イソフラボンは摂りすぎてもよくない?ホルモンへの作用に摂取量、安全な摂り方も

イソフラボンは特に女性の美容や健康、若々しさのためにも非常に効果的で、ぜひ毎日でも摂りたい栄養素でもあるのですが、

その一方で摂りすぎはよくないという話もあり、厚生労働省食品安全委員会でも上限となる摂取量が提起されています。では実際にはどうなのでしょうか。

今回はそんなイソフラボンについて、その摂取量や摂りすぎてしまうことのリスク、安全な摂り方などについてご紹介してみたいと思います。

1.イソフラボンには1日の上限摂取量が設けられている?

大豆と豆乳

今ではイソフラボンについて、厚生労働省食品安全委員会では1日の目安となる摂取量の上限が提起されています(2006年)。

それは、

食事から摂取する場合であれば…その上限は70~75mg

さらに、

サプリメントなどの健康食品で補う場合には…それに加えて、上限を30mgと定められています。

2.イソフラボンは体でどんな働きをする?

●一番は体内で女性ホルモン様の働き

●ホルモンバランスを整え、女性の健康と美容に最適

イソフラボンには体へと取り入れることにより、例えば、エストロゲンという女性ホルモンと似た働きがあることもわかっています。

そのためにイソフラボンを摂取することによって、体内のホルモンバランスが整えられたり

女性の場合には特に、ホルモンバランスの乱れによる生理不順や生理痛、PMSなどの生理に関する諸症状の改善や緩和、

更年期障害の改善や緩和、予防にも効果的とされています。

大豆イソフラボンにより生き生きと元気な女性

さらに、イソフラボンには肌にハリやツヤを与えたり、

肌の新陳代謝を促して、小じわやたるみ、くすみなどを防ぎ、肌の若々しさを保ってくれるといった優れた美容効果も期待できるようになっています。

他にも、骨密度を高めて骨粗しょう症を防ぐといった効果や自律神経を整える効果、動脈硬化予防など様々な優れた効果も認めらていて、体によい効果をもたらしてくれるものとなっています。

3.逆に、イソフラボンは摂りすぎるとどうなるの?

イソフラボンにはこのように非常に優れた効果が期待できるようになっているのですが、その一方で摂取量に上限が設けられているのも事実で、

それは、過剰に摂取することによる障害の可能性も報告されているからです。

例えば、摂りすぎることにより、

・生理不順
・不妊

といったことを引き起こす可能性があり、

さらには、特に、閉経後の女性の場合には、

・子宮内膜症

のリスクを高める原因になることもあるかもしれないという報告もあります。

これは、イソフラボンの女性ホルモン様の働きによるもので、

イソフラボンを摂ることにより、体の中で女性ホルモンを補充したのと同様のことが起こり、そのことで、女性の体内では女性ホルモンが十分に分泌されたと勘違いし、

本来分泌されるはずの女性ホルモンの分泌が低下してしまうという恐れがあるからだということです。

4.イソフラボンは摂った方がいい?摂らない方がいい?

では実際にはイソフラボンは摂った方がいいのでしょうか、摂らない方がいいのでしょうか?

成分を摂るかどうか迷う女性

このようにイソフラボンは、過剰に摂取することで女性にとっては心配なこともあって、そんなことを聞くとイソフラボンを摂るのが不安になってしまったりするのですが、

これは過剰に摂取した場合であって、適度に摂ることにより、非常に優れた健康効果、美容効果も得られるものでもありますので、

全く摂らないよりは摂った方がいいといえるでしょう。

5.イソフラボンを安全に摂るには?

さらにそのようなイソフラボンを安全に摂るにはどうすればいいのでしょうか?

まずはどのような食品のどれくらい含まれているか見てみると、

イソフラボンといえば大豆イソフラボンが有名で、やはり大豆をはじめとして、大豆製品に多く含まれています。

その含有量としては、例えば、

お豆腐…1丁(300g)でイソフラボン約80mg、半丁(150g)で約40mg

納豆…1パック(50g)で約36mg

豆乳…1パック(200g)で約50mg

お味噌…大匙1(18g)で約7mg

きな粉…大匙1(6g)で約10mg

となっています。

こうみると、大豆製品からだけで比較的簡単に1日分のイソフラボンを補うことができるということがわかります。

例えばお豆腐半丁に豆乳1パックを飲めば、それだけで1日分を補うことができるようになるんですね。

このことから、食べすぎには注意しながら、できるだけいろんな大豆製品から適度に摂るのがいいといえるでしょう。

6.食品から摂るだけでは実際はそれほど問題ない?

イソフラボンが含まれる大豆食品

実際には食品から普通に摂るだけでは、摂りすぎになることはありませんし、さほど心配する必要はないといえます。

大豆製品についても、普通に食事で摂る分には問題ありませんし、大豆製品だけを大量に食べ続けるといったことがない限りは問題ないでしょう

厚生労働省でもイソフラボンの摂取について注意喚起は行っているものの、

その内容を見てみると、

「イソフラボンを、長期間、継続的に過剰摂取した場合、
何かしらの副作用が起こるリスクを完全に否定はできない」

という記載となっています。

つまり、長期に渡って、継続して過剰にイソフラボンを摂取し続けた場合には何らかの副作用があるかもしれないけれど、

例えば、一時的に多くを摂りすぎたとしても問題になることはないでしょう。

もちろん、適度に摂り続けることでかえってよい効果をもたらしてくれるものとなっています。

厚生労働省ではさらに、

「日本人は、豆腐、納豆、煮豆、みそなどの「伝統的な大豆食品」について、日常の食生活における長い食経験があり、

これらの大豆食品を食べることによる大豆イソフラボンの健康への有害な影響が提起されたことはなく、心配する必要はありません」

とも記載しており、大豆食品を適度に摂っていれば何の問題もなく、摂取量についても神経質になる必要もないということなんですね。

7.でも注意したいこともある?

通常食品から摂る分には問題ないのですが、しかしながら注意したいこともあります。

それは、

・豆乳を多量に飲みすぎること
・大豆イソフラボン配合のサプリメントの日常的な飲用

です。

豆乳はそれ自体は悪くはないのですが、他の大豆製品と比較しても、大豆イソフラボンを摂りやすくなっています。

おいしいですし、手軽に飲めることもあって、ついたくさん飲んでしまうこともあり、

なかには、美容やホルモンバランスを整えるのに良いからと1日に何杯も飲む方もいらっしゃるようです。

でもそれではやはり飲みすぎで、豆乳の場合、コップ2杯で簡単に1日の上限摂取量を超えてしまいます

ですから豆乳の飲みすぎには注意が必要で、多くても1日にコップ1杯程度にとどめておきましょう

●サプリメントには高濃度、高吸収のイソフラボン配合のものもあり
過剰摂取にも

サプリメントでイソフラボンを摂取する様子

大豆イソフラボン配合のサプリメントも最近では増えていますが、こちらも注意が必要でしょう。

このようなサプリメントには効率的にイソフラボンが摂取できるよう、高濃度に配合されていたり、吸収率の高いものが配合されているものもあり、やはり摂りすぎてしまうこともあります。

そのことから厚生労働省でも、サプリメントに関しては食品とは別に上限を30mgと定めているほどなんですね。

特に食事から大豆製品をきちんと摂っている方で、サプリメントも併用する場合にはその摂取量も注意しておく必要があるでしょう。

配合量を必ず確認し、その製品に記載されている1日の容量に達していなくても、30mg以上は摂らないと決めておいてもいいかもしれません。

8.結論、イソフラボンのおすすめの摂り方は?

ここまで見てきて、健康や美容のためにイソフラボンはとても良いものでぜひ摂りたい成分であることがわかり、

かといって、継続的に摂りすぎてしまうのもよくないこともわかりました。

このことから、イソフラボンは豆乳も含め、お豆腐や納豆、お味噌、大豆煮などいろんな食材からバランスよく、少しずつ摂るようにするのがおすすめです。

そうすることで過剰に摂取しているのではという心配もありませんし、

また特に、納豆やお味噌などの発酵食品から摂ることでさらなる健康効果も期待できるようになりますのでよりおすすめです。

その一方で、豆乳や大豆イソフラボン配合のサプリメントの飲みすぎ、摂りすぎには注意する必要があるんですね。

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