コーヒーにはポリフェノールが豊富に含まれ、その中でも、クロロゲン酸というポリフェノールが含まれているのはご存知でしょうか。
さらにそのクロロゲン酸には、体に嬉しい効果も期待できるようになっていて、一昔前のコーヒーは体によくないというイメージも覆してくれるものとなっています。
今回はそんなコーヒーに含まれるクロロゲン酸について、その効果や1杯あたりの含有量、1日にどれくらい飲めばいいか、
さらに、より効果的な飲み方や注意点などについてもご紹介してみたいと思います。
1.クロロゲン酸とは?
クロロゲン酸というのは、植物の種や葉に含まれるポリフェノールの一種であり、
コーヒー豆にも含まれていることから、コーヒーを飲むことによっても摂ることができるようになっています。
そのためクロロゲン酸は、コーヒーポリフェノールと呼ばれることもあり、
クロロゲン酸には苦味や酸味があるのも特徴で、コーヒーを長く抽出した際に出てくる苦味や雑味というのは、このクロロゲン酸によるものだとされています。
2.クロロゲン酸にはどのような効果がある?
クロロゲン酸には、素晴らしい効果があるために近年大変注目が高くなっているポリフェノールとなっています。
その効果として例えば、
●ダイエット効果
クロロゲン酸には、糖質を分解し、吸収する酵素の働きを阻害するという効果があり、
食事から摂取した糖の吸収を抑えてくれるという効果があります。
また、脂肪を摂取した際に分泌され、分解や吸収を促す酵素に対しても、その働きを阻害する効果も期待できるようになっており、
糖にも、脂肪にも働きかけ、吸収を抑えるという効果が期待できるようになっています。
さらに、体脂肪の燃焼を促すといった効果も期待できるようになっているため、
ダイエットや肥満の予防にも非常に効果的となっています。
●血糖値の上昇を抑える効果
クロロゲン酸には、このように糖質の分解や吸収を抑える効果があることから、
食事で摂取した糖の吸収が抑えられることになり、血糖値が上昇するのを緩やかにしてくれる効果もあります。
そのことにより、インスリンの分泌も抑えられることになり、糖尿病の予防にもつなげることができるようになります。
●抗酸化効果・アンチエイジング効果
クロロゲン酸には優れた抗酸化作用もあり、体内に蓄積される活性酸素を除去してくれるという効果も期待できるようになっています。
活性酸素が取り除かれることで、老化を防いで、若さを保ったり、美肌を保つといった効果も期待できるようになっています。
また、女性が気になる肌のたるみやシミ、しわ、肌の老化の原因にも効果が期待できるようになっています。
●肝臓に脂肪が付くのを防ぐ効果
クロロゲン酸には、肝臓に中性脂肪が蓄積されるのを抑制するという効果も期待でき、
肝臓にそのように中性脂肪が蓄積されることで脂肪肝の原因ともなり、それが悪化してしまうと肝硬変の原因にもなってしまいます。
このように中性脂肪の蓄積が抑えられることで、脂肪肝や肝硬変の予防にも効果的となっています。
3.コーヒー1杯にどれくらい含まれる?
では、このようなクロロゲン酸はコーヒー1杯辺りにどれくらい含まれるものなのでしょうか?
実際に、クロロゲン酸はコーヒー豆に5~10%ほど含まれているということで、
カフェインの含有量が1~2%程度であることから、カフェインよりも多く含まれていることになります。
またクロロゲン酸は熱に弱いという性質があり、
コーヒー豆からコーヒーへと抽出する際に、熱が加えられることで失われてしまうことになります。
それでも、コーヒー豆自体に含まれる量が多いことから、
抽出しても、カップ1杯辺り、約280mgほどのクロロゲン酸を摂ることができるようになっています。
これは、赤ワインに含まれるポリフェノールの量と同じくらいで、緑茶に含まれるポリフェノールの約2倍の量となっています。
4.1日にどれくらい飲めばいい?
コーヒー自体に1日の摂取量は決められているわけではありませんが、
例えば、クロロゲン酸による体脂肪の燃焼効果やダイエット効果、血糖値を抑えるなどの健康効果を期待するのであれば、
1日に500mg程度のクロロゲン酸を摂る必要があるとされています。
先のとおりに、コーヒーカップ1杯分にクロロゲン酸は約240mg程度含まれていることから、
1日に2~3杯ほど飲むことによって、健康効果が得られるほどのクロロゲン酸を摂ることができるようになっています。
5.効果的に摂るなら浅煎りコーヒー?
クロロゲン酸というのは、先のとおりに、熱に弱いという性質があるため
焙煎する際に、加熱することによって失われてしまい、
当然、その焙煎時間が長くなるほどコーヒーに含まれるクロロゲン酸の量も減ってしまうことになります。
そのために、焙煎時間の長い深煎りのコーヒーよりも、焙煎時間の短い浅煎りのコーヒーの方がクロロゲン酸の含有量が多くなるということになります。
ローストされた深煎りコーヒーはとてもおいしくて好んで飲まれる方も多いかもしれませんが、
より健康効果を期待してコーヒーを飲まれる場合には、浅煎りコーヒーを取り入れてみるのもいいかもしれません。
6.缶コーヒーやインスタントコーヒーでもOK?
缶コーヒーやインスタントコーヒーはとても手軽で、その場で飲めたり、簡単に入れられることから、よく飲むといった方も多いでしょう。
そんな缶コーヒーやインスタントコーヒーであっても、コーヒー豆が使用されていることから、クロロゲン酸ももちろん含まれています。
ただ、インスタントへと仕上げる際に加工を施すことからどうしてもクロロゲン酸が減少してしまい、
ドリップで入れたコーヒーの方がクロロゲン酸の含有量が多くなっています。
そのため、インスタントや缶コーヒーでクロロゲン酸を効果的に摂る場合には、
ドリップタイプよりも、1杯程度は多く飲むようにされるといいかもしれません。
また特に缶コーヒーの場合、砂糖やミルクがたくさん入っているものもありますので、たくさん飲んでしまうとそれだけ糖分や脂質も摂りすぎてしまうことになります。
ですから、インスタントにしても缶コーヒーにしても、飲むのであれば、できればブラックで飲むのがおすすめですね。
7.一番効果的に飲むには?
どうせ飲むのであれば、一番効果的にクロロゲン酸が摂れる方法で飲みたいといった場合には、
・できれば、浅煎りのコーヒー豆で、
・80度前後のお湯で入れて
飲むのがおすすめです。
先にご紹介したとおりに、缶コーヒーやインスタントコーヒーよりもドリップコーヒーの方がクロロゲン酸の量は多いので、飲むのであればドリップコーヒーがおすすめです。
また、ドリップコーヒーも、今ではお家でも簡単に入れられるものも多くなっていますし、
より簡単に入れられるコーヒーメーカーなどもありますので、そのようなものを使ってみるのもいいですね。
コーヒー豆を選べるのであれば、やはりクロロゲン酸が熱によって失われにくい浅煎りのものを選ぶようにし、
さらに、お湯の温度についても、高温だとやはりクロロゲン酸を壊してしまいます。
また、クロロゲン酸は80度前後のお湯であれば壊れないとされていますので、熱々のものより、80度前後の少しぬるめのお湯で入れるのがおすすめです。
さらにコーヒーは体にいいという一方で、ジテルペン類という物質も含まれており、これには血中コレステロールや中性脂肪を上昇させる恐れが指摘されているるのですが、
ドリップコーヒーのペーパーフィルターでろ過することにより取り除くこともできるようになっているということで、
そういった意味でもドリップコーヒーで飲まれるのがおすすめなんですね。
8.副作用や注意点は?
このようにコーヒーには、クロロゲン酸というポリフェノールが含まれ、様々によい効果をもたらしてくれるものなのですが、
その一方で注意点もあります。
●空腹時に飲まない
クロロゲン酸自体、ポリフェノールでもあることから、摂りすぎたとしても問題はないのですが、
ただ、クロロゲン酸には胃の働きを活発にしたり、胃液の分泌を促すといった働きもあり、
それが消化吸収を促したりといったよい結果をもたらしてくれることもあるのですが、
特に、空腹時にいきなり摂ることによって、胃もたれを起こしてしまったり、胃が荒れてしまうことがあります。
ですから空腹時に飲むことは避けた方がいいでしょう。
また、胃が弱い方や胃潰瘍のある方、胃酸過多といった方の場合は特に、胃に負担がかかってしまいますので、飲みすぎには注意が必要です。
●カフェインの作用に気をつける
コーヒーでやはり気になるのがカフェインで、適量であれば問題ありませんが、
摂りすぎることによって、強い覚醒作用が自律神経に影響を与えすぎてしまうこともあります。
そのため飲みすぎには注意して、適量を守るようにし、
また、よく言われることですが、やはり就寝前に飲むのは避けた方がいいですね。
さらに、コーヒーがミネラルの吸収を抑えてしまうことも言われるのですが、
これについても、飲みすぎなければそんなに気にする必要はないのですが、やはり飲みすぎてしまうとそのような懸念も生じてしまうようですので、飲み過ぎないようにしましょう。
9.まとめ
いかがでしたか?
以前であれば、コーヒーにはカフェインなどの問題であまり体にいいイメージがなかったのですが、
近年では、そんなコーヒーにはクロロゲン酸などのポリフェノールが豊富に含まれていることもわかっていて、
特にそのクロロゲン酸には脂肪を燃焼させてくれる効果やダイエット効果、血糖値の抑制効果、
他にも、抗酸化やアンチエイジングといった効果まで期待できることもわかっていて、コーヒーのイメージも変わってきています。
またそんなクロロゲン酸をより効果的に摂るためのコーヒーの飲み方や注意点などもあって、
今回はそのようなコーヒーやクロロゲン酸の効果、より効率的な飲み方などについてもご紹介してみましたので、
ぜひ毎日のコーヒーライフで、ダイエットや美容、健康にも活かしてみてはいかがでしょう。
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