妊娠中にサプリメントは飲んでも大丈夫?摂りたい成分にNGの成分も

特に妊娠中や授乳中というのは、体内のバランスが大きく変化し、体調も崩しやすくなるものなのでサプリメントに頼りたくなったりもします。

その一方で、お母さんの食べたものや飲んだものが直接赤ちゃんの栄養になる時期でもあるので、そんな時期にサプリメントを飲んでもいいのかと心配になることもありますよね。

今回は、妊娠中や授乳中にサプリメントは飲んでも大丈夫なのか、また、飲みたいサプリメントに避けるべきサプリメントなどを詳しくご紹介してみたいと思います。

1.妊娠中、授乳中にサプリメントは飲んでも大丈夫?

サプリメントを飲む女性

妊娠中で気になるのがサプリメントを摂取してもいいのかということです。

特に、妊娠する前にサプリメントを普通に服用している方の場合、このまま続けてもいいのか心配になったりもします。

結論からいえば、

成分によって、妊娠中に特に摂りたい成分がある一方で、飲んでも問題ない成分、逆に、注意が必要、避けた方がいい成分があるということです。

摂っておきたい成分については、例えば、食事からだけでは不足してしまっている場合には、サプリメントを上手く活用することをおすすめしますし、

摂っても問題ない成分についても、不足している場合には、サプリメントを活用するのがいいでしょう。

ただ、避けたい成分もあり、そのような成分が含まれるサプリメントには注意が必要となります。

2.妊娠中、授乳中に飲みたいサプリメント、成分とは?

妊娠されている方、妊婦さんが飲みたいサプリメントやその成分、栄養素としては、

葉酸

葉酸が豊富なほうれん草

葉酸は、特に妊娠中の方が多く摂取したい成分となっており、厚生労働省でも摂取が推奨されている栄養素でもあります。

きちんと摂取することにより、

妊娠初期に懸念される出生児の「神経管閉鎖障害」という先天性の障害のリスクを低下させることもわかっています。

そのことから、特に妊娠初期の方に摂取が推奨されていて、1日の推奨摂取量が、一般の成人の場合、240μgであるのに対し

妊娠中の方はそれにプラスして240μgの摂取が推奨されています。

そんな葉酸は、緑黄色野菜や肉類、卵黄、牛乳、豆類などにも含まれている栄養素であり、あまり不足することはないとされていますが、不足していると感じる方の場合、サプリメントでの摂取が効果的でしょう。

ビタミンB群

ビタミンB群が含まれるアボカド

ビタミンB1やB2、B6、B12といったビタミンB群も摂りたい成分となっています。

特にビタミンB6には、つわりの悪化を防いで、改善させてくれるという効果があり、

さらに、妊娠中の高血圧症候群やむくみ、貧血などの予防にも効果的とされています。

また、妊娠中はホルモンバランスが崩れやすく、そんなホルモンバランスの崩れによりビタミンB6は不足してしまいやすくなるということで、妊娠中には積極的に摂りたい栄養素でもあります。

そんなビタミンB6の働きをより効果的にするためにはビタミンB2も必要であるため、両方一緒に摂ったほうがいいとされています。

そのようなタミンB6やB2は、アボカドやモロヘイヤ、バナナ、焼き海苔、味付け海苔、きな粉などに含まれているのですが、 不足していると感じる方はやはり、サプリメントでの摂取が効果的ですね。

腸内環境を整える成分

食物繊維や乳酸菌ですっきりとしたお腹

妊娠中は便秘になってしまう方も多く、そのような方の場合、

・食物繊維
・乳酸菌
・オリゴ糖

などの腸内環境を整えてくれる成分もいいでしょう。

食物繊維は野菜や海藻類、きのこ類に、乳酸菌はヨーグルトなどの乳製品、発酵食品、

オリゴ糖は大豆などの豆類、玉ねぎ、ねぎ、アスパラガス、バナナなどに含まれています。

不足していると感じる方はやはり、サプリメントでの摂取が効果的ですね。

ただサプリメントの場合、摂取しすぎると逆にお腹が緩くなることもありますので、摂取量には気をつけましょう。

カルシウム

カルシウム豊富な牛乳

カルシウムは、妊娠されていない方でも、普段の食事から十分に摂取し続けることが難しいとされている栄養素でもあり、

特に妊娠中には、胎児の健全な生育のために多く使われることになり、より不足してしまいやすくなります。

また、妊婦さん自体がカルシウムの摂取が不足している場合には、妊婦さんの骨や歯に含まれるカルシウムが赤ちゃんへと供給されることになり、

赤ちゃんの発育に問題はなくても、お母さんの骨や歯が弱くなってしまうこともあります。

そのためカルシウムも特に積極的に摂りたい栄養素となっています。

カルシウムは、牛乳などの乳製品、大豆、大豆製品、海藻、小魚、小松菜やモロヘイヤなどの野菜などに含まれているのですが、

不足していると感じる方はやはり、サプリメントでの摂取が効果的ですね。

鉄分

鉄分もまた、妊娠中には赤ちゃんへ多く供給する必要があり、不足してしまいがちな栄養素です。

そのことによって、妊娠前にはあまり貧血になることがない女性でも貧血になりやすくなってしまいます。

そのため妊娠中には積極的に摂りたい栄養素となっていて、鉄分が豊富に含まれるものには、かつおや牛の赤身肉、煮干、納豆や豆腐、きくらげ、小松菜などがあります。

またこのような鉄分も、不足していると感じる方はやはり、サプリメントでの摂取が効果的でしょう。

●ただし、ビタミンAの豊富なレバーには注意

レバーにも鉄分は豊富に含まれていますが、レバーには、摂りすぎることで初期の胎児の発育に悪影響が懸念されるビタミンAも豊富に含まれますので、妊娠中の方は食べ過ぎに注意しましょう。

3.飲んでも問題ないサプリメント、成分

妊娠中にサプリメントで継続して摂取しても問題のないサプリメントの成分、栄養素としては、例えば、

ビタミン、ミネラルであれば、

・ビタミンC

・ビタミンE

・亜鉛

・マグネシウム

といった成分が挙げられます。

ビタミンCやビタミンEには高い抗酸化作用があり、体の免疫力を高めてくれたり、ビタミンCには美容効果、ビタミンEには血行を促してくれる効果もあります。

亜鉛は、味覚を正常に保ったり、抗酸化効果もあり免疫力を高めたり、他にも髪や肌を健やかに保つといった働きをするミネラルで、

マグネシウムは、カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫に保ったり、神経の伝達や筋肉の収縮などにも関わるミネラルとなっています。

これらのビタミンやミネラルは、体内のバランスを整えるのにも重要なものとなっていますので、

食品で不足してしまっている場合には、用量や用法を守っていれば、妊婦さんや授乳中の方でもサプリメントで摂っても問題ないでしょう。

さらに、

●ポリフェノール類

アントシアニン豊富なブルーベリー

・アントシアニン
・カテキン
・リコピン
・アスタキサンチン
・セサミン

といったポリフェノール類もサプリメントから補給しても問題ないでしょう。

これらにもまた、非常に優れた抗酸化作用がありますので、免疫力アップや老化防止にも効果的となっています。

他にも、

●美容系サプリメント

・コラーゲン
・ヒアルロン酸
・セラミド
・エラスチン

などの美容系のサプリメントも問題ないといえるでしょう。

これらのサプリメントも用量や用法を守りながら摂取することができます。

4.逆に避けたい、NGの栄養素、成分とは?

逆に、妊婦さんや授乳中の方が飲むのに注意すべきサプリメントの成分、また避けるべき成分もあります。

例えば、

ビタミンA(レチノール)

ビタミンAの中でも注意が必要なものとして、レチノールというものがあります。

これは動物性のビタミンAとなっていて、多く摂りすぎることによって、胎児に悪影響をもたらす恐れがあることがわかっています。

また、妊娠中の方ではなくても、過剰摂取により、腹痛や嘔吐、めまい、食欲不振や頭痛などを引き起こすこともあります。

ただ、ビタミンAには、レチノールではなく、植物性のβカロチンといったカロテノイドもあります。

これは、にんじんやほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれているビタミンAで、こちらのカロテノイドであれば危険性はなく、

国内のサプリメントはこのカロテノイドが使用されているものがほとんどで、国内で作られているものであれば心配はないでしょう。

一方で、海外製のサプリメントの中には今でもレチノールが配合されているものもあるようですので、海外製のサプリメントには注意が必要です。

また、レチノールなどの動物性のビタミンAはレバーやウナギなどにも豊富に含まれ、適量を食べるのであれば体にもいいのですが、

やはり食べ過ぎてしまうと過剰摂取になりますので、注意が必要です。

ハーブ系の成分

ハーブ

ハーブ由来の成分が配合されたサプリメントも多くあります。

その中にも、妊婦さんや授乳中の方が注意すべき成分があります。

それが、

・サラシア
・アロエ
・モリンガ
・セントジョーンズワート
・ダミアナ
・フィーバーフュー
・カモミール
・ベニバナ

です。

これらには、子宮を収縮する作用があるものや栄養を阻害する恐れのあるもの(妊娠中、授乳中は特に栄養の摂取が大切になるため)、

また、そのようなことから、早産や流産のリスクを高めてしまうものもあります。

このようなハーブは、お料理に添えたり、スパイスとして使用する程度であれば特に問題ありませんし、適量であれば優れた薬効があるものなのですが、

やはりサプリメントで摂取する際には、簡単に過剰に摂取しやすくなってしまいますので、注意が必要で

できれば避けた方が無難でしょう。

ホルモンに影響を与える成分

他にも、サプリメントの中にはホルモンバランスやホルモンの分泌に影響を与える成分が配合されているものもあります。

例えば、

・ブラックコホシュ
・レッドクローバー
・プエラリア
・大豆イソフラボン
・チェストツリー

などがそれにあたります。

これらには、ホルモンに作用して、その分泌を促したり、ホルモン様の働きをするものもあり、多く摂りすぎることで、逆にホルモンバランスを崩してしまうこともあります。

他にも、美容成分として人気の高い成分としてプラセンタがありますが、このプラセンタにもホルモンバランスに作用するという働きもあり、

適量であれば優れた美容効果を発揮してくれるものですが、過剰に摂取することにはやはり注意が必要でしょう。

これらの成分も、食品から摂るのであれば問題ありませんが、やはりサプリメントで摂る際には、特に妊娠中の方は注意をされた方がいいですね。

5.サプリメントを活用する際、これだけは注意!

●用量、用法を確認し、必ず守るようにする

サプリメントを安全に飲む様子

当然のことですが、サプリメントを活用する際には、必ずその用量や用法を守るようにしましょう。

1日の用量というのは、体にとっても最もよい効果が現れる量に設定されていることが一般的で、多く摂ったからといってそれだけ効果が高くなるわけではありません。

また過剰に摂取することで悪影響が出ることもありますので、やはり用量はきちんと守るようにしましょう。

●注意事項で妊娠中や授乳中の方への特記があるかを確認
●医師や薬剤師に相談するのもおすすめ

サプリメントの注意事項の記載は必ず確認するようにし、

サプリメントの中には、妊娠中や授乳中の方が飲むことができない、あるいは注意が必要と書かれているものもありますので、

そのようなものは避けるようにしましょう。

妊娠していない時に飲んでいたもので、注意事項に特別に記載がないものでも、心配な場合には、かかりつけのお医者様や薬剤師の方に相談されるのもおすすめです。

6.まとめ

いかがでしたか?

妊娠したり、授乳中の時には、体内のバランスやホルモンのバランスなどもこれまでとは変化し、

体調を崩しやすかったり、これまでは普通に食べていたものが受け付けられなくなったりすることもあります。

また、お母さんが食べたり飲んだりしたものが直接赤ちゃんへの栄養につながるものでもありますので、摂取する栄養素についても、いつも以上に慎重にならなくてはいけない時期でもあります。

そこで気になるのが、妊娠中や授乳中に、サプリメントを飲んでもいいのかどうか、特に、これまで普通に飲んでいたサプリメントは飲み続けてもいいのかについてです。

成分の中には、妊婦さんや授乳中の方が特に摂りたい成分もあれば気をつけたい成分、避けるべき成分もあって、

こちらではそれらについて詳しくご紹介してみましたので、ぜひ成分ごとの働きや飲んではいけない理由なども知って、サプリメントも安全に役立てていきましょう。

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