二の腕にできてしまうブツブツやざらつきって、見た目にもニキビとは明らかに違いますし、この正体って一体何なのでしょう。
また、薄着になると目立ってしまうものですし、何とかしたいのですが、自分でケアしたり、改善、予防することって可能なのでしょうか?
今回はそんな二の腕のブツブツやザラザラの原因や正体、さらにそのセルフケア、改善法、予防法などについても詳しくご紹介してみたいと思います。
1.二の腕のブツブツ、ザラザラの正体は?ニキビとは違うの?
●ブツブツの正体は「毛孔性苔癬」と呼ばれるもの
二の腕にできてしまうザラザラとしたブツブツって本当に気になってしまうのもですが、見た目にも、明らかにニキビとは異なることがわかります。
それは、
「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」
あるいは
「毛孔性角化症(もうこうせいかくかしょう)」
とも呼ばれるもので、
毛穴に角質や皮脂が溜まることで起こるもので、
通常、毛穴に角質や皮脂がたまっても、数日すればそのまま排出されて、落とすことができるのですが、
何らかの原因で肌のターンオーバーが上手くいかずに、そのまま蓄積し、
また毛穴の周りの角質が肥厚することによって、毛穴がふさがれてしまい、
皮膚の表面がぽつっと盛り上がった状態となるものです。
ニキビも毛穴に皮脂が溜まり、排出されにくくなることで起こるものですが、
ニキビが、溜まった皮脂からアクネ菌などが繁殖して、炎症や化膿を起こすのに対し、
この二の腕のブツブツは、炎症や化膿を起こすことはなく、
また何らかの刺激や、かゆくなったりすることもありません。
2.ブツブツはどうしてできるの?その原因は?
●ターンオーバーやホルモンバランスの乱れの可能性
また、そのように毛穴に角質などが溜まってしまう原因としては、現在のところはっきりとしたことはわかっておらず、
例えば、
ターンオーバーの乱れが原因であることもあり、ホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れなどが原因であることもあります。
さらに、遺伝ということも考えられ、
毛孔性苔癬のある方のご両親もまた同じような症状があったという方も多いようです。
そして、このような毛孔性苔癬、二の腕のブツブツというのは、男性よりも女性の方が多く、
20代、30代と比較的若い方に多いというのもその特徴で、その年代を過ぎれば自然と治っていくという方も多いようです。
また男女問わず、毛穴に皮脂がたまりやすい肥満型の方にも見られるようです。
3.対処法は?治すことってできるの?
特に遺伝のものと思われる方の場合には、完全に治すことは難しいとされていますが、正しいケア、対処をすることによって、改善させることは可能です。
先のとおりに二の腕のブツブツというのは若い時期に多く、その頃を過ぎれば自然と治っていくことも多いので、
その時期にできるだけ適切なケアをして、悪化させないことも大切です。
4.二の腕のブツブツ、ザラザラを少しでも改善させるためには?
毎日適切にケアすることによって、改善させることは十分に可能で、そうすることで、目立たなくさせ、なめらかに整えることも可能となっています。
そのためには、
●きちんと洗浄する
まずは、きちんと洗浄することが大切です。
洗浄といっても何もゴシゴシと洗ったり、無理やり取ったりするのではなく、
毎日、石けんやボディーソープなどで優しく洗ってあげることです。
体を洗う時には、できれば手で洗うのが一番優しいのですが、
ボディタオルを使うのであれば、できるだけ繊維の柔らかいもの、
表面のなめらかなものを選ぶようにしましょう。
特に気をつけたいのが、ナイロンタオルで、硬くて、表面のざらつきが大きいものも多くなっています。
市販されているものもそのようなタイプのものが多く、泡立ちもいいですし、洗っていてもその刺激が気持ちいいので使用されている方も多いかもしれません。
ただ、やはり肌への刺激が強く、
特に二の腕のブツブツをそれで直接洗ってしまうと悪化させてしまうこともありますので、ナイロンタオルはあまりおすすめできません。
●きちんと保湿をする
体を洗った後は、保湿をすることも大切です。
腕や足など乾燥しやすい箇所、スベスベにしたいデコルテや首なんかはきちんと保湿するけれど、二の腕はあまりしないといった方も多いかもしれませんが、
二の腕のブツブツをケアするためにも保湿はしたほうがいいですね。
保湿をすることによって、過剰に皮脂が分泌されてしまうことを防ぐことができ、毛穴に皮脂が詰まりにくくなりますし、
肌のターンオーバーが整えられたり、肌を柔らかく保つこともでき、
毛穴の皮脂や古い角質、ざらつきなども落としやすい状態へと整えることもできます。
保湿する際には、ボディクリームやボディミルク、ローションなどがいいですね。
塗る際には、強く刷り込むのではなく、
顔と同じような感覚で、肌に刺激を与えないように優しくなじませてあげるようにしましょう。
5.それでも気になったら市販薬を使ってみる
近年では、そんな二の腕のブツブツをケアしてくれる専用の市販薬も提供されています。
そのような市販薬には尿素といった角質を柔らかくする成分が配合されているものが多く、
角質を柔らかくして、落としやすくしてくれるものとなっています。
他にも、抗炎症成分や肌の新陳代謝を促進する成分、血行促進成分、ピーリング成分などが配合されているものもあり、
肌のターンオーバーをよくしてくれたり、
さらに、ヒアルロン酸などの保湿成分が配合されてるものもあり、乾燥肌の方も使用することができるものもあります。
現在市販されているものには、
・小林製薬の「ニノキュア」
・ロート製薬の「ザラプロ」
といったものがあります。
6.適度なピーリングを取り入れてみる
二の腕のブツブツがどうしても気になる場合には、ピーリングを取り入れることも有効となることがあります。
ご自宅で、自分で行うピーリングとしては薬剤を用いてのケミカルピーリングというものになります。
ただピーリング自体、古い角質を酸で溶かすというケアでもあり、肌への刺激が少ないものではありませんので、行う際には注意が必要で、
使用するピーリング剤には、できれば、比較的低刺激な、AHAというリンゴ酸などのフルーツ酸が配合されているものを選ぶようにしましょう。
他にも、たんぱく質分解酵素であるパパイン酵素やプロテアーゼといったものが配合されているものもあります。そのようなものも比較的低刺激となっています。
またその種類にも、
ジェルタイプのものや石けんタイプのもの、拭き取りタイプのものなど、色々なものがありますが、
拭き取りタイプの場合には、拭き取る際にどうしても刺激になってしまいますので、
ジェルや石けんタイプのものの方が低刺激でおすすめです。
また、やはりピーリングは肌への刺激が強くなってしまうケアでもありますので、
行う場合には、
・ざらつきがひどい場合
・古い角質が蓄積してしまい、角質肥厚のような状態を起こしている場合
のみにしましょう。
二の腕を触ってみて、硬くざらついていたり、ざらつきと同時に肌がくすんでしまっていているような場合ですね。
そして、行う際には、その頻度にも気をつけて、頻繁に行わないようにし、少しでも肌に刺激を感じたらすぐに中止するようにしましょう。
またピーリング後はきちんと保湿をすることも大切です。
7.ターンオーバーを整えることも大切
ニキビと同様に、このような二の腕のブツブツを少しでも改善させるためにもやはり肌のターンオーバーを整えてあげることは大切でしょう。
そのためには、例えば
●質のよい睡眠を十分に取ること
やはり毎日の睡眠はターンオーバーを整えるためにも非常に重要で、
就寝時間についても、できるだけ早い時間帯、遅くても日付の変わる頃、12時までには眠りについて就いておきたいところです。
また、ターンオーバー、肌の生まれ変わりのために大切な成長ホルモンが最も多く分泌されるのが、眠りに就いてから約3時間後とされていますので、
その頃には深い眠りに就いておくことも大切ですね。
●栄養バランスの取れた食事
食事もやはり、睡眠と同じくらい大切で、
当たり前のことなのですが、偏った食事は避けるようにし、糖質にたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルとバランスよく摂ることができる食事を心がけましょう。
特に、ビタミン、ミネラル、良質なたんぱく質は積極的に摂るようにしましょう。
例えば、
・ビタミンB群には…体の中で脂質の代謝を促してくれる働きがあり、
二の腕のブツブツ、毛孔性苔癬の原因となる毛穴の皮脂の詰まりを防いでくれますし、
・ビタミンCは…過剰な皮脂が分泌されるのを防いでくれるビタミンとなっています。
・βカロチン(ビタミンA)や亜鉛、鉄、カルシウムには…肌の新陳代謝を高めてくれるといった働きがあり、
・良質なたんぱく質は…健康的な肌を作るのにも欠かすことのできない栄養素でもあります。
ですから特にこれらの栄養素を積極的に摂ることを心がけられるといいでしょう。
またできればビタミン、ミネラルであれば緑黄色野菜を中心とするお野菜、果物から、
たんぱく質は、魚介類、豆類を中心に、お肉であれば、脂肪分の少ない部位のお肉から摂るのがおすすめですね。
●適度な運動や入浴などで血行をよくし、肌の新陳代謝をよくしておく
体の血行が悪くなることで、肌の新陳代謝も低下してしまい、肌荒れや冷え性などにつながってしまうとともに、
二の腕のブツブツの改善も遅らせてしまうことになります。
やはり、日ごろから血行をよくしておくこと、また、体を冷やさないことも大切で、
そのためには例えば、有酸素運動を中心に、ウォーキングや軽いジョギング、ツーリング(サイクリング)などでもいいですし、ストレッチなんかでもいいので、
毎日続けられるような軽い運動を取り入れるのもいいですね。
お風呂も、シャワーだけで済ませるのではなく、できれば湯船につかって入浴されることをおすすめします。
湯船につかることによって、血行がよくなるのはもちろん、
肌も柔らかく整えられるので、皮脂も排出されやすく、ブツブツも落としやすくなったり、できにくくなったりといった効果も得られるでしょう。
8.二の腕のブツブツ対策でこれだけはやってはいけないこと
逆に、二の腕のブツブツ対策としてやっていはいけないこととはどのようなことでしょうか?
例えば、
ブツブツやざらつきが気になるからといって、爪で引っかいて無理やり取るのは絶対にやめましょう。
また、ごしごしとこすったり、潰したりといったことも避けましょう。
ピーリングも適切なものならいいのですが、刺激の強すぎるピーリングや、ピーリングの際にこすりすぎてしまうといったこともやめましょう。
やはり、肌へのダメージが強すぎて、肌荒れを起こしたり、跡になってしまうこともあります。
9.それでも気になるなら、クリニックや皮膚科での治療も検討してみる、その治療法は?
このような二の腕のブツブツやざらつきというのは、一過性のことも多くて、
その時期を過ぎれば、自然となくなっていくことも多いので、それほど気にするものではないともされますが、
やっぱり、特に女性の場合、半袖になったり、水着になったりすると気になってしまうものです。
そんなざらつきが赤みを伴っているものであったりすると余計に目立ってしまいます。
そのように気になる場合であれば、クリニック(美容外科、美容皮膚科)や皮膚科でのケア、治療を受けられるのもいいかもしれません。
専門医によるケアが受けられるので、自分でピーリングなどをするよりも安心です。
ケアや治療が受けられる場所としては、美容外科や美容皮膚科、一般的な皮膚科でも受けられるようになっており、
例えば、美容外科、美容皮膚科などでは、
・ケミカルピーリング
薬剤を塗布することによって、毛穴で固まった角質や皮脂を取り除き、ブツブツやざらツキをなくして、なめらかに整えるもの。
・フラクショナルレーザーやCO2レーザーなどのレーザー治療
肌へとレーザーを照射し、その刺激によって肌の新陳代謝、再生や治癒力を促して、改善させるもの。
ニキビ跡や毛穴の凹凸、傷跡、しわなどの改善にも効果的とされている。
・ダーマローラーやダーマスタンプ
目には見えないほどの極細の針で肌へと刺激を与え、毛穴で固まった角質、皮脂を取り除き、肌の新陳代謝や再生を促して、なめらかに整えるもの。
などが行われているところが多いようです。
また、一般的な皮膚科では、
一般的な皮膚科では、塗り薬での治療が主となるでしょう。
特に、肌を保湿することにより改善できることが多いために、
保湿力の高い軟膏や肌の保水力やバリア機能を高める効果のあるヘパリン類似物質などが配合された塗り薬を処方されることも多いようです。
また、尿素やサルチル酸などの、硬くなった古い角質を柔らかくして、毛穴に詰まった角質や皮脂を取れやすくしてくれたり、
排出を促してくれる成分が配合された軟膏を処方されることも多くなっています。
ハトムギの種子から抽出されるヨクイニンという有効成分には、肌の新陳代謝を高めてくれる効果や、
また、イボやニキビ、角化症などの症状の改善にも効果的で、二の腕のブツブツの改善にも効果的とされていますので、ヨクイニン配合のお薬や、
ドクダミや清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、桂枝茯苓丸加(けいしぶくりょうがんか)といった、
肌の代謝や血行をよくしてくれたり、老廃物の排出を促してくれる効果のある漢方薬を処方する皮膚科もあるようです。
10.まとめ
いかがでしたか?
二の腕にできてしまうブツブツやざらつきは本当に気になるものですよね。
ニキビとは違うんですが、見た目にも決してきれいじゃないし、半袖やノースリーブと薄着になる季節、水着になる季節には特に気になってしまうものです。
でもこのブツブツ、完全に治すのは難しいとされているのですが、毎日のケアや保湿、生活習慣を改めることでも十分に改善させることができますし、
さらに最近では、自宅で、セルフでも簡単にケアすることができる市販薬なんかも提供されているんですね。
適切なピーリングなどでも改善させることもできるようになっていますので、基本は優しいケアに保湿をきちんとすることを心がけながら、少しでもざらつきのない、すべすべの二の腕を手に入れましょう。
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