ニキビの段階別、種類別、症状別でケアはどう変わる?自分でできるセルフケアに皮膚科での治療法も

ニキビにはその段階や症状によって、白ニキビに黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビ、紫ニキビなどといったものがあります。

またそんなニキビの種類を見極めて、それぞれに合ったケアを行うことで、ニキビを早く治したり、ニキビ跡も残すことなく治癒させることが可能になるでしょう。

今回はそんなニキビの種類や症状の特徴、種類別の自分で行えるセルフケア法に、病院、クリニックでの治療法などについてもご紹介してみたいと思います。

1.ニキビの種類とは?

ニキビといってもその症状や段階、進行の度合いなどによって、その種類が異なり、

例えばニキビの種類としては、

・白ニキビ
・黒ニキビ
・赤ニキビ
・黄ニキビ
・紫ニキビ

といったものがあります。

2.それぞれの特徴、症状は?

●白ニキビ

白ニキビ

白ニキビは、ニキビの初期段階ともいえるニキビで、

毛穴に皮脂や古い角質が溜まり、ターンオーバーの乱れや肌環境の悪化などにより、上手く排出されずに、毛穴がふさがれ、

それが厚くなって、毛穴から盛り上がってしまっている状態のことです。

その皮脂や古い角質の塊のことを角栓ともよび、赤くなったり、ひどく炎症を起こすこともなく、かゆみや痛みなどもない状態のニキビです。

●黒ニキビ

黒ニキビ

黒ニキビは、白ニキビの角栓が空気に触れ、酸化して、黒くなってしまっているニキビです。

特に皮脂の分泌が盛んな鼻に多く見られるニキビで、毛穴がポツポツと黒く見えることからそう呼ばれ、

白ニキビから症状が進行したニキビともいえます。

●赤ニキビ

赤ニキビ

赤ニキビは、白ニキビや黒ニキビから症状が悪化してしまい、進行がすすんだ状態のニキビです。

毛穴の中でアクネ菌などの雑菌が繁殖してしまっている状態で、

その雑菌が肌を刺激し、炎症が生じ、患部周辺が赤く腫れ上がってしまっているニキビです。

赤く炎症を起こすのをはじめ、かゆみや痛みを伴うこともあります。

●黄ニキビ

黄ニキビ

黄ニキビは、赤ニキビからさらに進行した状態のニキビです。

毛穴の内部、ニキビの中心部分では化膿を起こしてしまっている状態で、膿が溜まり、それが黄色く膨れ上がってしまう状態となります。

この黄ニキビは赤ニキビから症状が進行したとはいえ、ニキビが終息に向かっている状態のニキビであるといえます。

この状態のニキビは皮膚も非常に薄くなっており、潰れやすい状態のニキビでもありますので、

決して潰したりせずに、刺激を与えないケアを心がけるのがポイントとなります。

●紫ニキビ

紫ニキビ

紫ニキビは、赤ニキビや黄ニキビからさらに悪化してしまったニキビとなっています。

紫に見えるのは、皮脂や膿に血液が混ざった状態となっているからで、最も悪化してしまっている状態のニキビだといえます。

炎症も毛穴周辺にまで広がってしまい、皮膚も硬くなってしまったり、熱を帯びてしまうこともあります。

このような状態になると治癒させるのも難しくなり、専門医による治療が必要になったり、皮膚炎として扱われることもあります

3.ニキビの種類別、自宅でのセルフケアは?

●白ニキビ、黒ニキビのケア法

●基本的には保湿を重視し、優しくケア

化粧水で保湿する女性

白ニキビや黒ニキビはニキビの初期段階ともいえるものであり、比較的簡単に治すことができるようになっています。

毎日のスキンケアでは、基本的には、これまでのスキンケアから大きく変える必要はなく、保湿を重視したケアを続けることが大切になります。

潤いが保たれることによって、皮脂の排出がスムーズになって、皮脂も取り除きやすくなり、

肌のターンオーバーも整えられて、白ニキビや黒ニキビも自然と解消させることができるでしょう。

基本的には、洗顔した後には、化粧水でたっぷりと水分を与えてあげて、その後に乳液やクリームで保護して、潤いを閉じ込めてあげるという基本的なケアを続けてあげることで治すことができるようになっています。

また、白ニキビや黒ニキビに限らず、全てのニキビには生活習慣が原因になっていることも多いので、

睡眠や運動、ストレス、栄養バランスなどの生活習慣もきちんと整えることによって、白ニキビや黒ニキビは意外と簡単に治ってくれます。

●ホームピーリングが効果的なことも

ホームピーリングを行う様子

白ニキビや黒ニキビの場合、毛穴に皮脂が詰まり、角化して落としにくい状態になっていることから、

そのような角化した皮脂を取り除くのにも効果的なホームピーリングもおすすめでしょう。

ホームピーリグでは主に、古い角質を溶かし、除去してくれる薬剤を肌に塗ることによってケアするものが多くなっており、

今では自宅でも安心して使用できる、比較的低刺激なフルーツ酸などのAHAが使用されているものが多くなっています。

角質を取り除く力はそれほど強くはありませんが、それだけ刺激も少なく、安心して使用できるようになっています。

それでも、頻繁に使用したりするなど、謝った使用方法ではかえって肌にダメージを与えたり、乾燥させてしまうこともありますので、ホームピーリングは、頻度やケアの方法にも注意しながら、正しく行う必要があります。

●赤ニキビ、黄ニキビのケア法

●専用のニキビケア用品やニキビ薬の使用も

ニキビケア専用の化粧品のイメージ

白ニキビや黒ニキビ程度であれば、通常のスキンケアに生活習慣を気をつけるだけでもきれいに治すことは十分に可能なのですが、

赤ニキビや黄ニキビになってくると、保湿だけのケアではなかなかよくならないこともあります。

そのような場合には、ニキビケア専用に作られたスキンケアラインやニキビ薬を使用するのも効果的です。

そのような商品には、

・ニキビの原因菌の殺菌
・皮脂を吸収し、毛穴に皮脂がたまらないようにする
・ニキビの炎症を抑える
・肌のターンオーバーを促し、ニキビの改善を早める

といった作用のあるものが多くなっていて、ニキビの治癒を早めてくれるものが多くなっています。

例えば、そのようなニキビ治癒を早めてくれる成分として、抗炎症効果がありニキビの炎症を抑えてくれるグリチルリチン酸ジカリウムや、

過剰な皮脂の分泌を抑えて、ニキビを改善し、美白効果もあるために、ニキビ跡や色素沈着も防いでくれるビタミンC誘導体といった有効成分が配合されているものが多くなっています。

また、顔全体に使用するものから、炎症の部分にだけ使用するものもあり、用途に合わせて選ぶこともできるようになっています。

●きちんと保湿もしてくれるものを選ぶ

ただこのようなニキビケア専用のものは、殺菌作用が強かったり、

逆に皮脂を取りすぎて、肌を乾燥させてしまうものもありますので、できれば、ニキビに有効な成分とともに、

ヒアルロン酸やセラミドといった保湿成分もきちんと配合されていて、保湿効果も高いものを選ぶようにされるといいでしょう。

●洗顔は丁寧に、でも洗い過ぎない

洗顔する女性

赤ニキビや黄ニキビになってしまっている場合には、毎日の洗顔もより大切になってきます。

ニキビの原因となる毛穴の皮脂を取ることができるのは洗顔が最も効果的で、ニキビを治したり、予防するのにはいつも肌を清潔に保つ必要があります。

そのために毎日泡洗顔をきちんとするようにし、キメの細かいたっぷりの泡で、優しく丁寧に洗ってあげるようにしましょう。

ただやはり洗い過ぎは必要な皮脂までも取り去ってしまい、逆に肌の乾燥を招いて、ニキビを悪化させてしまうので、

基本的には、朝、夜の2回の泡洗顔で十分で、皮脂の分泌が盛んで、テカリなどが気になる季節には、何度も洗顔することは避け、ティッシュなどで抑える程度にしておくのがおすすめです。

●紫ニキビのケア法

紫ニキビの場合、皮脂や膿だけではなく、出血を伴っており、ニキビがかなり重症化してしまっている状態となっています。

そのため、洗顔や保湿といったケアに、市販されているようなニキビケア用品、ニキビ薬だけでは治癒させることが難しいといえます。

このような場合には、もちろんセルフケアでも優しいケアを心がけながらも、病院やクリニックでの治療を受けられるのがいいでしょう。

4.全てのニキビに共通するケア法、気をつけたいことも

●共通していえることは、保湿を重視して、潤いを保つこと

●ターンオーバーを意識して改善させること

ニキビの初期段階である白ニキビや黒ニキビはもちろん、炎症を起こしている赤ニキビ、黄ニキビ、紫ニキビについても、

毎日の自宅でのセルフケアは、基本的には、保湿を重視したスキンケアを行うようにしましょう。

肌が乾燥することにより、肌のターンオーバーが遅くなり、本来なら治癒するはずのニキビも治りにくくなります。

逆に、肌が十分に潤っている状態を保つことにより肌のターンオーバーも整えられ、ニキビができてしまっていても改善が早くなりますし、

皮脂の排出もスムーズに行われることになり、ニキビ自体もできにくくなります。

さらに肌の乾燥は、その乾燥している部分をカバーしようと、さらなる皮脂の分泌を招いてしまい、毛穴に皮脂が詰まりやすい状態を作り出してしまうことになりますので、

ニキビの悪化にもつながってしまいます。

●患部には極力触れない、潰すことは絶対NG

ニキビを潰す女性

ニキビができてしまうと、気になってしまって、手で触ってしまうといった方もいらっしゃいますが、

触ることによりその刺激で炎症がさらに悪化したり、皮脂の分泌が一層活発になってしまうこともあります。

また、ニキビも治りにくくなってしまい、最悪の場合にはニキビ跡やクレーターになって残ってしまうこともあります。

特にニキビを潰すという行為はニキビ跡、クレーターの原因になりやすく、

一旦クレーターになるとフラットな状態の肌に戻すのが非常に難しくなってしまいますので、潰すのは絶対厳禁ですね。

毎日のスキンケアでも、できればニキビには直接手が触れないようにすることを心がけるようにし、

例えば、洗顔でも保湿でも、泡やテクスチャをクッションにしながら、優しくケアしてあげるようにしましょう。

5.病院やクリニックでのケア、治療法は?

セルフケアだけではなかなかよくならなかったり、また、自己流のセルフケアでは不安な場合にはやはり病院やクリニックでの治療が安心です。

専門医による治療、カウンセリングなども受けられることから安心で、かつ、より効果的にニキビ改善を目指すことができます。

では、病院やクリニックでは実際にどのような治療、ケアが行われているのでしょうか。

その方法は、ニキビの段階によっても異なっていて、

例えば、

●初期段階の白ニキビや黒ニキビの治療

白ニキビや黒ニキビの場合、

・塗り薬による治療

が行われることが多くなっています。

白ニキビや黒ニキビは、炎症を起こしていない状態のニキビですので、毛穴に詰まった皮脂を取り去り、毛穴を清潔に保つ塗り薬を処方されることが多いようです。

なかには、塗り薬以外の治療が行われることもあります。

例えば、

・「面法圧出(めんぽうあっしゅつ)」

という治療が行われることも多く、

これは、専用の器具により毛穴に詰まっている皮脂を直接取り除くというものです。

そのことによって炎症を起こしてしまう前にニキビを治すことが可能になっています。

他にも、古い角質や皮脂を溶かす薬剤を肌へと塗布して取り除く「ケミカルピーリング」が行われることもあるようです。

●赤ニキビの治療

実際に炎症にまで発展してしまっている赤ニキビに対しても、

・外用薬での治療
・内服薬による治療

が主となっています。

炎症を起こしているので、皮脂を取り去るとともに、抗炎症成分や、アクネ菌の繁殖を抑制してくれる抗生物質が配合された外用薬が処方されることが多く、

さらに、抗生物質の内服薬が処方されることもあるようです。

このような外用、内服薬での治療以外にも、

治癒を早めるために、

・「面法圧出」
・「ケミカルピーリング」

を行い、皮脂を取り除いて、早めの完治を目指したり、

また、炎症がひどい場合には、抗生物質を直接注射するといった治療が行われることもあるようです。

●黄ニキビの治療

黄ニキビの場合にも、赤ニキビと同様に、毛穴の皮脂の詰まりを防いでくれたり、炎症を抑えてくれる

・外用薬、内服薬、あるいは抗生物質での治療

が多くなっています。

また、それと同時に、これも赤ニキビと同様に、

・「面法圧出」
・「ケミカルピーリング」

での治療も多くなっています。

さらに黄ニキビの場合、赤ニキビよりも深刻であり、ニキビ自体も難治性であることから、

・レーザー治療

が行われることもあります。

なかでも「アレキサンドライトレーザー」といった、難治性のニキビの改善にも効果的なレーザー治療が行われることもあります。

他にも、黄ニキビの場合、皮脂の分泌が異常に活発になっている状態になっていることもあり、その原因が男性ホルモンによるものである場合には、

・ホルモン治療
・漢方

を用いての治療が行われることもあります。

その場合には、女性ホルモンを増加させ、男性ホルモンを抑えるような治療となっているようです。

●紫ニキビの治療

黄ニキビよりも重症化してしまっている紫ニキビについても、やはり外用薬、内服薬での治療が多くなっています。

また、こちらも黄ニキビ同様に、レーザー治療やホルモン治療、あるいは漢方での治療を併せて行うこともあり、

紫ニキビの場合、皮脂や膿だけではなく、出血を伴っていることも多く、ニキビ跡やクレーターとして残ってしまうことも多いため、治療はより慎重に行われ、

完治させるためには長期間かかってしまうこともあるようです。

6.まとめ

いかがでしたか?

ニキビにもその段階や状態によっていくつあの種類に分けられ、その種類によっても、ケアの方法や病院での治療の方法も変わってくるんですね。

またその種類によって、自分でセルフケアして治癒させることが可能だったり、病院での治療が必要なものもあり、

その種類に合った最適なケア法や治療法などを知ることによって、より効果的に、そしてより早くニキビを改善させることも可能になります。

特に、今現在ニキビに悩まれている方は、そのニキビの状態がどのようなものか、

また、どれくらい進行してしまっているのかをまずは把握なさって、それに合わせて、こちらでご紹介したケアの仕方、治療法を参考に、

ニキビ跡を残さない、ニキビの健全な治癒を目指しましょう。

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