髪の毛が抜けてしまうと本当に心配になってしまうものです。
最近では女性でも薄毛に悩まれている方も多くなっていて、少しでも抜けてしまうと気になってしまうんですが、でもそんな抜け毛にも、
心配しなくてもいい抜け毛と、要注意な抜け毛があるのをご存知ですか?
抜け毛で必要以上に心配しなくてもいいように、
そんな抜け毛について、危険なもの、正常なものの違いや見極め方、原因や対処法、改善法などについて詳しく知っておきましょう。
1.髪が抜けるのは自然なこと?
人の髪の毛が作られるのにはいくつかの段階があって、
まず、
人の頭皮には、髪の毛を作り出す毛根内の「毛包(もうほう)」、その中でもタマネギのように膨らんだ箇所に「毛乳頭(もうにゅうとう)」という組織があり、
その周りを囲むように「毛母細胞(ぼうぼさいぼう)」が存在します。
毛乳頭から毛母細胞へと血管を通して栄養が送られ、毛母細胞が細胞分裂を繰り返して、角化することにより髪の毛が作られます。
その毛母細胞から髪が作られるサイクルが「成長期」となっています。
髪が育つ成長期の後には、退行期が訪れます。
退行期には毛母細胞の分裂が衰え始め、細胞分裂が徐々に行われなくなり、髪の成長もストップしていきます。
毛根自体も小さくなっていくのもこの時期です。
最後に休止期が訪れて、この休止期には、完全に毛母細胞の働きがストップして、毛根も縮小していくことになります。
この時に、成長しきった髪は寿命を終えて、抜けていくことになります。
●髪が抜けるのはごくごく自然なこと
髪の毛が生えて、成長し、抜けていくのにはこのようなサイクルをたどることになり、
髪の毛というのは休止期になると必ず成長しきった状態になり、自然と抜けることになります。
ですから、髪の毛が抜けるのは極々自然なことであり、これは、新しく、健康的な髪を一定数以上に保とうとする頭皮の働きによるもので、
休止期に髪の毛が抜けないと逆に毛根で新たに新しい髪が育たないことにもなるんですね。
ちなみに、そのような成長期~休止期の髪のサイクルの長さというのは、男性と女性で若干違っていて、
男性であれば…3~5年程度
女性であれば…4~6年程度
となっています。
2.1日の抜け毛は何本までなら許容範囲?
では通常、髪の毛は1日のどれくらい抜けるものなのでしょうか。
通常であれば普通の人でも50~150本程度は抜けるといいます。
150本というと多いように思えますが、それでも許容範囲だといえます。
また、季節によっても髪が抜けやすい時期というものがあり、
例えば、冬から春にかけて、夏から秋にかけての季節の変わり目などは抜けやすい時期とされていて、
特に、秋にかけては、夏の暑さで体に疲労が溜まってしまうのと同様に、頭皮環境も悪化しやすく、
毛穴にも皮脂がたまりやすくなるので、抜け毛につながってしまうこともあります。
そのような時期には、1日に200本程度抜けるといった方もいて、その時期を過ぎれば、抜け毛も減ってくるのが通常です。
ちなみに、1日のうちで髪の毛が抜けやすいのは、
・シャンプーの際
・就寝中(枕などでこすれてしまうことによるもの)
となっています。
3.危険な抜け毛と正常な抜け毛の差とは?
1日に100本程度であれば気にすることはないといえる抜け毛ですが、なかには、危険な抜け毛もあります。
ではそんな正常な抜け毛と危険な抜け毛の違いとはどのようなものなのでしょうか?
例えば、抜け毛が異常に多いという場合です。
先のとおりに、1日で抜け毛が多いのはシャンプーやブラッシングの際、寝ている時などですが、その時にごっそりと抜ける、
排水口やブラシの髪の毛の絡まりが多い、起きた時に枕元に抜け毛がたくさんあるといった方は要注意でしょう。
また、本数はそれほど多くなくても、抜けた髪の毛の状態に問題がある場合も要注意です。
例えば、
自然に抜ける髪の毛というのは…
その髪の状態が、丈夫で太く、コシのある状態の髪の毛であるといえます。
これは毛根で十分に育ちきって、寿命を終えた髪の毛である証拠で、ごく正常な抜け毛です。
また、髪の根元が膨らんでいて、米粒のような形になっているのも、十分に栄養が行き渡り、育っている髪の毛で、自然な抜け毛であるといえます。
逆に、危険な抜け毛は…
細く、弱々しく、また短いものも多くなっています。
さらに、髪の根元が膨らんでいなかったり、根元がいびつだったり、粘着性の白い塊が付着しているのも危険なサインとなっています。
これは、髪のサイクルである退行期、休止期を経ることなく、成長期の段階で髪が十分に育ちきることなく抜けてしまっている証拠でもあります。
このような抜け毛が多いと要注意です。
4.危険な抜け毛の原因とは?
ではこのような危険な抜け毛、薄毛の要因となりそうな抜け毛はどうして起こってしまうのでしょうか。
その要因としては、例えば、
●血行不良…
髪の毛を作り上げる毛根や毛母細胞へと栄養や酸素を送るのは血液であり、
血流が悪くなることで十分に髪が育たなくなり、毛穴からの皮脂の排出もスムーズでなくなり、皮脂が詰まりやすくなり、抜け毛が多くなってしまうことがあります。
●ストレス…
ストレスにより体の自律神経が乱れ、頭皮の環境を悪化させて、髪が健全に育たなくなります。
●栄養バランスの偏り…
食事での栄養が偏ることにより、頭皮へも十分に必要な栄養が行き渡らなくなります。
●睡眠不足…
睡眠不足になることで、自律神経やホルモンバランスの乱れが生じ、頭皮へと栄養が行き渡らなくなり、
また、頭皮の老化の原因にもなります。
●運動不足…
運動不足により、血行が悪くなり、頭皮の環境を悪化させる要因となります。
●自律神経、ホルモンバランスの乱れ…
自律神経やホルモンバランスが乱れることにより、毛細血管の収縮や頭皮への栄養不足を招き、髪に十分に栄養が行き渡らなくなります。
●過度なダイエット…
過度なダイエットは、体への栄養不足とともに、頭皮や毛髪の栄養不足を引き起こし、頭皮の働きを衰えさせたり、髪を細くする要因となります。
●喫煙…
喫煙することで、血行不良を引き起こし、髪が十分に育たない頭皮環境の悪化や頭皮の衰えの要因となります。
●誤ったヘアケア…
シャンプーのし過ぎや、逆にシャンプーの不足、手荒なブラッシング、
また、頻繁なヘアカラーやパーマなど、誤ったヘアケアにより頭皮がダメージを受け、頭皮環境を悪化させることになります。
5.原因を一つ一つ取り除くことで抜け毛は改善できる
これらの要因が当てはまるといった方で、最近抜け毛が増えたという方はその要因を一つ一つ取り除いてあげることで、改善につなげることは十分に可能です。
特に、大切だと考えられるのは、
質がよく、十分な睡眠をとる
健康のためはもちろん、十分に頭皮や髪の毛へと栄養を送り、丈夫で健康的な髪を育てるためにも睡眠は非常に重要です。
栄養バランスの取れた食事をとる
やはり、抜け毛を防いで、健全な頭皮のためにも食事は、睡眠同様に非常に重要です。
基本的には、炭水化物にたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルとバランスよく、できるだけ多くの種類の食品から摂るようにしましょう。
特に頭皮や毛髪はたんぱく質で作られることから、たんぱく質をきちんと摂るようにし、
たんぱく質はできれば、脂質の多いお肉よりも、魚介類や豆類といった脂質が少なく、良質なたんぱく質が摂れる食品がおすすめです。
また、ビタミン、ミネラルは、代謝や分解、吸収をスムーズにするのに欠かすことのできない栄養素で、
健全な発毛のためにも欠かせませんので、ビタミン、ミネラルもしっかりと摂るようにし、摂るのであれば特に、緑黄色野菜がおすすめです。
適度な運動
適度な運動は体の血行を促し、当然、頭皮への血行もよくしてくれます。
ただ逆に激しすぎる運動は、体に負担となり、頭皮にもダメージを与えてしまうので、激しい運動ではなく、無理なく続けられる、軽い運動がおすすめです。
ストレスをためない
ストレスをためないことも抜け毛を防ぐのには非常に大切です。
ストレスが増えてしまったことによって、抜け毛も多くなってしまったという方も本当に多いので、
ストレスや疲れを感じたら適度に休憩を取るようにしたり、1日に数時間は心身ともにリラックスできる時間を作ったり、
趣味を楽しめる時間を作ったりと、日ごろから自分なりに上手くストレスを発散しながら、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
抜け毛を心配しすぎるあまりにそれがかえってストレスになり、さらに頭皮に悪影響になってしまうこともありますので、
あまり心配しすぎないことも大切です。
適切なヘアケア
誤ったヘアケアで抜け毛を増やしてしまっている方も意外と多く、
本来なら抜けなくてもいい髪も抜いてしまうことも多いので、やはり、日ごろから適切なヘアケアを心がけることも大切です。
シャンプーやブラッシングのし過ぎに注意したり、強い力でのシャンプーやブラッシングも抜け毛につながりますし、
また、ヘアカラーやヘアマニキュア、パーマなどが刺激になっていることもありますので、
その回数や使用するヘアカラー剤なども見直してみるのも良いかもしれません。
喫煙、過度なダイエットはやめる
喫煙や過度なダイエットもやめましょう。
特に、過度に食事制限をするダイエットは本当に危険で、抜け毛が増えてしまったり、髪の毛が細くなってしまう方もかなりいらっしゃいます。
ダイエットをするのであれば、適切に食べながら、運動を取り入れながらの、緩やかなダイエットを心がけるようにしましょう。
6.抜け毛が多い時、これに気をつけよう
このように、抜け毛の原因を改善していくことにより、頭皮はどんどんと健全な状態へと戻っていき、
健康的な髪がきちんと育つ環境にもなり、自然と抜け毛は減っていくものなのですが、
でも、このように生活習慣や食事、ヘアケアなどを改めている最中にもやっぱり抜け毛が多ければ、気になってしまうものです。
そのような場合には、抜け毛が減るまでは、特にヘアケアに注意されると良いでしょう。
例えば、
・毎日シャンプーをしている方であれば、2日に1回など、回数を減らしてみる
・シャンプーを低刺激なアミノ酸系のシャンプーに変えてみる
・ブラッシングも極力優しく、慎重にするようにして、
決して髪を引っ張ったり、頭皮にダメージを与えるようなブラッシングはしない
・ヘアカラーやヘアマニキュア、パーマは控える
・寝ている間に抜け毛が多い場合には、通気性のよいナイトキャップなどで髪を保護して、摩擦を防ぐ
といったことでもいいでしょう。
頭皮が健全な状態に戻れば、自然と抜け毛も減らすことができますので、それまではこのようなことを心がけられると良いかもしれません。
女性の場合、生理があったり、妊娠や出産、閉経などもあることから、どうしてもホルモンバランスが変化してしまうことが多く、
そんなホルモンバランスの変化により抜け毛が増えてしまうことも多くなってしまいます。
そのような場合にも、その時期を過ぎれば自然と抜け毛も減って、元の状態に戻っていくものですので、
その時期には、やはりシャンプーはできるだけ低刺激なものに変える、シャンプーをしすぎない、ブラッシングに気をつける、
ヘアカラー、パーマなど頭皮に負担がかかることは極力行わないといったことをおすすめします。
7.生活習慣などを正しても改善されない場合には?
このように生活習慣や食事、ヘアケアに注意しながら、一つ一つ改善してみたけれど、やっぱり抜け毛が気になる、抜け毛が減らないといった場合には、
例えば、男性であればAGA、女性ならFAGA(女性男性型脱毛症)、
あるいは、何らかの病気や皮膚疾患の可能性もありますので、医療機関、クリニックでの受診も検討してみましょう。
近年では、薄毛治療のための専門外来などもあり、専門医により安心して治療が受けられるようになっていますので、そのようなところもおすすめです。
8.まとめ
いかがでしたか?
髪の毛が抜けるというのは本当はごく自然なことであり、新しく、健康的な髪を一定以上保つためにも必要なことでもあるんですね。
でも、その抜け毛が多すぎたり、抜けた髪の毛の状態があまりにも弱々しかったり、細かったりした場合にはやはり正常な抜け毛であるといえず、
薄毛につながってしまう要注意なものとなってしまいます。
またそんな心配な抜け毛には何らかの原因があって、例えば、日ごろの生活習慣や食事、ヘアケアの仕方などが原因となっていることがほとんどであり、
それらを見直していくことによって、かなりの確率で改善させることができるでしょう。
いつまでも若々しく、太くて丈夫、健康的な髪の毛を保つために、今一度、危険な抜け毛、正常の抜け毛について、その対処法についても、正しく知っておくことも大切ですね。
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