を形成するのにも欠かせないものでもあり、
そんなセラミドがα-リノレン酸によって増えることで、肌がしっとりと保たれ、
キメもなめらかに整えられたり、ふっくらとした、みずみずしい素肌を保つといった美肌効果も期待できるようになります。
●便秘改善(特に亜麻仁油)
亜麻仁油やエゴマ油には食物繊維が含まれていることもわかっていて、
特に亜麻仁油には、水に溶ける水溶性食物繊維に、水に溶けない不溶性食物繊維も含まれていて、それらがバランスよく、豊富に含まれていることもわかっています。
そのため、腸のぜん動運動を活性化されたり、食物繊維が老廃物を巻き込んで、便の量も増え、便秘の改善や予防にも効果的となっています。
●ホルモンバランスを整える(特に亜麻仁油)
亜麻仁油には、リグナンと呼ばれる成分が含まれていることもわかっていて、
そんなリグナンは亜麻の植物に多く含まれるポリフェノールでもあるのですが、
それには女性ホルモン様の働きがあることもわかっています。
そのことで、ホルモンバランスが整えられ、特に、女性特有の症状の改善や予防にも効果的とされていて、
例えば、ホルモンバランスの乱れや変化が原因となる更年期障害の予防や改善、
生理痛や生理不順、PMS(生理前症候群)、不妊などの改善といった効果も期待できるようになっています。
そのため、そのような症状に悩まれている方は、亜麻仁油とエゴマ油であれば、亜麻仁油のほうがおすすめといえます。
●ダイエットや糖尿病予防(特にエゴマ油)
エゴマ油には、ロズマリン酸と呼ばれるポリフェノールが含まれることもわかっていて、
そんなロズマリン酸には、体内でアミラーゼという酵素の働きを抑えるという効果が期待できることもわかっています。
またそのようなアミラーゼは、体内で炭水化物の分解や吸収に関わる酵素でもあり、
それが抑えられることで、摂り過ぎた炭水化物、糖質の分解や吸収が抑えられることになり、ダイエットや糖尿病予防にも効果が期待できるようになっています。
5.1日の摂取量は?どれくらい摂ればいい?
ではこのような亜麻仁油やエゴマ油は1日のどれくらい摂取すればいいのでしょうか?
例えば、それらに含まれるα-リノレン酸の優れた健康効果をきちんと得るためには、1日に1.2g以上摂取することが望ましいとされています。
そして、1.2g以上摂るためには、亜麻仁油、エゴマ油のどちらもα-リノレン酸の占める割合が、先のとおりに50~60%であることから、
1日に2~2.5g程度摂ればいいということになります。
これは、小さじ半分程度の量となっていて、それくらい摂れば、健康効果が得られるようになっているんですね。
また、小さじ半分程度でいいのですが、サラダやお料理にかける場合ですと、それだと少ないといった場合には、1日にスプーン1杯程度でもいいですね。
いくら体に良いといっても、亜麻仁油もエゴマ油も油に変わりはありませんので、多く摂りすぎてしまうとやはり脂質、カロリーも過多になりやすいため、
もう少し摂りたい場合であっても、多くても1日にスプーン2杯程度に留めておくのがおすすめです。
6.効果的な摂り方は?加熱はOK?
では、亜麻仁油やエゴマ油を取り入れる場合、どのように取り入れればいいのでしょう。
亜麻仁油に比べるとエゴマ油のほうが多少味に癖はあるものの、どちらもあっさりとした味が特徴で、お料理に混ぜても味を邪魔することがないんですね。
ですから、色々なお料理に合わせやすくて、
例えば、
サラダにドレッシング代わりとしてそのままかけたり、
お味噌汁にスプーン1杯程度を垂らしたり、
他にも、冷奴にかけたり、パスタにからめたり、ピザやパンに少量乗せたりしてもいいですし、納豆にかけてもいいですね。
また少量であれば、野菜ジュースやスムージーに混ぜても、味を邪魔することなくそのままおいしくいただけるようになっています。
このように、色々なお料理に混ぜることができる亜麻仁油やエゴマ油ですが、
ここで注意が必要なのが、どちらも熱に弱い油となっていることです。
特に、一番健康効果を発揮してくれるα-リノレン酸は、熱を加えることによって壊れてしまうこともわかっていて、
そのため、炒め物や煮物などの料理には適しておらず、そのままで食するのが一番効果的な取り入れ方となっています。
ですから、例えばお味噌汁やパスタ、ピザなどに加える場合にも、加熱をしている最中ではなく、お料理が仕上がってから、最後に加えるようにしましょう。
7.酸化は危険!保存にも気をつけよう
このように亜麻仁油、エゴマ油には優れた健康効果が期待でき、それに、色々なお料理にも手軽に取り入れることができるようになっているのですが、
どちらも酸化しやすいというデメリットもあります。
また、酸化をしてしまうと、苦味や臭みが増して、非常にまずくなってしまうのはもちろんですが、
その脂質は過酸化脂質となり、血液の流れや消化器官などに悪影響をもたらしてしまうものとなり、
さらにα-リノレン酸などは、それ自体は血流をよくしたり、血液をサラサラにするという効果のあるものですが、
酸化してしまうと逆に体へと悪影響をもたらしてしまう恐れのある物質になってしまうこともわかっています。
そのため、購入したら早めに使い切るようにし、賞味期限が切れたものはもちろんですが、
賞味期限内であっても、通常のものとは明らかに違う苦味や臭みが生じているものは食べないようにしましょう。
亜麻仁油やエゴマ油は、空気が触れることをはじめ、熱や光によっても酸化しやすくなりますので、
保管の際には必ずきっちりとふたをして、冷蔵庫に保管しておくようにしましょう。
また、亜麻仁油やエゴマ油は瓶に入って売られているものが多いですが、
できれば、透明の瓶のものよりも、光を通しにくい遮光の瓶で売られているものを選ぶのがおすすめで、
なかには、瓶ではなくペットボトルに入って売られているものもありますが、そのようなものはさらに酸化しやすいので、避けるようにするほうが無難です。
また開封した後はさらに酸化が進みやすくなりますので、賞味期限に関わらず、できるだけ早めに、できれば2ヶ月以内には使い切ることがおすすめですね。
8.まとめ
いかがでしたか?
亜麻仁油やエゴマ油には非常に高い健康効果、効能も認められ、
そんなことから最近ではスーパーやドラッグストアなどでもよく見かけるようになりました。
そして実際にそれらには、α-リノレン酸というオメガ3系に不飽和脂肪酸が豊富に含まれていて、
そのことによって血液をサラサラにしてくれたり、血流もよくしてくれて、さらに血管の状態も若々しく保たれたりすることで、
特に、高血圧や動脈硬化の予防、それが原因となるあらゆる生活習慣病の予防にも非常に効果的となっているんですね。
そのような健康効果はよく知られているところですが、他にも、脳への血流も高めて、脳を活性化したり、免疫力を改善し、アトピーやアレルギー症状の改善、
美肌効果や便秘の改善、ダイエット、ホルモンバランスを整えてくれるといった意外な効果まで期待できるようになっているんですね。
そして、1日の量も、スプーン1杯程度でよくて、味もあっさりとしているので、色々なお料理にかけるだけで簡単に摂れるようになっているんですね。
ただ、取り入れる際には注意することや保管の際にも注意することなんかもあって、
こちらではそんな亜麻仁油やエゴマ油の優れた健康効果に摂り方、注意点などについてもご紹介してみましたので、
ぜひ参考になさって、毎日の生活習慣予防や美容などにこのような健康油を上手く活用しみましょう!
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