女性に人気のハーブやハーブティーの中には、子宮に作用したり、ホルモンに作用することで妊娠中、産後、授乳中に禁忌となるハーブがあり、
逆に、体調をよくして、妊婦さん、授乳中の方におすすめのハーブ、ハーブティーもあります。
今回はそんな、避けるべき禁忌のハーブに、逆におすすめのハーブを妊娠の段階(初期、中期、臨月)、授乳中、卒乳時などを踏まえながらご紹介し、
さらに、ハーブの選び方や取り入れ方、注意点なども詳しくご紹介してみたいと思います。
ぜひ健やかで安心なマタニティーライフにお役立てください。
1.絶対避けたい禁忌のハーブ
ハーブやハーブティーの中には、その強い作用で子宮に影響を与えたり、
ホルモンバランスに影響を与え、妊娠中、授乳中の方が控えたい禁忌のハーブというものがあります。
例えば、
子宮の筋肉が緊張し、流産や早産のリスクが高まる恐れ
子宮を収縮する作用、痙攣誘発作用もあるため、妊娠中はもちろん、授乳中も避けたいハーブ
この2つのハーブは妊娠中、授乳中にも避けた方がいいでしょう。
2.できれば避けたい、過剰摂取に注意のハーブ
それほど強い作用ではなく、絶対に避けたいというわけではないものの、あまり好ましくない作用もわかっていて、
できれば避けたい、過剰な摂取は避けるべきハーブもあります。
それが、
子宮を収縮させる作用、特に妊娠初期に注意
子宮を刺激する作用
刺激が強いハーブで、子宮を収縮させる作用
子宮を収縮させる作用
子宮興奮作用があるため、妊娠中には子宮に悪影響を及ぼす恐れがある
優れたリラックス効果があるものの、妊娠中への安全性は確認されていないため、できれば避けた方がいいハーブ
栄養の吸収を阻害する作用、必要な栄養が阻害される恐れがある
アロエに含まれるアロインに子宮を収縮させる作用
流産や早産のリスクが高まる恐れ
子宮を収縮させる作用、カフェインも含まれているためにより注意
流産や早産のリスクが高まる恐れ
このようなハーブはできるだけ避けるか、摂取する場合には、少なめに摂取するようにしましょう。
3.妊娠中におすすめのハーブ・ハーブティー
ハーブやハーブティーの中には、禁忌とされるものがある一方で、
ビタミンやミネラルを豊富に含み、妊娠中に足してしまいがちな栄養を補給することができたり、
赤ちゃんにもしっかりと栄養を送ることができ、
さらには、免疫力を高めたり、つわりを和らげたり、
便秘やむくみの改善など、妊婦さんにとって嬉しい効果のあるハーブやハーブティーもあります。
(ただ、そんなハーブにも、摂りすぎや飲みすぎには注意が必要なもの、特に、安定していない妊娠初期の方には注意が必要なものもあり、
それらについては各項目で注意書きをしておりますので、ご確認ください。)
●ルイボスティー
ルイボスティーは、南アフリカを原産とするルイボスという植物の葉から作られるハーブティーであり、
それには、各種ビタミンにミネラル、食物繊維も豊富に含まれ、
妊娠中に不足しがちなビタミン、ミネラルを補うのにも適したハーブティーとなっています。
特に、鉄分やカルシウム、マグネシウムなども豊富で、
妊娠中にお母さんと赤ちゃんにとって非常に重要となるミネラル分もたっぷりと補給することができ、
食物繊維も豊富なことから、妊娠中になりやすい便秘の改善、予防にも効果的となっています。
またルイボスティーには、カフェインも一切含まれていないということらも、妊娠中に最適な飲み物といえます。
その味も、すっきりとした味わいで、渋みやクセも少なく、飲みやすくて、つわりが気になる時期にも無理なく飲むことができるようになっています。
●ローズヒップティー
ローズヒップティーは、バラの実から作ることができるハーブティーであり、
それにも、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれ、
特に、ビタミンCの含有量が非常に多く、そのためにローズヒップティーは「ビタミンCの爆弾」とも呼ばれることもあります。
そして、妊娠中に不足しがちなビタミンやミネラルの補給にも最適で、
特にビタミンCには、優れた抗酸化作用や免疫力を高めてくれる作用があり、
妊娠中のお母さんの免疫力を高めて、風邪やウィルス性の感染症を防いだり、あらゆる病気への抵抗力も高めるといった効果も期待できるようになっています。
さらに、ビタミンCには優れた美容効果、美白効果もありますので、
妊娠中でも肌荒れを防ぎたい、美肌を保ちたいといった方にもおすすめとなっています。
またノンカフェインのため、やはり妊娠中も安心して飲むことができるようになっています。
●たんぽぽ茶、たんぽぽコーヒー
たんぽぽ茶は、別名「ダンデライオンティー」とも呼ばれ、西洋タンポポから作られるハーブティーです。
そんなたんぽぽ茶には、血流をよくしたり、利尿作用があるために、
妊娠中の血行不良の改善やむくみの改善にも効果的となっています。
また、そんな血行促進効果によって、体を温める効果もあり、
体の冷えも改善、予防してくれるようになっています。
さらに、ノンカフェインなので妊娠中も安心して飲めて、
そのダンデライオンの根の部分を焙煎して作られる「たんぽぽコーヒー(ダンデライオンルートコーヒー」)」というものもあり、
香ばしい味わいで、コーヒーのように飲むことができるものもあります。
もちろんこのたんぽぽコーヒーもノンカフェインなので、
コーヒーが好きな方で、妊娠中でカフェイン入りのコーヒーは飲めないといった方にもおすすめとなっています。
●生姜(ジンジャー)
生姜にはショウガオールといった有効成分が含まれ、それには、優れた血行促進効果も認められています。
妊娠中の血行不良の改善や、体をぽかぽかと温めてくれる作用もありますので、
冷えや、冷えによる体力の低下、免疫力の低下、むくみなども防ぐことができるようになっています。
さらに、代謝をよくしてくれたり、
つわりの予防やつわりを楽にしてくれるといった効果も期待できますので、妊婦さんにもおすすめとなっています。
やはり昔から親しまれている生姜湯などで飲むのがおすすめで、
そこへはちみつを加えてあげると、優しい甘みで飲みやすく、はちみつのビタミンやミネラル、アミノ酸なども摂ることができるようになるのでおすすめです。
●ネトル
ネトルというハーブは、ハーブの本場ヨーロッパでは「血を作るハーブ」、「妊婦の栄養補給のハーブ」と呼ばれることもあり、
その豊富な栄養価から、栄養補給や貧血の予防にも効果的なハーブとなっています。
実際にネトルには、ビタミンAにビタミンC、ビタミンKといったビタミン、鉄分にカルシウム、カリウムなどのミネラルも豊富に含まれており、
ビタミン、ミネラルが不足しがちな妊婦さんの栄養補給にも最適なものとなっています。
さらに、貧血も防いで、妊娠中の体調もサポートしてくれるようになっています。
【注意】
※ただ、ネトルは、作用の強いハーブでもあるため、体調が安定していない妊娠初期には避けて、妊娠中期以降に、飲む量も加減しながら飲むようにしましょう。
●レモンバーベナ
レモンバーベナというハーブには、抗炎症作用や抗菌作用があり、
風邪の予防やウィルス性の感染症、あらゆる病気への抵抗力を高めてくれる効果が期待できるようになっています。
他にも、胃腸の働きを整えてくれたり、血行をよくして体を温めてくれる効果、
さらに、優れたリラックス効果によって、神経の緊張を和らげて、気持ちを穏やかにしたり、
イライラや不安感、ストレスを軽減してくれるといった効果も期待できるハーブとなっています。
そのために、妊娠中のストレスの緩和や不眠、疲れの改善といった効果も期待できるようになっています。
●ラズベリーリーフ(妊娠後期、臨月以降)
ラズベリーの葉から作られるラズベリーリーフには、フラリガンという有効成分が含まれており、
それには、子宮や骨盤の周りの筋肉の緊張をほぐし、緩和させる作用があるとされ、
特に、妊娠後期、臨月に摂ることで、陣痛を和らげて、安産を促してくれる効果があるとされています。
そのためラズベリーリーフティーは「安産のハーブ」とも呼ばれ、
また、産後の体力の回復にも効果的なことから「マタニティーハーブ」とも呼ばれるほどなんですね。
さらに、ストレスを和らげてくれる効果もあり、
このような効果から特に臨月の妊婦さんに非常に効果的なハーブティーとなっています。
※ただ、一方で、子宮痙攣作用もあるために、妊娠初期、中期の方は避けるようにしましょう。
また、飲みすぎることで悪影響を及ぼす報告もあるハーブとなっていますので、過剰摂取にも注意しましょう。
4.特に産後、授乳中にいいハーブ・ハーブティー
ハーブやハーブティーの中には、特に、母乳の出をよくしたり、母乳の質をよくしたり、
また、産後の体力の回復などにもよくて、産後、授乳中におすすめのものもあります。
(ただし、産後、授乳中にはよくても、妊娠中にはよくないものもあり、そのようなものは各項目で注意書きしてありますので、ご確認ください)。
●ラズベリーリーフ
ラズベリーリーフは特に臨月の方におすすめのハーブティーなのですが、
ビタミンやミネラルも豊富に含まれていることから、その優れた栄養価によって母乳の質もよくしてくれるようになっています。
また、母乳の出もよくしてくれる効果も期待できるハーブティーでもあり、
授乳中にもおすすめのハーブティーとなっています。
さらに、ストレスを和らげたり、体力を回復させてくれる効果もあり、産後の体調のケアにもおすすめな飲み物なっています。
※ただ、飲みすぎには注意が必要なハーブティーでもありますので、過剰摂取には気をつけましょう。
●レモングラス
レモングラスには、母乳の分泌をサポートしてくれる効果があるとして授乳中の方に特におすすめのハーブティーとなっています。
母乳の出をスムーズにしてくれることから、母乳詰まりに困っている方にも効果的ですし、
他にも、リンパの流れを整えてくれたり、代謝も促してくれる効果もあり、
さらに、そのすっきりと爽やかな香りによって、リフレッシュ効果やリラックス効果も得られるようになっていることから、
疲れが溜まりやすい授乳中の体調のケアにも効果的なハーブティーとなっています。
※ただレモングラスにはその強い刺激から子宮を収縮させる作用もありますので、妊娠初期、中期には避けるようにしましょう。
●ネトル
ネトルは、その優れた栄養価から、ヨーロッパでは「血を作るハーブ」として有名で、
貧血を防ぐ効果に、血液を浄化し、きれいに保ってくれる効果もあります。
母乳は血液から作られることから、母乳の量を増やしたり、母乳の質も高まり、
さらにネトルに含まれる豊富なビタミン、ミネラルも補給することができるので、母乳の栄養も高めることができるようになります。
またそのように栄養補給もできるので、産後の体調のケアにも最適となっています。
●たんぽぽ茶、たんぽぽコーヒー
西洋たんぽぽから作られるたんぽぽ茶やたんぽぽコーヒーには、血流をよくしてくれる効果があり、
そのことから母乳の出もよくして、スムーズに整えてくれる効果が期待できるようになっています。
さらに、母乳の出も正常に整えてくれるという効果も期待できることから、
母乳が少なくお困りの方、逆に、母乳過多でお困りの方の母乳の出も整えてくれるようになっています。
体を温めて、冷えを改善したり、疲労回復にも効果的で、産後の疲れの改善にも効果的となっています。
●カモミール
カモミールには、乳腺の荒れをケアして、改善してくれるといった効果が期待できるようになっています。
そのために、特に授乳中の乳腺の荒れ、そのことによる胸のハリやしこりなどにお困りの方におすすめのハーブティーとなっていて、
さらに、その爽やかな香りでリラックス効果もあることから、産後の疲労回復にも効果的となっています。
※ただ、カモミールには子宮を収縮する作用もありますので、妊娠中には避けるようにしましょう。
●ルイボスティー
ルイボスティーには、鉄分やカルシウム、マグネシウムなどのミネラル、ビタミンも豊富に含まれることから、
授乳中に飲むことで、母乳の質や栄養価を高めることができるようになっています。
またそのような優れた栄養価から、産後のお母さんのミネラル補給、体力の回復にも効果的となっています。
5.卒乳にいいハーブ・ハーブティー
ハーブの中には、そろそろ授乳を終えたい、卒乳の時期におすすめのハーブもあります。
それが、
●セージ
セージには、優れた殺菌作用とともに、母乳の分泌を抑えるといった働きがあることもわかっています。
そのため、母乳の出を自然と減らすという作用があり、そろそろ授乳を終えて、卒乳したいといった場合におすすめのハーブとなっています。
また、乳腺の荒れを予防してくれる効果もあり、卒乳の際の乳腺炎の予防にも効果的とされています。
※ただセージには、痙攣誘発作用があるという報告もありますので、妊娠中、授乳中には飲まないようにしましょう。
6.ハーブの選び方、取り入れ方は?
今では、ハーブ、そしてハーブティーも様々に提供されていて、お店などでも手軽に手に入れることができるようになっています。
ですからいざ取り入れるとなると、どのようなものを取り入れていいのか迷ってしまうものなのですが、
特に、妊娠中や産後、授乳中の方は体調も崩しやすく、敏感になっていることから、
ハーブについても、できるだけ質の高い、安全性の高いものを選ぶようにしましょう。
できれば、完全無農薬、化学肥料なども使用されていない、オーガニック(有機栽培)のものを選ぶようにしたり、
保存料などの添加物が一切使用されていない無添加のものを選ぶとより安心です。
ハーブの取り入れ方としては、お料理などで直接使ってもいいのですが、
やはり手軽に取り入れられるのはハーブティーでしょう。
今では、色々なハーブティーが市販されていて、ティーバッグタイプのものもあって、紅茶のように手軽に飲むことができるものもたくさんありますので、
そのようなものもおすすめです。
そして、そのようなハーブティーで取り入れるのであれば、通常のものでもいいのですが、
「マタニティーハーブティー」というものもあります。
このようなマタニティーハーブティーには、特に、妊婦さんや授乳中の方におすすめのハーブがブレンドされていて、
また、先のとおりに、ハーブの中には、妊婦さんや産後、授乳中の方に気をつけたいハーブが様々あるのですが、そのようなものは基本的には使われておらず、
さらに、オーガニックハーブ、無添加の商品が多くなっていますので、安心して飲むことができるようになっているでしょう。
7.妊娠初期はハーブは避けるべき?
●妊娠初期は敏感で、ハーブは控えた方がいい
妊娠の初期というのは、特に体がデリケートな状態であり、母体もそうなのですが、胎児も安定していないことから、
ハーブを取り入れたり、ハーブティーを飲むことは控えた方がいいかもしれません。
先のとおりに、ハーブやハーブティーの中には、ルイボスやローズヒップなど、妊娠中、産後を通して安心して飲むことができるようになっているものもあるのですが、
やはり、妊娠初期には控えた方が無難で、安定期に入る、妊娠中期頃から飲むようにされるといいでしょう。
また妊娠初期に飲むのであれば、量を控えるようにしましょう。
8.安全なものでも飲みすぎには注意!医師にも相談しよう
どのような食べ物や飲み物でもそうだと思うのですが、たとえ健康によいものとされるものであっても、
食べすぎ、飲みすぎには注意しましょう。
ましてハーブというのは、体へ優れた効果をもたらしてくれるものであると同時に、作用の強いものでもありますので、食べ過ぎたり、飲みすぎたりしないようしましょう。
例えば、ハーブティーであれば、1日に何杯も飲むというのはやめて、
できれば、1日に1杯程度、多くても、2杯くらいが適当でしょう。
また、妊娠中や授乳中にハーブやハーブティーを取り入れたいといった場合には、
その作用が心配であれば、必ずかかりつけのお医者様に相談して、安全かどうかを確認されてから飲むとより安心です。
9.知らずに飲んでしまったら?
ハーブの中には、妊娠中、授乳中には、このように、あまり好ましくないハーブがあるのですが、
なかには、一般的に市販されていて、メジャーなハーブやハーブティーの中にもそのようなものもありますので、知らず知らずに飲んでしまうということもあります。
そのような場合にはどうすればいいのでしょうか。
一般的には、その量が、1杯や2杯などの少量であったり、
継続的なものでないなら、基本的には問題ないでしょう。
また、飲んで体調を崩したりといったこともなければ、その後は控えるようにすれば、そんなに心配することもないでしょう。
ただ、飲む量が多かったり、飲み続けていたり、あるいは、飲んだ後に腹痛や下痢、倦怠感など、異常を感じた場合には、必ず飲用をやめて、
主治医の診察を受けるようにしましょう。
10.まとめ
いかがでしたか?
ハーブやハーブティーは、最近では、特に女性にとても人気で、女性の体調を整えてくれたり、リラックス効果や美肌効果にも優れていることから、
日ごろからよく取り入れているという方も多くなっています。
しかしその中には、強い作用があることから、特に、妊娠中の方や授乳中の方に悪影響を与えてしまう避けるべきハーブもあるんですね。
そんな禁忌のハーブがある一方で、
妊婦さんや授乳中の方の体調を整えてくれたり、母乳の出をよくしたり、母乳の質をよくしてくれるような、妊婦さんや授乳中の方におすすめのハーブやハーブティーもあります。
こちらではそんな、避けたい禁忌のハーブに、逆におすすめのハーブについて、
他にも、ハーブやハーブティーの選び方、取り入れ方、注意点などについても様々にご紹介してみましたので、
特に、ハーブティーが好きな妊婦さん、ハーブを活用して健やかなマタニティーライフ、
安心な出産、大切な赤ちゃんにも安心して授乳したいといった方は、ぜひ参考になさってみてください。
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