オリーブオイルの効果とは?加熱もOK?1日の量は?その種類に選び方、摂り方も

豊富なオレイン酸をはじめ、優れた栄養価でオリーブオイルは私たちの毎日の健康、美容や若々しさにも欠かすことのできないオイルとなっています。

でも実際にはどんな効果があって、どのように取り入れたり、選び方についても正確には知らないといった方も多いのではないでしょうか。

今回はそんなオリーブオイルについて、その驚きの栄養素や健康効果、効能、食事での取り入れ方、活用方法にオリーブオイルの種類、選び方や注意点についても詳しくご紹介してみたいと思います。

1.オリーブオイルにはどんな成分が含まれている?

オリーブの実とオリーブオイル

オリーブオイルは植物油の中でも栄養価に優れた植物油となっていて、

例えば、

・ビタミンA(βカロチン)
・ビタミンE
・ビタミンD
・ビタミンK
・食物繊維
・オレイン酸
・パルチミン酸
・リノール酸
・ステアリン酸
・オレオカンタール(ポリフェノール)
・オレウロペイン(ポリフェノール)
・ヒドロキシチロソール
・スクワレン
・クロロフィル(葉緑素)

といった栄養素が含まれていることがわかっています。

特に、非常に優れた健康効果が認められ、生活習慣病予防などにも大きな効果を発揮してくれる一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が豊富となっています。

2.どんな効果がある?

●美肌効果

オリーブオイルでしっとりとした美肌

オリーブオイルは、そのまま飲んでも、塗っても優れた美容効果が得られるといわれています。

というのは、オリーブオイルにはスクワランやクロロフィルなどが豊富に含まれ、

スクワランには、肌を保護して、肌に潤いを与えてくれる効果があり、

クロロフィルには、肌のデトックスを促して、肌荒れを改善してくれる効果があるためです。

オリーブオイルにはさらに、肌へと塗布することによって広く薄く広がってくれるという性質があり、

肌を保護して、水分の蒸発も防いで、潤いを守ってくれるようになっています。

他にも、美肌にいいビタミンAやビタミンE、リノール酸なども豊富に含まれていることから、

直接オリーブオイルを飲むことによっても、

体の内側から潤いを高め、肌をなめらかに整えてくれたり、肌の代謝をよくして、ハリとツヤを与えてくれるといった効果もあります。

特に、乾燥肌やインナードライ肌、敏感肌の改善、肌のエイジングケアにも効果的とされています。

●アンチエイジング効果

抗酸化作用により若々しく元気な女性

ポリフェノールも富に含まれていることから、抗酸化作用も得られ、体の中の活性酸素や老化物質を取り除くといった効果も得られるようになっています。

そのことで、体の若さを保ったり、素肌も若々しく保つといった効果もあり、

ポリフェノールのみならず、同じく抗酸化に優れたビタミンEやβカロテンも含まれているために、より老化防止に効果的となっています。

●動脈硬化予防

オリーブオイルにはオレイン酸という不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、それには血中のLDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールを低減させて、

逆に善玉コレステロールを増やしてくれるといった効果が期待できるようになっています。

そのため、血液の状態をサラサラに保つ効果にも優れ、血栓を防いだり

脂質の代謝もよくしたり、優れた抗酸化作用もあるため、血管を健やかに、しなやかに保ってくれるといった効果も期待できるようになっています。

そのような効果から、動脈硬化の予防に効果的となっています。

●糖尿病の予防

糖質の多いパスタやパン、麺類

オリーブオイルにはさらに、血糖値の上昇を緩やかにしてくれるといった作用も期待でき、

それは、健常者を対象とした実験において、パンだけを食べた場合とパンとオリーブオイルを食べた場合、パンだけを食べた場合は、その後血糖値が急上昇したのに対し、

パンとオリーブオイルを食べた場合は、その後の血糖値の上昇が緩やかであったという結果まで得られているということです。

●美髪効果

オリーブオイルのスクワランで美しい髪の女性

オリーブオイルに含まれるスクワランは、髪の保湿のためにも効果的となっており、

肌と同様に、そのまま塗布しても、髪に潤いを与え、キューティクルも整えて、髪にツヤも与えてくれるようになっています。

乾燥による切れ毛や枝毛の予防にも効果的となっていますし、飲むことによっても、体の中から美髪にも導いてくれるようになっています。

●大腸がんや乳がんの予防

オリーブオイルに豊富に含まれるポリフェノールやオレイン酸、ビタミンE、クロロフィルなどの高い抗酸化作用によって、体内の活性酸素が除去されることにより、

発ガンのリスクを下げ、ガンの予防にも効果的とされています。

優れた整腸作用もあることから、大腸ガンの予防にも効果的とされ、

他にも、ある研究機関による臨床試験では、オリーブオイルとフレッシュサラダを食べ続けることで乳がんのリスクも低下したというデータまで得られたということです。

●ダイエット効果

油というとダイエットには大敵というイメージがありますが、

オリーブオイルは、油の中でもその消化や吸収が緩やかな油であり、体につきにくくなっています。

さらに、オリーブオイルに含まれるオレイン酸には、脳の視床下部へと働きかけて、満腹中枢を刺激するという作用があることもわかっており、

自然と満腹感を与え、食べ過ぎを防ぐといった効果もあることから、ダイエットにも効果的とされています。

●便秘予防

腸の働きが活性化されすっきりとしたお腹

オレイン酸には、高い整腸作用があるといわれ、小腸内で消化されにくく、腸内で食べかすや老廃物を巻き込んでくれるようになっています。

またその油脂によって、腸管内のすべりもよくし、

食べかすや老廃物を巻き込みながら、膨らんで、腸管を刺激し、腸の動きも活性化しながら、排出を促してくれるようになっています。

そのため、便秘の改善や予防、デトックスにも優れた効果を発揮してくれるようになっています。

●骨粗鬆症の予防効果

オリーブオイルには、体内で骨のミネラル化にカルシウムの沈着を促すといった効果も期待できることがわかっています。

そして、カルシウムの吸収を助けて、骨を丈夫に保つのにも役立つものとなっており、

特に女性の多い骨粗鬆症の予防にも効果的とされています。

●記憶力向上、アルツハイマー病や認知症のリスクを下げる

オリーブオイルには、オレオカンタールというポリフェノールが含まれていることもわかっており、

そのオレオカンタールには、脳内で神経細胞に害を与える物質を抑制するという働きがあることもわかっています。

そのことによりアルツハイマー病のリスクを下げてくれるという効果が期待できるようになっており、

さらに、オリーブオイルには、オレオイルエタノールアミドという成分が含まれることもわかっていて、

それにはまた、脳内で記憶の神経経路を強化してくれるという効果が期待できるようになっており、

脳を若々しく保って、記憶力を向上させたり、物忘れの防止や認知症の予防にも効果的とされています。

3.どうやって取り入れる?

スプーン一杯のオリーブオイル

オリーブオイル自体、クセが少ないオイルで、あっさりとした風味となっているので、そのままでも味を邪魔することがなく、

色々なお料理とも合わせやすくなっています。

例えば、

・ドレッシングの代わりにサラダにかける
・スープやお味噌汁に加える
・野菜ジュースやフルーツジュースに混ぜる

といったことでも手軽に取り入れることができるようになっています。

サラダにオリーブオイルをかける様子

また、オリーブオイルはあっさりとしているので洋食はもちろん、和食にも合わせることができるようになっていて、

・お豆腐やお惣菜にひとかけする
・お魚やお肉にかける
・納豆にかける

といった活用方法もいいですね。

他にも、

・ヨーグルトにひとかけする
・パンケーキやスイーツにかける

とデザートにも活用することができるようになっています。

もちろん、オリーブオイルの産地としても有名なのはイタリアであることから、イタリアンともとても相性がよくなっていますので、

パスタやピザにそのままかけてもおいしくいただけるようになっていますね。

他にも様々なお料理に簡単に取り入れることができるようになっていますので、お好きなお料理があれば色々と試してみるのもいいですね。

4.加熱しても大丈夫?

フライパンでオリーブオイルを加熱する様子

オリーブオイルには豊富な栄養素が含まれているために、やはり気になるのが、加熱によって栄養素が壊れてしまわないかどうかです。

結論からいうと、オリーブオイルはオイルの中でも熱に非常に強く、

熱を加えても、その栄養素が壊されることなく残すことができるようになっています。

そのため、加熱調理にも適したオイルであるといえます。

また健康効果に優れたオレイン酸も熱に強く、加熱しても安定性を保つことができるようになっているので、

やはり加熱調理してもオレイン酸もしっかりと摂ることができるようになっています。

ですから例えば、炒め物の時に、いつものサラダ油の代わりにオリーブオイルを使ったり、

お肉やお魚などをソテーする際に使ってもいいですね。

●揚げ物には油の温度に注意?

油を温度計で測る様子

もちろん加熱することができるので、揚げ物も可能になっています。

ただ、オリーブオイルの場合、発煙点(オイルを加熱してから煙が出始める温度、オイルの酸化がすすみ、オイルの栄養素や品質、風味、味の劣化が始まる温度)が210℃とされています。

そのため、フライや天ぷらでオリーブオイルを使用する際には200℃を超えないようにしましょう。

とはいえ、揚げ物の場合、普通180℃くらいが適温であることから、200℃を超えることはあまりないので、揚げ物にも十分使えるようになっています。

またオリーブオイルは酸化にも強いことから、きちんと保管(直射日光や高温多湿の場所を避け、暗く涼しい場所に保管)しておけば、繰り返し使うことができるようになっています。

●エクストラバージンオリーブオイルは加熱に向かない?

オリーブオイルの発煙点は200℃くらいになっているのですが、これはピュアオリーブオイルの場合で、

加工されていないエクストラバージンオリーブオイルの場合にはその発煙点は商品により大きく開きがあり、一般的には105℃~200℃程度とされています。

ピュアオリーブオイルと比べても品質の劣化が始まる温度が低くなっており、高温で揚げる揚げ物などは酸化しやすく、栄養素も壊れやすくなってしまいます。

ですから、加熱の場合にはピュアオリーブオイル、そのままで食べる場合にはエクストラバージンオリーブオイルと使い分けされるのもいいですね。

5.1日の量は?たくさん摂っても大丈夫?

1日に摂る量の目安というのは、特に決まっているわけではありませんが、

オリーブオイルも油であることから、摂りすぎてしまうことで簡単にカロリーオーバーになってしまいます。

そのため、1日に摂る量としては、大さじ1杯~2杯程度が適当かと思います。

少ないように思えますが、それでも十分にオリーブオイルの栄養素は摂取できるようになっています。

また、人によっては、オリーブオイルを摂りすぎることによってお腹が緩くなってしまう方もいますし、

さらに、ダイエットのために取り入れているのに、摂りすぎてしまって逆に太ってしまうこともありますので、やはり摂りすぎには注意が必要です。

6.そのまま肌に塗っても大丈夫?

新鮮なオリーブオイル

オリーブオイルには、保湿効果、美肌効果がありますので、そのままお肌へと塗布してスキンケアをすることも可能になっています。

他にも、クレンジングやマッサージオイル、髪の保湿や頭皮のマッサージなどにも使用することができるようになっています。

ただ、市販のオリーブオイルをそのまま肌や髪に塗るには、べたついたりして、抵抗のある方もいらっしゃいますし、

なかには、そのままのオリーブオイルでは肌に刺激になってしまい、トラブルの原因になってしまう方もいますので、

今では、オリーブオイルが配合された美容液やクリーム、クレンジングにマッサージオイル、ヘアケア用品なども多く提供されていますので、

そのようなものであれば、当然肌や髪への使用が前提として作られていますので、そのようなものを使用する方が安心かもしれません。

7.オリーブオイルの種類に選び方、注意点も!

エクストラバージンオリーブオイル

エキストラヴァージンオリーブオイル
(出典:日清オイリオ ボスコ エキストラヴァージンオリーブオイル)

エクストラバージンオリーブオイルは、完熟もしくは完熟する手前のオリーブの実から搾ったものをそのままで使用したオイルで、

オリーブオイルの中でも最も純度が高く、高品質のオイルとされています。

一般的には、酸度が100g当たり0.8g以下のものを指し、

また、オリーブの産地や製造元によりその風味や強さ、香りも様々に異なるのもこのエクストラバージンオリーブオイルの特徴となっています。

精製オリーブオイル

精製オリーブオイルは、バージンオリーブオイルの中でその香りや風味が規定に達しなかったり、ランパンテバージンオリーブオイルと呼ばれる酸度が高いオイル、

あるいは、バージンオリーブオイルを絞った後に残ったオイル(ポマースと呼ばれる搾りかす)に対して、化学的に還元したり、中和、漂白、脱臭、脱酸などの処理を施して作られるオリーブオイルです。

ピュアオリーブオイル

ピュアオリーブオイル
(出典:味の素 オリーブオイル)

ピュアオリーブオイルは、精製オリーブオイルにバージンオリーブオイルをブレンドして作られるオリーブオイルです。

単にオリーブオイルと呼ぶ場合にはこのピュアオリーブオイルのことを指し、

また、スーパーなどで比較的安価に売られているものは、そのほとんどがこのピュアオリーブオイルとなっています。

商品によってバージンオリーブオイルのブレンド比率も様々に異なり、

ブレンド比率は平均して10%以下のものが多く、その比率が高いほどバージンオリーブオイルの量が多くなっています。

オリーブポマースオイル

精製オリーブポマースオイル(バージンオリーブオイルの搾りカス(ポマース)に対し有機溶剤を用いてオイルを抽出したもの)に、バージンオリーブオイルをブレンドしたオイルです。

販売する際には、「オリーブオイル」とは表記することができず、必ず「オリーブポマースオイル」として表記することが義務付けられています。

また安価なものが多く、見た目にはオリーブオイルと変わらないのですが、製造の過程で成分や風味はオリーブオイルとは異なるものとなっています。

オリーブオイルにはその製法によりこのような種類のものがあるのですが、

日本で販売されているのは、精製オリーブオイルを除いて、

・エクストラバージンオリーブオイル
・ピュアオリーブオイル
・オリーブポマースオイル

の3種類となっています。

●やっぱりエクストラバージンオリーブオイルがおすすめ

当然、そのなかでも、エクストラバージンオリーブオイルが最も品質が高く、栄養の面や風味、香りなどの面でも優れたものとなっていますので、

体の健康のため、毎日の食卓を彩るためにも一番おすすめはエクストラバージンオリーブオイルといえるでしょう。

●ピュアオリーブオイルの場合にはブレンド比率に注意!

ただ、より手軽に取り入れるのであればもちろんピュアオリーブオイルでもいいでしょう。

その場合、先のとおりに、商品によってエクストラバージンオリーブオイルのブレンド比率が異なりますので、できるだけブレンド比率の高いものを選ぶようにしましょう。

●オリーブポマースオイルはできれば取り入れたくない

一方でオリーブポマースオイルも安価なのでつい取り入れたくなるのですが、

このオリーブポマースオイルは、一応オリーブオイルには分類されているのですが、その栄養面でも、味や香りなどでも、オリーブオイルとは全く異なったものとなっていて、あまりおすすめできないものとなっています。

また、市販のもののなかには、形状やパッケージも普通のオリーブオイルと同じようなものとして市販されているものも多くなっているようなので、間違えて購入してしまうといった方も多いようです。その点でも気をつけたほうがいいですね。

8.まとめ

いかがでしたか?

オリーブオイルには、オレイン酸を始め、様々な栄養素が含まれており、非常に栄養価の高いオイルで、

そのために、いろんな健康効果や効能が期待でき、特に、生活習慣病の予防のためにも効果的となっているんですね。

さらに、美肌や美髪、老化防止、便秘予防と、女性に嬉しい効果もたくさんあって、ぜひ毎日でも取り入れたいオイルとなっています。

また、風味や香りもよくて、クセも強くないことから、そのままでも取り入れることができるようになっているのも嬉しくて、サラダにかけたり、スープに混ぜたり、

加熱しても栄養が壊れないことから、加熱調理にも使えるんですね。

でもその一方で、摂取量やオリーブオイルの種類、選び方なんかにも注意点があって、

こちらではそんなオリーブオイルについて、効果や効能、取り入れ方、活用方法、選び方などもご紹介してみましたので、

ぜひオリーブオイルを毎日賢く活用しながら、健やかさと美しさを手に入れましょう!

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