ファンデーションは、肌や肌色、毛穴や凹凸、色むらなどをきれいに整え、美しくしてくれる、女性にとっては欠かせないものです。
また、紫外線や外部刺激、乾燥からも肌を守ってくれるものでもあります。
しかし、時にそれは肌に悪いということもいわれることもあります。
今回は、その理由やファンデーションのメリット、デメリット、正しい使用方法などについてもご紹介しています。
1.ファンデーションの役割とは?
ファンデーションには、
・肌の色を均一に整える
・凹凸を滑らかに整える
といった役割があります。
肌をきれいに整える
肌をきれいに整えて、美しく見せてくれる。
これがファンデーションの最大の役割といえるでしょう。
ファンデーションには、着色された細かな粒子、顔料とも呼ばれる粒子が配合されており、
パウダーファンデーションはもちろんですが、リキッドファンデーションやクリームファンデーションにも配合されています。
そんな顔料によって、肌へと塗布してあげることにより、肌を整えて、美しく演出してくれるようになっています。
また、明るい色を使用することによって、くすみなどもカバーして、肌色を明るい印象にも整えることができるようになります。
肌の色を均一に整える
さらに、そのような顔料によって肌の色が均一に整えられます。
肌の色むらはもちろん、頬の赤みやあごの赤み、シミやそばかす、ニキビの赤み、
ニキビ跡の色素沈着などもカバーして、隠してくれるようになっています。
凹凸をなめらかに整える
ファンデーションに配合されている微粒子によって、肌の凹凸をカバーし、なめらかに整えてくれるといった効果も得られるようになっています。
微粒子が毛穴や小じわなどの肌の凹凸を埋めて、フラットに整えてくれるようになっていますので、
凹凸のないなめらかな肌、もとから毛穴や小じわなどのない素肌であるかのようななめらかさも演出してくれるようになるんですね。
他にも、
・皮脂を吸収し、テカリを防ぐ
・紫外線から肌を守る(UV効果のあるもの)
・肌を保湿する
といった役割も期待できるでしょう。
外部刺激から肌を守る
空気中には、目に見えないホコリや細菌、雑菌、花粉や、最近では黄砂やPM2.5といった有害物質が多く飛んでいることもあります。
ファンデーションを塗ることによって、ファンデーションが肌を覆ってくれるようになりますので、
そんな外部刺激が、直接肌に触れてしまうのを防いでくれるといった効果も得られるようになっています。
皮脂を吸収し、テカリを防ぐ
特にパウダータイプのファンデーションはパウダーが皮脂を吸収してくれるようになっているものも多くなっていて、
浮いてくる皮脂を吸収し、肌をさらさらに保って、テカリを防いでくれる効果も得られるようになっています。
リキッドファンデーションやクリームファンデーションなどにも、皮脂を吸着してくれる成分が配合されているものもあります。
紫外線から肌を守る(UV効果のあるもの)
今では多くのファンデーションに、紫外線散乱材などが配合され、
紫外線もはじいて、紫外線によるシミやそばかす、日焼けを防いでくれるものも多くなっています。
そのようなものを使用することによって、メイクと同時にUV効果も得られるようになり、
UVカット効果の高いものも多くありますので、顔に日焼け止めを塗る必要もなくなります。
肌を保湿する、美容効果も得られる
ヒアルロン酸やコラーゲン、セラミド、スクワランなど、今では本当に色々な保湿成分や美容成分が配合されているファンデーションも多くあります。
特に、リキッドファンデーションやクリームファンデーションにはそのような保湿成分や美容成分が配合されているものが多くなっていますので、
メイクをしている間も肌を保湿してくれたり、スキンケアしてくれるようになっていて、乾燥しやすい肌の方にも嬉しいものとなっています。
2.ファンデーションが肌に悪いといわれる理由は?
このようにファンデーションには様々な役割やメリットもあるのですが、
それは時に「肌に悪い」、「使い続けるのはよくない」と言われることもありますよね。
それはなぜなのでしょうか。
その理由としては、
・毛穴に詰まる
・肌を圧迫する
・クレンジングで落とす必要がある
・ファンデーションを付ける時に、肌をこする、力を加えてしまう
といったことが考えられます。
肌によくない成分が配合されている
例えば、ファンデーションに配合されている成分で心配な成分に、
・合成ポリマー
・合成界面活性剤(特に石油系界面活性剤)
・紫外線吸収剤
・合成色素
といったものが挙げられます。
それぞれの特徴が、
●シリコン…
シリコンには、水をはじくという特性があるために、汗や皮脂にも強くなり、化粧崩れを防ぐという効果に優れ、そのために、多くのファンデーションに配合されています。
ただ、肌への密着度が強い成分でもあり、毛穴に詰まりやすく、比較的洗浄力の強いクレンジングで落とす必要があり、その際に肌を傷めてしまうこともあります。
●合成ポリマー…
乳化作用に優れ、ファンデーションに綺麗な色をつけることができる成分となっています。
また、シリコン同様、汗や皮脂に強く、化粧崩れを防いでくれるようになっており、特に、ウォータープルーフ処方のファンデーションに多く配合されている成分でもあります。
合成ポリマー自体に毒性はないものの、やはり、肌へとしっかりと密着して、落としにくく、強めのクレンジングの必要があります。
そんな合成ポリマーには、
・カルボマー
・ジメチコン
・セルロース
・アクリル酸
・メタクリル酸
・シロキサン
といったものがあります。
●合成界面活性剤…
混ざり合わない水と油とを混ぜる乳化剤として使用される成分で、リキッドファンデーションやクリームファンデーションでは多く使用されていています。
この合成界面活性剤には、肌を保護するのに必要な皮脂を溶かし、
また、バリア機能を弱めてしまうといった作用もあり、毎日使い続けることが懸念される成分でもあります。
ただ、合成界面活性剤といってもその種類は多く、全てが肌に悪いというわけではなくて、特に気をつけたいのが「石油系界面活性剤」と呼ばれるもので、
・ラウリル硫酸ナトリウム
・ラウリル硫酸アンモニウム
・ラウレス硫酸ナトリウム
・ラウレス硫酸アンモニウム
・スルホン酸ナトリウム
・キシレンスルホン酸アンモニウム
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩
といったものが挙げられます。
●紫外線吸収剤…
紫外線吸収剤は、肌の表面で紫外線を吸収し、化学反応を起こすことによって、熱などのエネルギーへと変えて、紫外線による影響を防ぐことができる成分です。
また透明であることから、白浮きすることなく使用することができ、UVファンデーションにも配合されている成分でもあります。
ただ、化学反応を起こすことからその際に、ピリピリとしたり、肌が赤くなったり、湿疹ができてしまったりすることもあります。
ファンデーションや日焼け止めに使用される紫外線吸収剤には、
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
(別名:パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル)
・オキシベンゾン-3
(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)
・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
(4-tert-ブチル-4′-メトキシジベンゾイルメタン)
といったものがあります。
●合成色素…
合成色素は石油から生成される色素のことで、タール系色素とも呼ばれるものです。
またそんな合成色素には、発がん性のあるものやアレルギーや喘息を引き起こす恐れのあるものまであり、
そのために現在では旧指定成分にも指定されている成分でもあります。
さらに、紫外線に当たることによってメラニン色素を肌に沈着させてしまうこともあり、シミの原因になることもあるようです。
その種類としては、
・赤色○号
・青色〇号
・橙〇号
と表記されているものが全て合成色素(タール色素)となっています。
他にも
・コーティングされていない酸化チタン
・防腐剤
といった成分も心配される成分でもあります。
●ナノ粒子…
ファンデーションの中には、そのなめらかな使用感、使用感のよさから、分子を極限にまでナノ化したナノ粒子が配合されているものもあります。
特にファンデーションでは、白色顔料として使用される酸化チタンをナノ化して配合しているものもあり、そうすることで白浮きを防ぐことができるようになります。
ナノ粒子化することにより、肌の内部にまで浸透することがないにしても、
やはり、毛穴や小じわ、細かな肌の隙間にまで入りやすくなり、しっかりとしたクレンジングをしなければ、肌に残ってしまうことがあります。
●コーティングされていない酸化チタン…
酸化チタンは、ファンデーションでは白っぽいカラーを演出してくれる白色顔料として、また紫外線散乱剤としても、ほぼ全てのファンデーションに使用される成分でもあります。
ただ酸化チタンには、光触媒作用というものがあり、光を受けることにより、活性酸素を発生させてしまう性質があります。
そのことによって肌を酸化させてしまうこともあり、
それを防ぐために、今ではそんな酸化チタンを、ステアリン酸のオイルやシリカなどを用いて、それでコーティングしているものが多くなっており、コーティングすることで無害化されています。
ただ、なかにはコーティングされていないも酸化チタンもありますので注意が必要です。
●防腐剤…
パウダータイプのファンデーションではあまり防腐剤は配合されていませんが、
リキッドやクリームの場合、水分や油分が多くなるために、雑菌の繁殖を防ぐ目的で防腐剤が配合されているものも多くあります。
特に、肌への刺激が気になる防腐剤としてパラベンがあり、よく肌に悪いということが言われる防腐剤でもあり、実際に、旧指定成分にもなっている成分でもあります。
殺菌作用も強いことから、肌にとって必要な常在菌にまで影響を与えてしまうこともあり、特に敏感肌の方は注意が必要です。
成分が毛穴に詰まる
ファンデーションの中には、カバー力を重視したり、化粧崩れを防止するためなどで、粒子が細かかったり、
肌への密着性に優れた成分が配合されているものも多くあります。
そのために、そんな成分が毛穴の奥にまで入りやすくなり、毛穴を詰まらせてしまうこともあります。
クレンジングや石鹸、洗顔料などでその日のうちにきちんと落とすことができれば問題ないのですが、
きちんと落としきることができない場合には、毛穴に詰まったままで、皮脂と混ざり合い、毛穴で雑菌が繁殖してしまって、ニキビや肌荒れにつながってしまうこともあります。
肌を圧迫する
毎日ファンデーションを使い続けているとそれに慣れてしまって、気にならなくなるのですが、
女性の方で、初めてファンデーションをつけた時はとても違和感があって、肌がふさがれているようで、重いと感じた方もいらっしゃいませんか?
やはり、素肌と比較するとそれだけ肌を圧迫していることになり、また、メイクに慣れてくると、気付かぬうちにファンデーションが厚塗りになってしまうこともあり、
そうなってくるとさらに肌を圧迫してしまうことになるでしょう。
クレンジングの必要がある
ファンデーションのなかには、洗顔料のみで落とすことができるものもありますが、
たいていの場合、クレンジングが必要になります。
そして毎日のクレンジングによって、肌が乾燥してしまったり、
クレンジングにはどうしても、石鹸や洗顔料と比べても添加物も多く配合されていますので、肌に心配な合成界面活性剤などが配合されているものも多く、
それだけ肌にも負担がかかってしまうことになります。
ファンデーションを付ける時に、肌をこする、力を加えてしまう
ファンデーションを塗るときには優しい力で、パフであれば摩擦を与えないように、滑らせるように塗り、
指であれば、指の腹で優しく、伸ばすように塗ってあげるのが正しい塗り方なのですが、
毎日使用していると、慣れてしまったり、時間がないこともあって、ついついパフをこすりすぎてしまったり、
強い力で塗ってしまうこともあります。
そのことが肌荒れにつながってしまうこともあります。
3.ファンデーションのメリット、デメリットとは
このようにファンデーションにはメリット、デメリットが色々とあるようです。
もう一度まとめてみると、
ファンデーションのメリット
メリットとしてはまず、簡単に肌に塗るだけで、肌をきれいに見せてくれて、
肌の毛穴や凹凸なんかも目立たなくしてくれますし、色むらやシミ、そばかすなんかも隠してくれます。
女性にとっては、たとえ素肌に自信がなくても、ファンデーションを乗せてあげるだけで自分の肌に自信を持たせてくれるものでもあります。
さらに、ファンデーションを肌に乗せていることで、そんなファンデーションが肌の保護をしてくれるといった役割もありますので、
ホコリや雑菌などから肌を守ってくれるようになっています。
保湿成分や美容成分が配合されているものなら乾燥からも守ってくれるようになりますし、
UV効果のあるものなら紫外線からも守って、日焼けやシミも防いでくれるようになっています。
ファンデーションのデメリット
しかしながら、その一方で、配合されている成分に、肌への刺激が強かったり、使用される方に合っていない成分が配合されていると、
肌荒れを起こしてしまったり、毛穴にも詰まりやすく、知らず知らずのうちに肌を傷めてしまっていることもあります。
毎日のクレンジングで肌が傷んでしまうといったこともファンデーションのデメリットといえるかもしれません。
4.ノーファンデ(すっぴん)のメリット、デメリットとは
では、ノーファンデ、つまり、すっぴんでいることはどうなのでしょうか?
ノーファンデ(すっぴん)のメリット
そのメリットといえば何といっても、肌へ心配な成分を長時間肌に乗せるといったことがないので、
肌への負担やストレス、刺激からもフリーでいられることです。
また、知らず知らずのうちに肌に合わない成分、刺激の強い成分を塗布してしまって、後から肌に何らかの影響が出てしまうといった心配もないですね。
洗顔の際にも、クレンジングの必要がないので、それだけ肌への負担も減らすことができます。
ノーファンデ(すっぴん)のデメリット
ただ、ノーファンデ、すっぴんでいるということは、それだけ肌が無防備な状態で過ごすことになります。
それほど外出の多くない方であればいいのですが、
外出の際には、どうしても紫外線や外気にそのまま素肌がさらされてしまいます。
特に紫外線による肌への悪影響は深刻で、日焼け止めを塗ることも考えられるのですが、
日焼け止めの中にも成分の強いものが配合されているものもあり、UVファンデーションを塗っている方が肌への負担が軽いといった場合もあります。
5.結局どうすればいいのか?
このように見てくると、結局ファンデーションはいいのか悪いのか、ちょっとわからなくなってくるのですが、
私の意見では、ファンデーションは、
と思います。
そうすることで、そんなに心配しなくても、ファンデーションは肌を傷つけることなく使い続けられるものだと思います。
6.肌荒れする人がいる一方で、何の問題もなく使える人がいるのはなぜか
とはいえ、実際に、ファンデーションを使用している方の中には、肌荒れをしてしまうという方もいれば、問題なく使えている、
また逆に、ファンデーションを使用してる方が綺麗な肌でいられるという方もいらっしゃいます。
その差は何なんでしょうか?
その方の肌質や、ファンデーションがその方の肌に合っているかいないかということもあるとは思うのですが、
その多くは、使い方に違いがあるように思います。
特にファンデーションで肌荒れしてしまう方の中には、ついついファンデーションを厚塗りしてしまって、毛穴に詰まらせてしまう方や、
ファンデーションを塗る時に、パフをこすりすぎてしまったり、力を入れすぎてしまうといった方も多いように思います。
またきちんとクレンジングできていない、逆に、クレンジングしすぎてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
そこでファンデーションを使って肌荒れしてしまうといった方は、ファンデーションを使う際には、
・塗るときは優しい力で塗る、肌をこすり過ぎない
・適切なクレンジング、洗顔料できちんと落とす
といったことを守られるといいでしょう。
現実的に考えても、特に仕事をされている方であれば、毎日すっぴんで職場に行くというのやはり難しいもので、
ポイントメイクだけという方法もあるかもしれませんが、それでもやはり、違和感がありますよね。
それに、このように正しい使い方をして、さらには、先の2章のところでご紹介しました、心配な成分に気をつけながら、できるだけ配合されていないものを選ぶようにするなどして、
それを守っていれば、ファンデーションは決して悪いものではないでしょう。
7.それでも刺激やマイナス面が気になるなら…
それでも肌への刺激や負担、マイナス面が気になるといった場合には、
最近では、化学成分や防腐剤、合成界面活性剤などが配合されていない、肌に優しい無添加のファンデーションなどもありますし、
さらに、ミネラルファンデーションやBBクリームを取り入れるのもいいでしょう。
例えば、ミネラルファンデーションは、その成分がマイカや酸化亜鉛、酸化チタンなどのミネラル成分でできており、敏感肌の方も安心して使用できるようになっています。
また、肌に優しい、無添加のBBクリームなども多く提供されていますので、
そのようなものを選んでみるのもいいですね。
さらに、洗顔料だけで落とすことができるファンデーションを使うようにしたり、薄いメイクの時はクレンジングしないようにする、
あるいは、それほどメイクをする必要のない時はあえて、化粧下地とフィニッシュパウダーのみで仕上げるといった方法もいいでしょう。
8.まとめ
いかがでしたか?
ファンデーションは時に肌に悪いといわれることもあって、特に、肌が弱かったり、すぐに肌荒れしてしまう方にとっては心配なものでもあります。
でも、色々と検証してみると、そんな肌に悪いというイメージは、肌への影響が心配な成分が配合されいてるファンデーションや、
ファンデーションの使い方自体が間違っていたりする場合が多いようで、
塗り過ぎない、こすり過ぎない、きちんと落とす、優しい成分のものを使用するといったことを守っていれば、決して悪いものではなく、
逆に、肌を守ってくれるもの、肌を美しくしてくれるものでもあるんですね。
よろしければシェアをお願いいたします。