酸化が「体の錆び」と呼ばれるのに対し、糖化は「体の焦げ」とも呼ばれ、近年、その怖さが注目されています。
ではそんな糖化とはどのようなものでしょうか?また、糖化によって起こることや糖化の原因、
さらに、今すぐにでも始められる、本当に正しい抗糖化の方法についても詳しくご紹介してみたいと思います。
糖化を徹底的に防いで、いつまでも変わらぬ若々しさを手に入れましょう!
1.糖化とは?
糖化というのは、血液中で糖とたんぱく質や脂質とが結びついて起こる現象のことで、
その糖化を発見した人の名前から「メイラード反応」と呼ばれることもあります。
2.糖化の何が問題か?
近年、そんな糖化が問題視されているのですが、
というのは、血液中で糖化が起こることによって、体内では、AGE(糖化最終生成物)と呼ばれる物質が作り出されることがわかっており、
このAGEは、老化促進物質と呼ばれることもあり、その名の通り、体内の老化を進めてしまう物質でもあります。
3.糖化によって引き起こされることとは?
では糖化によってそのようなことが起こってしまうのでしょうか?
例えば、
●肌老化、たるみやしわ
糖化によって、体内でAGEが増えてしまうと、肌内部ではコラーゲン繊維が壊されてしまうことがわかっています。
そしてコラーゲン繊維が壊されると、肌の弾力も低下し、肌のハリも失われてしまうことになります。
そのことにより、たるみやしわといった肌老化につながってしまいます。
また、肌の弾力性も失われることになり、肌が硬くなってしまうこともあります。
●しみやくすみなどの色素沈着
糖化により生み出されたAGEという物質は、皮膚の細胞に沈着してしまうこともあります。
そのことで肌の色素沈着を引き起こし、シミやくすみの原因になってしまうこともあります。
また、活性酸素が増えて起こる「酸化」が「体の錆び」といわれるのに対し、
この糖化は「体の焦げ」ともいわれるほどで、
肌をくすませやすく、また、AGEという物質は、褐色をしていることから、色素沈着を起こすことで肌が黄色くくすんでしまうこともあります。
●骨の老化、骨粗しょう症
糖化で発生したAGEという物質は骨に蓄積してしまうこともあり、骨に過度に蓄積することによって骨の老化を招き、骨を弱くさせ、
骨粗しょう症の原因になってしまうこともあります。
●動脈硬化や糖尿病など、あらゆる生活習慣病の要因にも
糖化によって増えたAGEは、血管をもろくさせることもあります。
そのように血管の組織がもろくなってしまうと、血管を守る血管壁ももろくなったり、それを守ろうと炎症を起こしやすくなり、血管も硬くなって、
動脈硬化となるリスクも高まりやすくなります。
さらに、糖化が加速することにより高血圧や糖尿病といったあらゆる生活習慣病の要因にもなってしまいます。
4.糖化の原因は?
では、このような糖化の原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか?
●糖質の摂りすぎ
糖化というのは、体の中で消費されずに余った糖がたんぱく質などと結びついて起こる現象であることから、
まずその大きな原因として糖質の摂り過ぎがあります。
特に、ご飯やパンといった炭水化物をたくさん食べるといった方は注意が必要で、そのような方は高血糖の状態が続きやすく、そのことで、より糖化が進みやすくなります。
●甘いものの食べすぎ
当然、糖質(炭水化物)とともに、糖分が多く含まれる甘いものをたくさん食べることでも糖化が進みます。
甘いお菓子やスイーツをはじめ、甘いジュースや飲み物にもたくさん糖分が含まれていますし、果物にも果糖が含まれますので、果物やフルーツジュースをよく口にするといった方も注意が必要です。
●一度にたくさん食べる、早く食べる
一度にたくさん食べたり、早く食べてしまうことにより、血糖値は急激に上昇してしまいます。
また血糖値が急激に上昇すれば、その後は急激に下降し、それを繰り返すことによって、慢性的な高血糖の状態を招いてしまいます。
そして高血糖の状態が続くことにより糖化が進んでしまいます。
ですから大食いの方や早食いの方は特に糖化が進みやすいといえます。
●野菜不足
野菜不足によって、ビタミンやミネラルの摂取が少なくなるのをはじめ、食物繊維も不足してしまいます。
そのような食物繊維は、腸内で糖の吸収を緩やかにして、血糖値の上昇も抑えてくれるといった働きがあり、
そんな食物繊維が不足することで血糖値が上がりやすく、糖化も進みやすくなります。
●運動不足
運動不足によって、体内の消費エネルギーが減り、食事で摂取した糖質、糖分が消費されにくくなります。
そのことで糖が余ってしまい、糖化につながってしまいやすくなります。
また運動不足が続くことによって、体の基礎代謝も低下して、より糖が消費されにくくなり、慢性的に糖化が進みやすい状態になってしまいます。
●喫煙
喫煙をすることによって、体内でAGEが発生することも近年の研究でわかっているということです。
また、喫煙者の出した煙、いわゆる副流煙を吸うことでもAGEが発生してしまうこともわかっており、喫煙する人はもちろん、周りの人も注意が必要です。
●睡眠不足
睡眠している時に、新陳代謝も活発になり、また、そんな新陳代謝を司るメラトニンや、体の代謝、それに、修復や再生を促す成長ホルモンも、睡眠時にその分泌が最も活発になります。
またそのことで、たとえAGEなどの老化物質が発生しても、良質な睡眠で、ある程度は代謝、排出が促されることになるのですが、
睡眠不足が続くことで、AGEの排出がスムーズに行われずに、蓄積されてしまうことになり、結果として糖化が進んでしまうこともあります。
5.糖化は防げる?正しい抗糖化で徹底的に防ぐ方法
このように糖化というのは、肌や体の老化を招いたり、病気の原因にもなってしまう恐ろしいもので、色んな原因で引き起こされるものでもあります。
では、このような糖化はどのように防げばいいのでしょうか?
今ではそんな抗糖化のためにやるべきことも色々とわかっていて、
例えば、
●糖質を摂り過ぎない
糖化は、体で余った糖が原因で起こるものですので、当然、糖質を摂り過ぎないということが一番大切です。
毎食では、特に、主食(炭水化物)の食べすぎには注意して、適度に摂るようにしましょう。
また、砂糖や果糖などの糖質も原因になってしまいますので、甘い食べ物や甘い飲み物、果糖が多く含まれる果物の食べすぎ、飲みすぎにも注意しましょう。
●朝食を抜かず、3食に分けて食べる
朝食を抜いてしまうといった方も多いかもしれませんが、
朝食を抜くことにより、朝起きてから次の食事までの時間が長くなり、血糖値が低い状態も長く続いてしまいます。
そのことで、次に昼食を摂った時に、朝食を摂った時よりも血糖値の上昇が激しくなり、
そのような急激な血糖値の上昇により、それを下げようと体内ではインスリンが大量に分泌されることになり、今度は血糖値の急下降を招きます。
このように血糖値の急上昇と急下降を繰り返すことで、糖化も急激に進めてしまいますので、
朝食は抜かずに、きちんと食べるようにしましょう。
●ゆっくりと食べる、早食いをやめる
先のとおりに、早食いをすることによって、血糖値が急上昇してしまい、糖化を進めてしまいます。
ですから、食べる時にはできるだけゆっくりと食べるようにしましょう。
また、食べ初めてから、約20分ほどでレプチンと呼ばれるホルモンが分泌されはじめ、このレプチンは「満腹ホルモン」とも呼ばれるホルモンでもあり、
その名の通り、満腹感を与えてくれるホルモンとなっています。
ですからゆっくりと食べることで満腹にもなりやすく、食べ過ぎも自然と防ぐことができ、必然的に、糖の摂りすぎも防ぐことができます。
また、よくかんで食べることもおすすめです。
よくかんで食べることで満腹中枢も刺激されやすくなり、必要以上にたくさん食べなくてもお腹が満たされやすくなり、やはり食べ過ぎを防ぐことができるようになります。
忙しい時にはなかなか難しいこともありますが、夕食など時間の余裕のある時には、できれば20分以上かけて、食事を楽しみながら、ゆっくると食べるようにしましょう。
そのことで、糖化も防ぐことができるようになりますし、肥満の予防や健康維持のためにも効果的ですね。
●食べる順番を変える
食べる順番を一工夫することでも糖化を防ぐことができます。
普通は主食から食べ始めるといった方も多いかもしれませんが、空腹の状態で主食(炭水化物)から食べてしまうと、やはり血糖値を一気に上げやすくなりますので、
おすすめの食べる順番としては、
野菜、海藻類(食物繊維豊富な食べ物)
↓
お肉やお魚、豆類(たんぱく質豊富な食べ物)
↓
ご飯やパン、麺類(炭水化物)
この順番がおすすめです。
食物繊維を最初に摂ることによって、糖の吸収を緩やかにしてくれる効果が得られ、血糖値の上昇を抑えて、糖化を防ぐことができます。
また、食物繊維には満腹感を与えてくれる効果もありますので、食べ過ぎを防いで、糖の摂りすぎも防ぐことができます。
日本人の方は特に、ご飯を食べたらお肉やお魚、お野菜の入ったサラダや煮物、汁物を飲んだら、またご飯と、
いわゆる三角食べに慣れている方がほとんどで、野菜から一品ずつ食べるというのは違和感がありますし、あまりおいしく感じられない方も多いと思いますので、
そのような場合には、あまり無理をせずに、まずは、サラダなどを野菜から食べることは守って、
その後はお肉やお魚、そしてご飯などの主食を少し食べ、その後は、いつもどおりに三角食べするといった方法もいいですね。
この時も、サラダからたっぷりと食べることは最低限守るようにしましょう。
●食物繊維をたくさん摂る
先のとおりに、食物繊維には糖質の吸収を緩やかにして、血糖値の上昇も緩やかにしてくれる効果があります。
ですから、食物繊維を豊富に含む食べ物をたくさん摂ることも効果的です。
緑黄色野菜をはじめとする野菜に、他にも、海藻類やきのこ類にも食物繊維が豊富に含まれていますので、
それらをバランスよく取り入れながら、食べるのが抗糖化のためにもおすすめです。
●主食はGI値の低いものを食べる
ご飯やパン、麺類などの炭水化物が好きで、どうしてもたくさん食べたくなる、でも糖化は防ぎたいといった方は、
GI値というものを意識されてもいいでしょう。
GI値というのは、「グリセミックインデックス」と呼ばれるもので、血糖値の上がりやすさを数値化したものです。
そして、ブドウ糖を100とし、その数値が100に近いほど血糖値が上がりやすいものとなっています。
例えば、生成された白米が88であるのに対し、胚芽などが残った玄米は55、雑穀が混ざった五穀米も55と低く、
パンについても、生成された小麦粉が使われた食パンが95であるのに対し、生成されていない全粒粉で作られたパンは50となっていて、ライ麦が使用されたパンなら55と低くなっていますので、
ご飯なら玄米や雑穀米を選ぶようにしたり、パンなら、全粒粉パンやライ麦パンを選ぶようにするといった工夫をされるのもいいでしょう。
●間食はなるべく少なめに
当然、糖分の摂り過ぎも糖化の原因になってしまいますので、間食で甘いものを食べすぎるのも避けましょう。
特に女性の場合、洋菓子が好きという方も多いかもしれませんが、ケーキなどの洋菓子はついついたくさん食べてしまいがちで、そうなるとやはり簡単に糖分過多になってしまいます。
とはいえ、間食を全くやめるというのも難しいといった方は、例えば、砂糖たっぷりの洋菓子を、さっぱりとした和菓子に変えてみたり、
プリンなどの生菓子の場合には、ゼリーやヨーグルトに変えてみたり、
さらに、少し小腹が空いた時なんかは、噛み応えがあって、甘みも感じることができるドライフルーツを食べるようにするといった工夫をされると、糖分の摂り過ぎを防げますね。
●甘い飲み物にも注意
ケーキなどのスイーツがよくないことはわかりますが、意外と見落としがちなのが飲料です。
例えば、缶ジュースや清涼飲料水には多くの砂糖が使用されていますし、
砂糖入りの缶コーヒーやペットボトルの紅茶、また、スポーツ飲料なども意外と多くの砂糖が使用されています。
特に、砂糖入りのスポーツ飲料はさっぱりとしていて、夏場などはついついたくさん飲んでしまいますが、そうなるとやはり糖分の摂り過ぎにつながり、糖化の原因になってしまいます。
ですから、飲み物は、なるべく砂糖が入っていないもの、
緑茶などもおすすめですし、コーヒーならブラックを、紅茶ならストレートティーを、
また、ノンシュガー、カロリーゼロのスポーツ飲料もありますので、そのようなものをできるだけ飲むようにしましょう。
●抗酸化抗果のある栄養素を摂る
体内に活性酸素が蓄積することでも糖化を加速させてしまうことも近年ではわかっています。
そのため活性酸素を取り除いてくれるような抗酸化抗果のある栄養素を摂ることも効果的でしょう。
例えば、ビタミンの中でも、ビタミンCやビタミンE、βカロテン(ビタミンA)には非常に高い抗酸化作用があることもわかっていますし、
他にも、ポリフェノールやカロテノイドなどのフィトケミカルと呼ばれる成分にもまた高い抗酸化作用があります。
また、そのようなビタミンやポリフェノール、カロテノイドを多く含む食べ物としては、
・ビタミンCやβカロテン(ビタミンA)豊富な緑黄色野菜
・ビタミンE豊富なナッツ類
・アントシアニンなどのポリフェノール豊富なベリー類
他にも、
・セサミン豊富なごま
・アスタキサンチン豊富な鮭
・カテキン豊富な緑茶
・レスベラトロールを豊富に含む赤ワイン(ただし飲みすぎは避ける)
・クロロゲン酸が豊富なコーヒー(こちらも飲みすぎは避ける)
といったものが挙げられます。
このような食べ物をバランスよく摂るというのも抗酸化とともに抗糖化におすすめです。
●適度な運動を心がける
摂取した糖質を体内で消費して、余らせないためにはやはり適度な運動が最も効果的です。
運動の中でも、有酸素運動がおすすめで、ウォーキングや軽いジョギングなら、簡単に始められるので、おすすめですね。
また、このような運動をするのなら、食後の1時間以内に行うというのも効果的で、
というのは、血糖値は食後1時間以内に最も上がりやすく、糖化も一番進みやすくなるためで、
この時に運動することによって、より効果的に糖を消費し、血糖値の上昇を防いで、抗糖化にも効果的です。
逆に、激しい運動や運動のしすぎは体に負担になってしまいますので、無理のない範囲で行うようにしましょう。
●質のよい睡眠をとる
先のとおりに、新陳代謝が最も活発になるのが睡眠時であり、また、代謝をよくしてくれるメラトニンや、
体の修復や再生を促してくれる成長ホルモンが最も多く分泌されるのも夜の眠っている間ですので、
夜に質のよい睡眠をきちんととることによって、糖化によって生じたAGEなどの老化物質の排出も促されることになります。
さらに、抗糖化のためには、できれば、6~7時間の良質な睡眠をきちんと取るようにしましょう。
6.まとめ
いかがでしたか?
最近、糖化という言葉をよく耳にしますが、それは、肌や体の老化の原因になってしまったり、さらには骨を弱くさせたり、あらゆる生活習慣病の原因にもなってしまう恐ろしいものなんですね。
でも、日々生活していても、体の中で糖化が進んでいることってなかなか気付きにくいもので、
何だか最近、肌の調子がよくない、肌がくすんだり、たるんだりしてしまうといった場合、それは糖化が原因かもしれなくて、その時になって糖化に気付くなんてこともあるんですね。
こちらではそんな糖化について、糖化でどのようなことが起こるのか、またそんな糖化の原因や、
さらに、その糖化を防ぐための方法などについても様々にご紹介してみましたので、
ぜひとも参考になさって、徹底的に糖化を防いで、本当に正しいアンチエイジングライフを目指しましょう!
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