アトピー性皮膚炎、敏感肌に悩まれている方は多くて、そのどちらも、肌に赤みやかゆみが出たり、
ヒリヒリとした刺激を感じたりと症状がとても似ていて、なかには、自分がどちらの肌状態なのか悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。
今回はそんなアトピーと敏感肌の違いやそれぞれの原因、症状の特徴、見極め方やケア、改善の方法などについてもご紹介してみたいと思います。
1．アトピー性皮膚炎とは？
アトピー性皮膚炎というのは、アレルゲンと呼ばれるある特定の物質や成分に対して体内の免疫機能が反応し、
それらが肌に触れることにより、かゆみや赤み、腫れなどの症状を引き起こしてしまう肌のことです。
またそんなアレルゲンには、例えば、
ハウスダストやダニ、花粉、化学物質、金属、真菌、犬や猫などの動物の上皮など、あらゆるものがあります。
2．アトピー性皮膚炎の原因は？
アトピー性皮膚炎の場合、生まれつきという先天的なものから、突然発症する後天的なものもあり、
先天的なものの場合、もともとアレルギー体質であることが原因で、
後天的なものの場合、明確な原因はまだわかっておらず、
こちらも元々アレルギー体質で、食生活やストレスなどの生活習慣の中であらゆることが引き金となって起こることもあるとされています。
3．敏感肌とは？
敏感肌というのは、何らかの原因により肌の表面を覆う角質が薄い状態となり、
そのことで肌のバリア機能が低下し、
例えば、乾燥や紫外線、摩擦や物による接触などの外部刺激にも弱く、
かゆみや赤み、腫れなどをすぐに引き起こしてしまう状態の肌のことです。
4．敏感肌の原因は？
敏感肌の場合には、生まれつき角質層が薄く、バリア機能が弱いといった肌質の方もいらっしゃいますが、
例えば、洗顔のし過ぎやピーリング、はがすタイプのパックのしすぎ、肌へ摩擦を与えすぎといった、誤ったスキンケアが原因となっていることも多くあります。
5．その違いは？見極め方は？
では、アトピー性皮膚炎と敏感肌にはどのような違いがあるのでしょうか。
●原因に違い
アトピー性皮膚炎の場合には…
その原因が体の免疫機能にあり、免疫機能の低下や障害が原因となっています。
敏感肌の場合には…
肌のバリア機能に問題があり、その多くは、バリア機能の低下やバリア機能の脆弱化が原因となって起こるという違いがあります。
また、アトピーの場合には、その多くはある何らかのアレルゲンにのみ反応するのに対し、
敏感肌の場合には、その多くは、刺激の強い化粧品の成分だったり、肌をこすることや、
衣服のこすれ、髪の毛が触れたり、空気中のホコリやゴミ、紫外線、細菌などにも反応することもあり、
刺激となる要因が多くあるということもその違いとしてあります。
なかには、アトピーだと思っていたのに実は敏感肌だったという方や、その逆もあって、
●これってアトピー？敏感肌？その見極め方は？
では、アトピー性皮膚炎と敏感肌をどのようにして見極めればいいのでしょうか？
そのいくつかの例としては、
例えば、
・肌がかゆくなることが多く、時にはかきむしるほどの強いかゆみがある
・肌が赤くなったり、湿疹ができることがある
・特に、首の周りや目の周りに赤みが出たり、かゆくなることが多い、湿疹もできる
・ひじやひざに湿疹ができることが多い
・そのような湿疹やかゆみ、赤みは一旦よくなっても、再発することが多い
・過去にアレルギー体質であると診断されたことがある
といった場合には、アトピー性皮膚炎である可能性が高いでしょう。
そして、
・特に頬の辺りに赤みやヒリヒリ、ピリピリとした刺激を感じることが多い
・今まで使っていた化粧品、スキンケア用品が突然使えなくなることがある
・体は問題なくても、顔の皮膚だけが弱く、顔だけ化粧品に反応する
・体調や季節、ストレスなどによって、いつも使っていた化粧品が使えなくなることがある
・ひどい場合には、ほてりやかぶれ、痛みを感じることもある
といった場合には、敏感肌である可能性が高いといえます。
6．スキンケア方法や改善法は異なる？
このようにアトピーと敏感肌では原因も症状も異なり、見極めることができたとして、
では、毎日のスキンケアの方法はどのように変わってくるのでしょう。
●アトピーはアレルゲンを避け、あとは通常のスキンケアが可能
例えば、アトピーの場合には、基本的にはアレルゲンのみに反応してしまうことになりますので、
まずは、自分がどのようなアレルギー物質に刺激を受けてしまうのかを特定する必要があるでしょう。
さらにアトピーの方の場合には、もちろん、洗顔のしすぎなどはいけませんが、通常普通の肌の方と同じようなケアも可能ですので、
美白ケアやエイジングケアなども可能になっています。
●敏感肌は刺激を与えない、摩擦しない、バリア機能を守るケアを
一方、敏感肌の場合にはスキンケアが非常に重要で、
毎日のスキンケアではできるだけ
・刺激を与えないケア
・摩擦を加えないケア
・角質を薄くしないケア
を重要視することになります。
それとともに、きっちりと保湿をして、肌を乾燥させないようにすることも大切になります。
そのためにまずは、スキンケア用品やファンデーションなどを選ぶ際には必ず配合成分を確認し、
できるだけ肌に刺激を与えるような成分、バリア機能に影響を与えるような成分が配合されているものは避けるようにしましょう。
最近では、敏感肌の方も増えていることから、刺激の強い成分が一切配合されていない低刺激な無添加の化粧品も増えています。そのようなものを選ばれるのもいいですね。
特に気をつけたいのが、クレンジングなどに多く含まれている石油系の界面活性剤です。
これは使いすぎてしまうとバリア機能に直接影響し、脆弱化を招く恐れのある成分でもありますので、
クレンジングには、敏感肌の方は特に、石油系界面活性剤の無添加のものを選ぶことをおすすめします。
洗顔のしすぎやクレンジングのしすぎ、ピーリングなどの角質を薄くするような行為も敏感肌の方にとっては厳禁となります。
他にも、エタノール（アルコール）やパラベン、紫外線吸収剤なども角質に影響を与える恐れがありますので、できれば無添加のものを使用するのが望ましいでしょう。
また日ごろのスキンケアにおいても、日常生活においても、敏感肌の方はできる限り、
肌をこすったり、肌に摩擦を加えたりといったバリア機能を弱めてしまうような行為は避けるように心がけましょう。
7．共通する改善法、注意点もある
またアトピーと敏感肌で共通するケア法、改善法、注意する点もあります。
例えば、
●どちらも肌の保湿をして、肌のコンディションを整えることが大切
毎日のスキンケアではどちらも基本的には肌をきちんと保湿して、肌を乾燥させないようにし、
肌のコンディションを健康的な状態に整えておくことです。
そうすることにより肌のバリア機能も高まり、また肌の免疫力も自然と高められ、症状の改善を目指すことができるでしょう。
アトピーの方の場合も敏感肌の方の場合も、その症状を悪化させる原因として共通して多く挙げられるのが、
・汗をかく
・乾燥した外気、逆に湿度の高い外気に長くさらされる
・入浴や洗顔の際の熱すぎるお湯
・化粧品か髪の毛、衣服などによるこすれといった刺激
などがあります。
このようなことは共通して、アトピーも敏感肌も、その症状を悪化させる要因となることも多いので、日常生活においてできるだけ避けることも大切になってくるでしょう。
さらに、精神状態が肌に現れるといった方も多く、
通常の肌の方でもストレスを多く受けることにより、一時的に肌が敏感になってしまう方もいらっしゃるほどで、
ましてや敏感肌やアトピーの方の場合には、その傾向が顕著になることもあります。
ですから、できるだけ日ごろからストレスや疲れをためないようにし、
ストレスや疲れがたまったらできる限り上手く発散し、軽減するよう心がけられるといいですね。
そしてもちろん、質のよい十分な睡眠やバランスの取れた食事、適度な運動など生活習慣を整えておくことも、肌の免疫力を高めるのには大切になってきますね。
8．アトピーが敏感肌を誘発することもある？
このようにアトピーと敏感肌ではその原因が異なるのですが、
なかには、両方が互いに関係してしまっている場合もあります。
例えば、もともとアトピーだった方がかゆみによってひどくかいてしまい、そのことによって肌のバリア機能が弱くなり、敏感肌にもなってしまうこともあります。
そのような場合には、アレルゲンを避けるよう心がけるとともに、肌のバリア機能を育てるよう、低刺激で保湿を重視した優しいケアも必要になってくるでしょう。
9．まとめ
いかがでしたか？
アトピー性皮膚炎と敏感肌というのは、その症状がとても似ていることから、なかには、アトピーだと思っていたのに、敏感肌だったという方、
またその逆もありえることで、そのことによって、根本からケアの仕方や改善の方法が間違っているといった方もいらっしゃるかもしれません。
そして、その両方の原因や症状の特徴、その違い、見極め方を知って、ご自身の肌がどちらなのか、
またそのことによって、それぞれにあったスキンケア法や改善法も正しく知ることがでできるようになりますし、
少しずつではあるかもしれませんが、症状を和らげたり、改善させることも可能になるでしょう。
こちらではそんな、それぞれの原因や改善法などについてご紹介しましたので、少しでもお役立ていただいて、無理なく改善を目指していただければと思います。
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