健康油としてもよく知られるようになった「亜麻仁油」と「エゴマ油」、どちらも健康によくて、同じように扱われることも多くて、
でも実際に、この2つの油にどんな違いがあるのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、この似ている亜麻仁油とエゴマ油について、その成分の違いや味の違い、効果の違いなどについて詳しくご紹介してみたいと思います。
どちらを選んでいいのかわからない方、今まで何となくで選んでいた方も、ぜひ参考になさって、賢く亜麻仁油、エゴマ油を取り入れてみましょう!
1.亜麻仁油とは?
亜麻仁油というのは、亜麻というアマ科の1年生植物の種子から抽出される油のことです。
亜麻は「アカゴマ」とも呼ばれ、日本でも栽培され、優れた薬効もあるため、江戸時代にはその種子が薬としても用いられてきた記録もあります。
2.エゴマ油とは?
エゴマ油というのは、エゴマというシソ科の一年生植物から抽出される油のことです。
エゴマは東南アジアを原産とする植物であり、また、それから抽出されるエゴマ油はその歴史も非常に古く、
日本でも平安時代初期には灯明油として利用されていたという記録まであるほどです。
3.成分的には実はあまり違いがない?
亜麻仁油にエゴマ油の大きな特徴といえば、何といっても、「α-リノレン酸」というオメガ3系の不飽和脂肪酸が豊富に含まれることです。
他にも、オメガ9系の脂肪酸であるオレイン酸に、オメガ6系の脂肪酸であるリノール酸も豊富に含まれるのですが、
この2種類の油でいえば、そのような脂肪酸の種類や含まれる量に大差はないといえます。
その成分構成として、例えば、亜麻仁油には、
・オレイン酸 : 約19%
・リノール酸 : 約15%
エゴマ油では、
・オレイン酸 : 約14%
・リノール酸 : 約16%
という風になっていて、
エゴマ油の方が、α-リノレン酸が若干多く含まれるくらいで、あまり変わらないことがわかります。
他にも飽和脂肪酸も含まれるのですが、それも、亜麻仁油は約15%、エゴマ油は約16%とほぼ変わりません。
4.違いがあるならこの成分!
不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸の含有量や種類は同じようなものですが、
他の成分では違いもあります。
例えば、亜麻仁油には、食物繊維も含まれていて、それも、水に溶ける水溶性食物繊維、水に溶けない不溶性食物繊維の両方が含まれ、
豊富にバランスよく含まれています。
エゴマ油にも食物繊維は含まれていますが、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の含有量や含有率も異なっています。
また亜麻仁油には、リグナンと呼ばれる、骨を丈夫に保って、骨粗しょう症の予防や、ホルモンバランスを整え、更年期障害などの改善、さらに、コレステロールを下げるといった効果が期待できるポリフェノールが含まれていることもわかっています。
そして、エゴマ油には、ルテオリンやロズマリン酸というポリフェノールが含まれていて、
それらには抗炎症効果や抗酸化効果が期待でき、炎症を抑えたり、老化防止を促進したり、生活習慣病の予防や、また、抗アレルギー効果もあり、アトピーや花粉症などといった効果が期待できるポリフェノールとなっています。
これらのポリフェノールはそれぞれの特有のポリフェノールともいえるものとなっています。
5.大きな違いは風味
このように成分的にはあまり変わらない亜麻仁油とエゴマ油ですが、
その大きな違いといえば何といってもその風味です。
実際に口にしてみればわかるのですが、どちらかというと亜麻仁油はさっぱりとした風味でクセがなく、
エゴマ油の方は、多少生臭かったり、青臭さといったクセがあるのが特徴です。
亜麻仁油の方も多少生臭さが感じられるものの、エゴマ油と比べるとそれも軽くて、さっぱりとしています。
またエゴマ油でも、国内産のものはそんなクセも軽減されているものも多いようです。
6.酸化しやすいのはどっち?
亜麻仁油やエゴマ油は非常に体にいいオイルなのですが、そのデメリットといえば、どちらも酸化しやすいことです。
酸化してしまうと、苦味や臭みが増して非常に食べづらくなったり、酸化が一層進んでしまうと、逆に体に悪影響を及ぼすこともあり、注意が必要です。
ではこの2つのオイルではどちらが酸化しやすいのでしょうか。
製品にもよりますが、一般的には、
亜麻仁油→開封から2週間以内
エゴマ油→開封から1ヶ月以内
というのを目安に使い切ることが推奨されているものが多くなっています。
こう見ると、エゴマ油のほうが持ちがよく、保存も効くということになります。
ただこれはきちんと保管している場合であって、保存状態が悪ければ当然これよりも短くなってしまいます。
また、亜麻仁油、エゴマ油ともに酸化の原因としては、
空気に触れること、光が当たること、高温の場所での保管がその主な原因ですので、
保管の際には、きっちりとふたを閉め、光の入らない遮光の瓶に入っているものを選ぶようにしたり、箱に入れて保管するようにしたり、
そして使用後はすぐに冷蔵庫に入れるというのが長持ちさせるコツです。
7.健康効果では、さほど違いはない?
亜麻仁油、エゴマ油ともに含まれる栄養素にさほど違いはないことから、期待できる健康効果についてもそれほど違いはありません。
例えば、一番特徴的なのは、オメガ3系のα-リノレン酸が豊富に含まれることから、
・動脈硬化や脳梗塞などの生活習慣病を予防する
・高血圧を予防する
といった効果が期待できるようになっています。
他にも、免疫力を改善させると効果も期待できるため、
また、α-リノレン酸は体に取り入れると、体内でDHA、EPAに変化することもわかっていて、それには、脳への血流をよくし、脳の機能を高めるといった効果も期待できますので、
・集中力や記憶力を高める効果
・認知症の予防
このような効果も期待できるようになっています。
他にも、亜麻仁油やエゴマ油には、
・美肌効果
・アンチエイジング効果
このような効果も期待できるようになっているんですね。
8.それぞれで特徴のある効果も?
このように亜麻仁油とエゴマ油は同じような健康効果が期待できるようになっているといえるのですが、
ではあえて違いがあるとすればどのような違いがあるのでしょうか。
●亜麻仁油には便秘改善効果も
例えば、亜麻仁油には、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も豊富に含まれることから、優れた整腸効果も期待できるようになっています。
エゴマ油にも食物繊維は含まれていますが、
含有量では亜麻仁油の方が多いため、整腸効果や便秘の改善、予防といった効果を期待するのであれば亜麻仁油の方が適しているといえるでしょう。
●亜麻仁油にはホルモンバランスを整える効果、骨を丈夫にする効果も
亜麻仁油には「リグナン」と呼ばれるポリフェノールが含まれていることもわかっていて、
このリグナンは、亜麻の植物に多く含まれるポリフェノールでもあるのですが、これには、女性ホルモンの一種であるエストロゲンに似た働きがあることもわかっています。
そしてホルモンバランスを整えてくれたり、そのことにより、ホルモンバランスの乱れが原因となる生理痛や生理不順、
あるいは、PMSと呼ばれる生理前の不快な症状、更年期障害や不妊といった症状の改善や緩和といった効果も期待できるようになっています。
さらに、リグナンには、骨を丈夫に保つといった効果も期待でき、
骨粗しょう症の予防にも効果的とされていて、さらに、コレステロールにも働きかけて、特に悪玉コレステロールを下げるといった効果も期待できるようになっています。
●エゴマ油にはダイエット効果も
エゴマ油には「ロズマリン酸」というポリフェノールが含まれていて、
このロズマリン酸には、アミラーゼという酵素の働きを弱くすると効果が期待できることもわかっています。
そしてそのアミラーゼは体内で炭水化物、糖質の分解や吸収に関わる酵素でもあり、その働きが弱くなることで、余分に摂取した炭水化物、糖質の分解、吸収も抑えられ、
そのまま排出も促してくれるようになっています。そのことから、ダイエット効果や、血糖値の上昇も抑え、糖尿病の予防にも効果が期待できるようになっています。
9.選ぶならどっち?
亜麻仁油もエゴマ油もどちらにもαリノレン酸という、体に非常にいい効果をもたらしてくれるオメガ3系の不飽和脂肪酸が豊富に含まれていて、
そのオメガ3系の不飽和脂肪酸に、他の脂肪酸の含有量もさほど変わりはないので、その効果も同じような効果が期待できるようになっています。
ですから、どちらを選んでも優れた健康効果が得られるようになっているといえるのですが、
でもどちらを選んでいいのかわからない時に、より効果的な選び方というのはあるのでしょうか。
例えば
●クセがなく、よりあっさりした方を選びたいなら→亜麻仁油
例えば、味や風味でいえば、どちらもあっさりとして取り入れやすくはなっているのですが、
どちらかというとエゴマ油のほうがクセがあったり、青臭さがあるものもあるため、
よりあっさりと取り入れたい、できるだけお料理の味を活かしたいといった場合には、亜麻仁油の方がおすすめでしょう。
●少しでも長持ちさせたいなら→エゴマ油
どちらも酸化しやすい油ではあるのですが、
持ちのよさでいえば、エゴマ油のほうが若干長持ちするようになっていますので、早く使い切ることができない場合には、エゴマ油の方を選ぶようにするのもいいです。
ただし、エゴマ油も酸化しやすいのには変わらず、特に開封後は酸化が進みやすいので、できるだけ早めに使い切るようにしましょう。
●便秘が気になるなら→亜麻仁油
先のとおりに、亜麻仁油の方が食物繊維が豊富に含まれていますので、便秘に悩まれている方であれば亜麻仁油の方がおすすめですし、
また、亜麻仁油のホルモンバランスを整えてくれる効果で体の調子を整えたいといった場合にはやはり亜麻仁油がおすすめです。
●ダイエット、血糖値が気になるなら→エゴマ油
一方で、エゴマ油にはダイエットや血糖値に働きかけてくれる効果も期待できることから、
糖の摂りすぎや体重、体型、血糖値が気になるといった場合には、エゴマ油がおすすめといえますね。
10.まとめ
いかがでしたか?
亜麻仁油とエゴマ油はどちらにもとても体にいいαリノレン酸というオメガ3系の脂肪酸が豊富に含まれていて、
特に、血液のサラサラをサポートして、高血圧や動脈硬化の予防、あらゆる生活習慣病の予防に、
他にも、脳を活性化してくれたり、美肌やアンチエイジング効果まで期待できるようになっているんですね。
ですからどちらもとても話題になっている健康油となっていて、どちらも同じように扱われることが多くて、
実際に、それらに含まれている不飽和脂肪酸に飽和脂肪酸の割合や含有量もさほど変わりはなくて、期待できる健康効果もほとんど変わりないといえるんですね。
でも、不飽和脂肪酸以外の成分には若干の違いもあったりして、亜麻仁油とエゴマ油にはそれぞれ特有のポリフェノールが含まれていたり、食物繊維の含有量が亜麻仁油の方が多かったり、
そのことから期待できる効果も違っていたりもするんですね。
こちらではそんな亜麻仁油とエゴマ油の効果や風味の違い、その違いから、賢い選び方などについてもご紹介してみましたので、
ぜひ参考になさって、亜麻仁油とエゴマ油どちらかで迷っている方、もっと自分に合った方を選びたいといった方も賢く亜麻仁油とエゴマ油を選んでみましょう!
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