女性の場合、生理前や生理中になると肌が敏感になったり、ニキビができやすかったり、肌が不安定になることも多いですよね。
これって女性にとっては本当に厄介なもので、その時期がくるといつものお手入れでも肌の調子が悪くなったりすることもあるのですが、
その一方で、肌の調子がとてもよく、多少無理をしても、肌荒れしないということもあります。
これは女性ホルモンや生理周期の影響によるもので、裏を返せば、そんな女性ホルモンや生理の周期を利用してスキンケアすることによって、ニキビや肌荒れを防いだり、今よりももっと美肌を目指すことも可能になります。
今回はそんな生理周期や女性ホルモンの肌への影響、それを活用したスキンケア法などについても詳しくご紹介してみたいと思います。
1.生理周期とは?
月経期は、いわゆる生理中の期間のことで、子宮の内側を覆っている膜(子宮内膜)が剥がれ落ちて、それにともなって月経血がある期間です。
3~7日間続き、平均としては5日間ほどとなっています。
卵胞期は、月経の1日目から、次の排卵が起こるまでの期間のことです。卵巣でいくつかの卵胞が生長し、そのうちの一つだけが発育して、成熟していきます。
月経期を含めて、約13~14日間続きます。
排卵期は、卵胞期で成熟した卵子が放出される期間です。生理周期の中でこの排卵期が最も短く、通常排卵の前後3~5日程度とされています。
黄体期は、卵子が放出されて、月経が始まるまでの期間のことです。この時期に子宮内膜が厚くなり、子宮が受精卵の着床(妊娠)に備えるようになります。
そしてこの期間に受精卵が着床しなかった場合には、子宮内膜が剥がれ落ちて、新たな月経が始まることになります。
2.2つの女性ホルモンが肌に大きく影響する
このような生理の周期を司っているのは女性ホルモンであり、
そんな女性ホルモンには、
・プロゲステロン
という2種類の女性ホルモンがあります。
それぞれの役割というのが、
主に卵胞から分泌される女性ホルモンであり、子宮内膜を受精卵の着床に備えて厚くする役割のある女性ホルモン。
子宮内膜に受精卵が着床しやすい状態へと整える働きをし、
また、妊娠の成立を助けて、妊娠後は子宮の環境を整え、妊娠の継続を維持するといった働きをする女性ホルモン。
となっています。
またこのような働きから、
エストロゲンの分泌が起こると→
基礎体温が下がったり、自律神経も整えられ、心身ともに安定化。
それとともに肌の状態も安定する。
プロゲステロンの分泌が起こると→
基礎体温が上がったり、栄養や水分、エネルギーを体温に溜め込む。
それとともに、肌も不安定になり、過剰に皮脂も分泌されやすく、ニキビや吹き出物など、肌荒れも起こりやすくなる
といったことがあります。
また、そんな女性ホルモンの分泌の多さというのは、生理周期で見てみると、
月経期→エストロゲン、プロゲステロンともに分泌が減少
卵胞期→エストロゲンの分泌が増える、プロゲステロンの分泌は変わらない(少ない状態)
排卵期→エストロゲンの分泌は変わらない(多め)、プロゲステロンの分泌が増える
黄体期→エストロゲンの分泌が減少、プロゲステロンの分泌は変わらない(多め)
というようになっています。
3.生理周期から見て、美肌になれる時期は?
●生理の後の2週間程度が美肌を維持できる時期
上記のようなことから、より美肌になることができる時期というのはエストロゲンが多く分泌される時期であるということがわかり、
それは、生理周期の中でも、特に卵胞期にあたります。
これは、1,2週間ほどの期間のことであり、この時期には肌の状態も非常に安定し、肌が敏感になることも少なく、
また、水分量も多く保つことができ、乾燥することのない、しっとりとした素肌を保つことができたり、
皮脂の分泌も落ち着いて、ニキビや吹き出物などもできにくい肌を保つことができる時期でもあります。
4.生理周期から見て、肌荒れしやすい時期は?
●生理前の1週間程度が肌が不安定になりやすく、肌荒れしやすい
そのような美肌の時期を過ぎると、一転して、肌が不安定になってしまうことがあります。
特に、排卵期、黄体期に入ると、今度はエストロゲンの分泌が減り、プロゲステロンの分泌が多くなるからで、
この時期には、肌が敏感になって、今まで使っていた化粧品が刺激になることがあったり、
肌が乾燥しやすく、ごわついてしまうこともあります。
またそんなプロゲステロンには、皮脂の分泌を促すといった働きもあることから、過剰に皮脂が分泌され、
普段は脂性ではない方でも脂っぽくなったり、テカリやすくなったり、
あるいは、ニキビや吹き出物ができやすかったり、肌荒れしやすかったりといった状態になることが多い時期でもあります。
5.生理周期を最大限に利用すると美肌になれる、その方法とは?
このようにみると、女性の肌は生理の周期や女性ホルモンによって大きく影響を受けることがあり、
そのことで肌が揺らいでしまったり、肌荒れしやすくなってしまうこともあるのですが、
肌が安定して美肌になれる時期を最大限に利用してあげることによって、より美肌を目指すことができるようになるといえるでしょう。
そのためには、
●肌が安定する時期には→
・基本は保湿重視のスキンケア
・プラスαの積極的なケア
・美白ケア
・エイジングケアなど
肌の状態を見ながら、
・マッサージ
なども行っていもいいかもしれません。
●肌が不安定な時期には→
・基本は保湿重視(化粧水、乳液orクリーム)のスキンケアのみ
・刺激の強いピーリング、毛穴ケア、美白ケア、マッサージなどは控える
・刺激の強めの美容液なども控える
・汚れや皮脂はきちんと落としながらも、洗顔、クレンジングのしすぎにも注意
といったケアを心がけられるといいでしょう。
6.肌が安定する時期には美肌になれる積極的なスキンケアを
●基本は保湿を重視したスキンケア
例えば、生理後2週間程度は肌が安定して、肌荒れも起こりにくくなっていますので、
基本的には、保湿を重視したスキンケアを行いながら、
それぞれの肌の悩みに合わせた積極的なケアを取り入れて、集中的にケアするのもいいでしょう。
例えば、肌のハリ不足やたるみが気になる方であれば、エイジングケア成分が配合された専用の化粧品を積極的に取り入れてみるのもいいですね。
さらに、高濃度に有効成分が配合されてエイジングケア美容液やアイクリーム、リフトアップクリームなんかを取り入れてみるのもいいですし、
たるみを改善するマッサージなんかも、優しく丁寧に行うのであれば効果的でしょう。
他にも、紫外線やシミ、そばかす、くすみが気になる方であれば、
生理前や生理中では少し不安な、効果の高い美白成分が配合されている美白化粧品、美白美容液などをを使って、
この時期に集中的にケアをしてみるのもいいかもしれません。
●毛穴が気になる場合には、ピーリングなどの毛穴、角質ケアも
そして、特に、毛穴の黒ずみやざらつきが気になるといった方で、
でも、毛穴ケアや角質ケアには肌に刺激の強いものも多いので、肌が安定していない時にしかできないといった方も多いでしょう。
例えば、ピーリングなどがそれにあたると思うのですが、
そのようなピーリングをこの時期を利用して行って、集中的に毛穴をきれいにして、目立たなくしておくのもいいでしょう。
ただし、ピーリングなどは特に肌に負担が大きいケアですので、肌が安定している時期でも、行う際には注意し、
頻繁に行わないこと、肌の状態を確かめながら行うこと、またケアをした後はしっかりと保湿するといったことを心がけるようにしましょう。
7.肌が不安定な時期には極力刺激を与えない、消極的なケアを
●基本的には保湿のみの、できるだけ刺激を与えない優しいケアを
生理の1週間前や生理中というのは先のとおりに、肌が不安定になりがちで、
この時期には、できるだけ優しいスキンケアに切り替えるようにしましょう。
基本は化粧水と、乳液やクリームでしっかりと保湿するようにし、乾燥を防ぐケアを心がけるようにします。
また、美容液なども、強い成分が配合されているものもありますので、この時期にはできるだけ使用しない方がいいでしょう。
もちろん、刺激の強い美白化粧品やピーリングなどの角質ケア、毛穴ケアも控えるようにし、マッサージなども行わない方がいいですね。
そして、この時期には、皮脂の分泌も多く、
肌がべたついたり、毛穴に皮脂も詰まりやすくて、ニキビができやすかったりしますので、
洗顔も大切になってきます。
洗顔も丁寧に行って、余分な皮脂はきちんと落としておきましょう。
かといって、洗顔のし過ぎやクレンジングのし過ぎは逆効果となってしまいますので、
洗顔をする際には、たっぷりのきめ細かい泡で優しく洗ってあげることで、短時間でも毛穴の汚れは十分に落とすことができますので、
丁寧に行いながらも、洗い過ぎには注意しましょう。
8.まとめ
いかがでしたか?
生理の前になると肌が敏感になったり、皮脂の分泌も盛んになったりして、肌がべたべたしてきたり、ニキビができやすかったりして、悩まれている方も多いかもしれません。
でも、生理が終わるとそれが嘘のように肌が落ち着いてきて、きれいな状態を保てるようになったりもします。
これは女性ホルモンの影響でもあり、それが厄介なことでもあるのですが、
考えてみると、そんな女性ホルモンのバランスや生理の周期をきちんと理解しておくことで、その時期や肌の状態に合わせたスキンケアを正しく行うことができるようになります。
さらには、そのことを利用してあげることで、より美肌を目指すことができたり、肌荒れを防いで、トラブルのない肌にも導くことができるようになるんですね。
今一度、肌に影響を与える生理周期や女性ホルモンについてしっかりと理解し、さらなる美肌、トラブル知らずの肌を目指してみましょう。
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