パッチテストの正しい方法に注意点、肌荒れ、アレルギーを未然に防ぐ本格的な方法も

新しい化粧品に代える時に、パッチテストを行うことで、未然に肌荒れやアレルギーを防ぐことができるのですが、

でも実際にパッチテストを行うとなると、意外にその正しい方法がわからなくて、自己流で行ってしまって、正しく反応を見ることができていない方も多いようです。

今回はそんな正しいパッチテストの方法について、さらに本格的なパッチテストの方法、行う際の注意点や心得などについても詳しくご紹介してみたいと思います。

1.パッチテストとは?

パッチテストを行う女性

パッチテストというのは、

化粧品などに配合されている成分で、かぶれや炎症、かゆみ、アレルギーが起こらないかを確かめるために行う皮膚刺激試験のことです。

一般的には、初めて使う化粧品で肌に刺激やアレルギー反応が起こらないかを確かめるために行うもので、

・化粧品を皮膚に付けるだけの簡易的なもの

・絆創膏を用いて、長期に渡り本格的に行うもの

さらに、

・皮膚科で行う、より正確なパッチテスト

といったものがあります。

特に皮膚科では、刺激の原因となる成分、アレルギー反応の起こる成分を特定できることもあります

2.スキンケア用品のパッチテストの方法

化粧水や美容液、乳液、クリームなどの化粧品のパッチテストを行う際には、

まず、

●化粧品や日焼け止めを何もつけていない状態の皮膚、できれば、入浴後の清潔な状態の皮膚で行う

●皮膚の中でも、特に、柔らかく、デリケートで、刺激やアレルゲンに反応しやすい二の腕の内側などで行う

といったことが前提条件になっています。

そして、その方法としては、

1.まず、テストしたい化粧水や美容液、乳液、クリームを、

二の腕の内側に、10円玉大ほどの大きさに、直接塗るようにします。

二の腕に化粧品を塗布する様子

この時、1箇所でもいいのですが、3箇所ほど縦に塗るようにすると、より正確さが増します。

2.その後、1~2日間(24~48時間)放置して、

反応を見るようにします。

長いほうがより正確に確かめることができます。

3.1、2日経って、皮膚に何の刺激反応、アレルギー反応がなければ、

その化粧品は使用することができるようになっています。

パッチテストをしている間は、できれば、水にぬらさないようにすることも大切です。

入浴も可能なのですが、

入浴の際も、体を洗う時は、できればその箇所だけは洗浄剤で洗わないようにし、できるだけ化粧品が洗い流されてしまわないようにしましょう。

また、パッチテストをしていて、かゆみや炎症、かぶれなどが起こった場合には、すぐに中止するようにし、ぬるま湯や水で優しく洗い流すようにしましょう。

そして当然、その化粧品は使わないようにしましょう。

3.メイク用品のパッチテストの方法

アイシャドウや口紅、チークなどのメイク用品

ファンデーションや口紅、アイシャドウ、チークなどのメイク用品の場合も、

基本的にはスキンケア用品と同じ方法でパッチテストを行います。

1.まずは、入浴後などの清潔な状態の皮膚、デリケートな二の腕の内側の、1~3箇所に、

テストしたいメイク用品を、10円玉大くらい、直接塗るようにします。

2.その後、1~2日間そのまま放置して、様子を見ます。

3.皮膚にかゆみやかぶれなどが起きなければ、問題なく使用することができます。

やはり、パッチテスト中の入浴では、できるだけテストしている部分が落ちてしまわないようにして、

また、パッチテスト中に刺激が起こった場合には、すぐに洗い流すようにしましょう。

4.クレンジングや洗顔料、シャンプーやコンディショナーの場合は?

洗顔料やシャンプーなどのような、泡立てて使用したり、使用した後は洗い流すもの、

また、クレンジングやコンディショナー、トリートメントなどの、洗い流すもの、濡れた顔や髪に使用し、薄めて使用するようなものについては、パッチテストの方法も少し工夫をする必要があります。

基本的には、実際に皮膚に使用するのと同じ状態でパッチテストするのがより正確といえるので、

●洗顔料やシャンプーの場合には、少しの水を加えて、泡立てた状態で、二の腕に、直接付けるようにします。

シャンプーを手のひらで泡立てた様子

泡立てた状態では落ちやすいものは、少しの水か精製水を加えて薄くしたものを付けてもいいでしょう

その後に、1~2日間放置して、テストします。

●クレンジングやコンディショナー、トリートメントの場合には、水で少し薄めるか、

精製水を少し加えて、それを二の腕に直接付けてテストします。

その後、やはり1~2日間放置して、落ちないように気をつけながら様子を見ます。

何の刺激もアレルギーも起こらなければ使用可能で、やはり、刺激が起こればすぐに洗い流すようにしましょう。

5.カラーリング剤やパーマ液の場合は?

カラーリング剤や白髪染め、パーマ液のなかで、1液と2液に分かれているものの場合は、

1.まず、その1液と2液を、実際に使用する時と同じ割合で、少量混ぜ合わせるようにします。

混ぜ合わせる時も、小さな容器に取り出して、綿棒などで混ぜ合わせるようにします。

2.それを、綿棒で二の腕の内側などに直接付けて、

1~2日間、放置して様子を見ます。

この時も、落ちてしまわないように注意し、

またこのようなカラーリング剤やパーマ液は、衣服に付くとシミになってしまうこともありますので、衣服に付かないように注意する必要もあります。

もともと、1液2液と混ぜ合わせる必要のないものはそのまま化粧水などと同じ方法でパッチテストを行うことができます。

もちろんこの時も、皮膚に異常が出た場合にはすぐに洗い流すようにしましょう。

6.もっと本格的なパッチテストもある

絆創膏で本格的なパッチテストを行う様子

基本的にはパッチテストは、二の腕などに直接付けて、1,2日ほど様子を見るという方法が一般的ですが、

これでは正確にテストできないこともあります。

というのは、直接付けただけではどうしても途中で衣服などでこすれたり、入浴などでも落ちやすく、成分の濃度が極度に薄くなってしまったり、

また特に、アレルギーにはすぐに反応するアレルギーもあるのですが、

しばらく経ってからでないと現れないアレルギーもあり、このようなアレルギーのことを遅延型アレルギーともいうのですが、

アレルギーが出るまでの時間についても個人差があり、どれくらいで症状が出るかもわからないので、一般的なパッチテストではわかりづらいものとなっています。

そのため、特にアレルギー体質の方は本格的なパッチテストがおすすめです。

本格的なパッチテストでは、絆創膏を使用するもので、

この方法であれば、テストの間、成分が薄れてしまうことも少なく

長時間のテストが可能になっていますので、遅延型アレルギーもわかりやすく、より正確な皮膚反応を見ることができるようになっています。

●より本格的なパッチテストの方法とは?

1.本格的なパッチテストも、入浴後の清潔な皮膚で行うようにします。

2.次に、テストしたい化粧品などを、絆創膏に直接付けます。

この時、容器から直接付けてもいいのですが、垂らしすぎてしまうことも多いので、綿棒やスポイトを使って垂らすようにするのもおすすめです。

絆創膏にスポイトで化粧水を付ける様子

3.その絆創膏を二の腕の内側などに貼ります。

二の腕の内側に絆創膏を貼る様子

4.絆創膏を貼って、2~4日間くらいは放置します。

5.その後、絆創膏をはがして、何の刺激もアレルギー反応もなければ使用が可能となっています。

この時も、絆創膏を貼っていて、かゆみなどが起こった場合にはすぐにテストを中止して、貼っていた部分を優しく洗い流すようにしましょう。

特に、敏感肌の方の場合、絆創膏自体で肌がかゆくなったり、刺激になってしまうこともありますので、

そのような場合には我慢せずに、通常の絆創膏を使わないパッチテストに切り替えるようにしましょう。

7.アレルギー成分は特定できる?

シャンプーの成分表示

このようなパッチテストでは、その化粧品が自分の肌で問題なく使用することができるかどうかを確かめることができるようになっています。

ではさらに詳しく、

どの成分が刺激の原因になっているのか、あるいはアレルギーを引き起こしている成分が何かを特定することはできるのでしょうか?

●自分で行う場合には、特定はきわめて難しい

結論からいえば、自分で、自宅で行うパッチテストでは、成分までは特定することは非常に難しいといえるでしょう

自分でパッチテストを行う際には、簡易的に行うことしかできず、化粧品に配合されている成分を総合的に判断することしかできません。

強いて特定しようとするなら、例えば、パッチテストでアレルギー反応や刺激があった場合、

その化粧品と成分構成が似ていて、それよりもシンプルな化粧品を別に用意して、

新たに用意した化粧品でパッチテスト行い、反応がない場合には、刺激のあった化粧品と、なかった化粧品との成分を比較し、

刺激のあった化粧品では使われていて、刺激のなかった化粧品では使われていない成分を調べて、ある程度絞りこむことになります

でもこの方法は、成分が似ている化粧品を新たに用意する必要があり、また、成分も似ていることからそれでも皮膚が反応してしまうこともあります。

ですからよほど自分で特定したいといった場合でなければ、あまりおすすめできません。

●皮膚科でのより本格的なパッチテストなら特定が可能

成分も特定したいといった場合には、皮膚科でのパッチテストがおすすめです

皮膚科でのパッチテストはやはり本格的で、

また、アレルゲンなどの成分も特定してくれたり、その正確性の高いものでもあります。

今後安心して化粧品を選びたいといった場合にも、皮膚科でのパッチテストがやはりおすすめでしょう。

8.パッチテストを行う際の注意点と心得

化粧品を選ぶ女性

自分でパッチテストを行う際には、注意しなくてはいけない点もあります。

例えば、

●パッチテスト中にかぶれなどが起こった場合にはすぐに中止する

パッチテストをしていて、皮膚が赤くなったり、かぶれたりした場合には、すぐに中止して、

その部分を速やかに洗い流すようにしましょう

洗い流す際にも、肌への刺激を与えないよう、タオルなどで拭き取るのではなく、

ぬるま湯で優しく洗い流すのがおすすめです。

クリームやメイク用品など、油分が多く含まれているもので、ぬるま湯だけで落ちないものは、いつも使っている洗顔料などで優しく洗い流すようにしましょう。

洗い流してあげると自然と症状も治まると思いますが、

その後も炎症やかぶれなどが治まらない場合には、皮膚科での受診をおすすめします。

●複数の化粧品を重ね塗りしない、できれば別々にテストする

化粧水と同時に乳液やクリームも変えたいといった場合には、

当然、それぞれのアイテムでパッチテストする必要があるのですが、

例えば、先に化粧水をパッチテストして、その次に、乳液をテストする場合には、同じ箇所に塗り重ねないようにしましょう

化粧水を洗い流した後でも、その化粧水の成分が若干残っていることもあり、正確にテストができないこともあります。

ですから、テストする箇所は必ず変えて、まっさらな皮膚で行うようにしましょう。

これはスキンケア用品に限らず、メイク用品やシャンプー、洗顔料などでも同じです。

また、複数の化粧品をテストしたい場合には、テストする箇所をずらして同時にテストすることも可能ですが、

後からどの化粧品がどの箇所のものであるかわからなくなってしまうこともありますので、

少し面倒ですが、できればそれぞれのアイテムで個別にテストするようにしましょう

●同じブランドでも、それぞれのアイテムでテストする

例えば、化粧水や乳液、美容液、クリームなど、同じメーカーのものをラインで使われている方も多いでしょう。

そのような場合、新しいメーカーのものに総入れ替えする場合には、その全てのアイテムをパッチテストする必要があります。

なかには、同じブランドのものだからと化粧水だけテストして、あるいは、一番たくさん成分が使われているアイテムだけをテストして判断される方もいらっしゃるかもしれませんが、

同じブランドのものであってもやはりそれぞれのアイテムで配合成分は異なっていますので、

全てのアイテムで個別にパッチテストをするようにしましょう。

●より正確に見るために、パッチテストは長い時間行うようにする

先のとおりに、アレルギー反応にはすぐに表れる即時型と、しばらく経ってから起こる遅延型があります。

当然、遅延型のアレルギーの方が見極めが難しくなりますので、

パッチテストを行うのであれば、特にアレルギーが気になる方の場合には、できるだけ長時間に渡ってテストするようにしましょう。

できれば、塗るだけの簡易的なパッチテストではなく、絆創膏を使って、2~4日間は様子を見る本格的なパッチテストがおすすめです。

●季節や体調などで肌の状態が変化する場合には、その都度テストする

なかには、季節や体調などによって肌の状態が変化して、いつも普通に使っていたものが使えなくなるといった方もいらっしゃいます。

特に敏感肌の方はその傾向が強いので、そのような方は、季節ごと、体調の変化ごとに、その都度パッチテストを行われるとより安心でしょう。

●体力の低下や生理前、生理中、生活習慣の乱れなどで、肌が敏感になっている時には行わない

例えば、体力が落ちていたり、生理前、生理中というのは、肌が特に敏感になりやすく、普段では何ともない成分でも刺激になることがあります。

他にも、睡眠不足が続いていたり、偏った食事が続いたり、あるいは、ストレスの蓄積などでも肌が不健康になりやすく、すぐに反応してしまうこともあります。

そのような時にパッチテストしても正確にテストすることができないことも多いので、そのような時には行わないようにしましょう。

●パッチテストで大丈夫でも顔では刺激になることがあると心得ておく

パッチテストでは、二の腕の内側など、よりデリケートで、刺激に反応しやすい部分で行うことになるので、ある程度顔に近い条件でテストすることができるようになっていますが、

それでも、一般的に、顔の皮膚の方が体の皮膚よりも敏感であるとされていることから、

体では大丈夫でも、顔に塗ってみると刺激が起こったり、アレルギー反応が起こることもあります

ですから、初めての化粧品を使う際にはそのことをいつも心得ておき、顔に使用する際には、パッチテストの後でも慎重に使用するようにしましょう。

例えば、肌が弱い方は、低刺激な化粧品を選ぶようにしたり、

頬などに使用する前に、フェイスラインで一度使ってみるようにしたりといったこともいいでしょう。

また、パッチテストで大丈夫でも、顔で刺激やアレルギー反応が起こった場合には、当然、すぐに使用を中止しましょう。

●パッチテストの結果は絶対ではないと心得ておく

たとえパッチテストで問題なかったとしても、その結果だけを信じて、その化粧品がずっと安心して使い続けられるものであると信じ込まないようにすることも大切です。

肌というのは刻々と変化していくものであり、

先のとおりに、季節や体調、生活習慣の変化などによっても状態が変わることもあります。

また、ホルモンバランスの変化や年齢を重ねることによっても変化していくもので、そのことで突然使えなくなってしまうこともありますし、

何らかの原因で突然アレルギーが起こってしまうこともありますので、やはり、化粧品を使用する際には、特に敏感肌の方は、常に肌の状態を確かめるようにし、

定期的にパッチテストを行うようにしたり、肌の変化によって化粧品を適切なものに変えていくなどを心がけられるのも良いでしょう。

9.まとめ

いかがでしたか?

特に、敏感肌の方や肌が弱い方、あるいは、体調や季節の変化などによって肌が敏感になりやすい方、さらにアレルギー体質の方にとって、化粧品選びというのは本当に大変なもので、

安易に選んでしまって、刺激が強かったり、アレルギー反応が起こってしまって、買ったはいいものの結局使えなかったり、

またその刺激によって、大変な目にあってしまうこともあります。

そのようなことを避けるためにぜひ行いたいのがパッチテストです。

パッチテストは、敏感肌の方はもちろんですが、それ以外の肌質の方でも、化粧品を新しいものにした時には、ぜひ行っていただきたいもので、

そのことで、それが安心して使うことができるものかを判断することができますし、肌荒れやアレルギーなども未然に防ぐことができるようになります。

今回はそんなパッチテストについて、その正しい方法や、より本格的に行う方法、さらに、行う際の注意点、心得などについてもご紹介してみましたので、

正しくパッチテストを行って、いつも安心、安全に化粧品を使用できるようにしましょう。

また、今までにパッチテストを行ってきた方も、特に自己流でやってきたという方は、今一度その方法を見直されてみてはいかがでしょう。

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