“やせホルモン”アディポネクチンって何?増やせばやせられる?その働きに増やし方、もともと増えない人もいる?

「アディポネクチン」というホルモンには、糖の吸収を抑えてくれたり、代謝をよくしたり、脂肪の燃焼を促す働きがあるのをご存知でしょうか?

そんなアディポネクチンは、ダイエットにも効果的なことから「やせホルモン」とも呼ばれるほどで、その働きが注目されているホルモンでもあります。

そこで今回はそんなアディポネクチンについて、その働きや特徴、さらに、その増やし方や増やす食べ物、注意点などについても詳しくご紹介してみたいと思います。

ぜひ“やせホルモン”、アディポネクチンを増やして、自然とやせ体質、無理のないダイエットへと導きましょう!

1.アディポネクチンとは?

アディポネクチンというのは、体の脂肪細胞から分泌されるホルモンの一種であり、生理活性物質の一種でもあります。

またそれは、体へと良い影響をもたらすことから善玉物質の一つともされ、

脂肪細胞の中でも、比較的小型の脂肪細胞から分泌されるホルモンであることもわかっています。

2.アディポネクチンの働きとは?

このようなアディポネクチンは、時に「やせホルモン」と呼ばれることもあるのですが、

その理由に、アディポネクチンには、

・インスリンの働きを強くする
・インスリンの感受性を高める

という働きがあることもわかっているからです。

インスリンは、食事の際に糖を摂取することによって分泌されるホルモンであり、

糖の代謝を促したり、血糖値を下げる働きのあるホルモンでもあります。

そして、アディポネクチンによりインスリンの働きが強くなることによって、糖の代謝がより促され、その吸収が抑えられたり、

血糖値の急激な上昇も抑えるといった効果も期待できるようになります。

また、アディポネクチンには、そんなインスリンの受容を高めるといった働きも期待でき、

より少ないインスリンでも効果的に働かせることができ、

実際に、アディポネクチンの分泌が多い人の方が肥満や糖尿病のリスクが低いということもわかっているということです。

●脂肪の燃焼を促す

脂肪の燃焼が促され、スリムな女性

さらにアディポネクチンには、体内の筋肉組織にある「AMPキナーゼ」という酵素を活性化するという働きがあることもわかっており、

この「AMPキナーゼ」という酵素は、糖や脂肪をエネルギーへと変換し、燃焼しやすくするという働きがある酵素であり、

そのため、AMPキナーゼが活性化することにより、糖や脂肪が燃えやすい体へと導くことができるという効果も期待できるようになります。

●食欲をコントロールし、抑制する

食事を適切に楽しむ女性

他にも、食欲をコントロールし、抑えるという働きがあることもわかっていて、

これは、東京大学大学院医学系研究科などの研究により明らかにされたことでもあります。

さらにこのようなアディポネクチンの食欲を抑制する働きは、特に低血糖の状態で分泌された時に高まることも認められていて、

低血糖、つまり、空腹の状態で高まり、空腹時に食事を摂った際の食欲も自然とコントロールできるようになります。

そしてそのことで食べ過ぎや過食も抑えることができるようになるといわれています。

3.他にもこんな働きも!

●糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病予防

生き生きと健康的な女性

アディポネクチンには、先のとおりに、インスリンの働きを高める効果が期待でき、そのことにより血糖値の上昇を抑える効果も期待できるようになっています。

そして、血糖値の上昇が抑えられることで、糖尿病の予防や、また、高血糖の状態が続くことによる血管のダメージも防ぐことができるようになり、

動脈硬化や、そのような動脈硬化が原因となるあらゆる生活習慣病予防にも効果が期待できるものとなっています。

さらに、アディポネクチンには、

・血管の傷を修復する
・血管を拡張する

といった働きがあることも認められています。

血管の傷を修復する働きによって、血管を若々しく保つといった効果が期待できるようになり、

さらに、高血圧や心筋梗塞、脳卒中のリスクを下げるといった効果も期待できるようになります。

また、血管を拡張するという効果によって、血流がよくなり、そのことで血行や代謝がよくなったり、

さらに、動脈硬化を予防することが可能となり、より一層、高血圧や心筋梗塞、脳卒中のリスクを低減できることになります。

4.アディポネクチンを増やすには?

ではこのような、ダイエットによくて、体に良い影響をもたらしてくれるアディポネクチンは増やすことはできるのでしょうか?

●アディポネクチンを増やすには太ればいい?それは間違い
●適正体重を保つことが大切

体重計に乗る様子

冒頭にもあるとおりに、アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンでもあります。

そのため、その分泌には必ず脂肪細胞が必要となり、さらに分泌を増やすためには、脂肪細胞を増やす、つまり太ればいいのと思ってしまいがちですが、

このアディポネクチンは、脂肪細胞の中でも小型の脂肪細胞からのみ分泌されることがわかっており、

さらに、内臓脂肪が増えれば増えるほど、その分泌量は減少し、血中の濃度も低下することもわかっています

そのため、太ってしまったり、また、内臓脂肪が増えてしまうことは逆効果であり、アディポネクチンの量を減らしてしまうことになるんですね。

先のとおりに、肥満気味で内臓脂肪が増えた状態だとアディポネクチンの分泌の量は減少してしまいますので、

まずは、肥満を防いで、適正体重を保ち、内臓脂肪が増えるのも防ぐことが、アディポネクチンの分泌量を減らさない、さらに増やすためには必要となるでしょう。

5.アディポネクチンは食べ物でも増やせる?

ではそんなアディポネクチンは、食べ物でも増やすことは可能なのでしょうか?

例えば、増やすのに効果的とされているものとして、

●大豆製品を食べる

お豆腐や納豆などの大豆製品

大豆に含まれる大豆たんぱくには、「βコングリシニン」という成分が含まれ、

これには、アディポネクチンを増やす効果が期待できるといわれています

そのため大豆製品を食べるのも効果的で、

例えば、豆腐や納豆などでもいいですし、

特に高野豆腐には、木綿豆腐の約7倍ものたんぱく質が含まれているということで、そのような高野豆腐を食べることでも、より効果的に大豆たんぱくを摂ることができるようになっていますね。

もちろん、普通のお豆腐や納豆などでもいいですし、大豆煮や湯葉にも大豆たんぱくは豊富に含まれていますので、これらの食品をバランスよく食べるのもいいですね。

●青魚を食べる

EPA豊富な青魚

青魚に含まれるEPAという不飽和脂肪酸にもアディポネクチンの分泌を促す効果が期待できます

EPAは、オメガ3系の不飽和脂肪酸でもあり、例えば、サバやアジ、イワシ、サンマといった青魚に多く含まれる成分でもあり、

そんなEPAには、血流をよくしたり、血液の状態をサラサラに保って、あらゆる習慣病予防に効果的なことはよく知られていることですが、

アディポネクチンの分泌を増やすという働きも期待できるようになっています。

さらに、EPA以外にも、「アスタキサンチン」と呼ばれるカロテノイドの一種にも、アディポネクチンへと働きかけて、その効果を助ける働きがあるといわれています。

そしてそのアスタキサンチンは、鮭やエビ、カニなどに多く含まれていますので、このような魚介類もバランスよく取り入れてみるのもいいですね。

●マグネシウムを摂る

ナッツや葉物野菜などのマグネシウム豊富な食材

ミネラルの中でも、マグネシウムにはアディポネクチンの分泌を促す効果が期待できるとされています。

ですから、日ごろからマグネシウムを摂るようにするというのもいいでしょう。

そしてそんなマグネシウムが豊富に含まれるものとしては、アーモンドやカシューナッツといったナッツ類にごま

わかめやひじき、あおさなどの海藻類、お豆腐や納豆などの大豆製品、他にも、魚介類や、緑の葉物野菜を中心とする野菜類にも含まれています。

ですから、このような食品からバランスよく摂るようにするのもおすすめです。

6.適度な運動で内臓脂肪を増やさないことも大切

適度な運動で汗をかく女性

先のとおりに、内臓脂肪が増えることによってアディポネクチンの分泌が減少してしまいますので、

内臓脂肪を増やさないためにも、日ごろから適度な運動も欠かせません

運動の中でも特に、脂肪の燃焼を促す有酸素運動がおすすめです。

運動の内容も、激しすぎたり、長時間に渡る運動は、逆に体に負担となってしまいますので、

例えば、少し早く歩くくらいのウォーキングや軽いジョギング、サイクリング、軽い水泳といった、無理なく続けれる運動がおすすめです。

時間にしても、1日に20~30分程度が理想的ですが、継続することが大切ですので、1日に10分程度で無理なく続けられるなら、それくらいでもいいですね。

7.日本人はもともとアディポネクチンが少ない?

ウォーキングする男性と女性

このようにアディポネクチンには、糖の吸収を抑えたり、血糖値の上昇を抑えてくれるといった働きがあり、ダイエットや肥満の予防に効果的なホルモンなのですが、

遺伝的に日本人はアディポネクチンの分泌自体が少ない方が多いといわれています。

また実際に、日本人の3~4割程度が、内臓脂肪も少なく、太っていないのにアディポネクチンの分泌が少ないといわれているほどで、

そのような方の場合、先にご紹介したアディポネクチンを増やす方法を実践したとしても、効果が期待できないこともあります。

ただ、適正な体重を維持することや、適度な運動、さらに、大豆製品や青魚を積極的に摂る、マグネシウムを積極的に摂ることもまた、健康の維持や促進、

さらに、ダイエット自体にも効果的なものでもありますので、やはりおすすめですし、

それでいて、もしかしたらやせ体質へ導いてくれるアディポネクチンも増やすことができて、ダイエットしやすくなるかもしれないという心がけでいられる方がいいかもしれないんですね。

8.まとめ

いかがでしたか?

脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンというホルモンには、インスリンの働きを助けて、

糖が吸収されにくくしてくれたり、血糖値の上昇も抑えてくれるといった効果も期待でき、

さらに、食欲をコントロールして、食欲を自然と抑え、食べ過ぎを防ぐといった効果まで期待できるようになっているんですね。

そんな効果からアディポネクチンは「やせホルモン」とまで呼ばれるほどで、

そんなアディポネクチンの分泌を増やすことができれば自然とやせやすい体質にも導くことも可能になるんですね。

そしてこちらではそんなアディポネクチンというホルモンについて、その働きや効果、さらに、その特徴や増やし方などについてもご紹介してみましたので、

無理なく自然とやせ体質になりたい方はぜひ参考になさってみてください。

ただし、遺伝的に元々アディポネクチンの分泌が少ない方もいて、日本人にはそのような体質の方も多いということなので、アディポネクチンだけに過度に期待するのではなく、

日ごろから、バランスのよい食事や適度な運動、適正な体重を保つことを心がけておくことが大切であることも念頭に置いておきましょう。

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