白髪って見つけると嫌なもので、増えてくると、年齢だから仕方ないとあきらめてしまいがちですが、
年齢を重ねても驚くほどに白髪が少ない方もいらっしゃって、そう考えると年齢以外にも白髪の原因というものがあり、
それらを一つ一つ改善させることで年齢にか関わらず白髪を防ぐことも可能になるんですね。
今回はそんな白髪について、その原因や、加齢以外の様々な原因、予防して黒髪を保つ方法などをご紹介してみたいと思います。
1.白髪はなぜ生える?そのメカニズムとは?
髪の毛というのは頭皮にある毛母細胞で作られるのですが、
そこにはメラノサイトと呼ばれる色素を作り出す色素細胞も存在し、その働きによりメラニン色素が作り出され、
そのことで髪の毛に黒色が加わり、黒色に染められることによって、黒髪が生えることになります。
そして、何らかの原因により、そのメラノサイト(色素細胞)が働かなくなり、
メラニン色素が作り出せなくなることにより黒色が合成できずに、そのまま髪が生えて白髪になります。
そのようにメラノサイトが働くなるのには、メラノサイトがメラニン色素自体を作り出すことができない「欠失型」に、
毛母細胞の働きに障害が出て、メラニン色素を受け入れることができない状態となる「休止型」とがあります。
2.年だけじゃない?白髪の原因とは?
白髪が生えてしまう最たる原因としてはやはり加齢があります。
年を重ねることにより、体や肌と同様に、頭皮も老化がすすみ、
そのことで毛母細胞やメラノサイトの働きも衰えてしまうことになります。
そのことにより、メラニン色素の合成も弱まり、白髪が増えてしまうことになります。
しかし、同じ年齢でも白髪の少ない人と多い人がいて、そのことから白髪の原因が加齢だけではないということがわかります。
例えばそれには、
・偏った食事や栄養不足
・ストレス
・ホルモンバランスの乱れ、自律神経の乱れ
・病気による体力低下、ストレス
・睡眠不足
・喫煙
・過度のダイエット
といったことが考えられます。
●血行不良
黒髪の元になるメラニン色素を作り出すメラノサイトへと栄養を送るのは血液です。
そのため血行が悪くなることにより必然的にメラノサイトへも栄養が送られにくくなり、その働きが弱くなって、白髪につながってしまうことがあります。
●偏った食事や栄養不足
偏った食事や栄養不足により、必要な栄養素が不足してしまい、
体がそのような状態に陥った場合には、まず生命維持のために必要な箇所へと栄養が送られることから、
生命維持のために必要ではない毛髪に栄養が送られるのは後回しになってしまいます。
そのことにより、頭皮や毛母細胞、メラノサイトにも栄養が送られにくくなり、白髪となってしまうことがあります。
●ストレス
ストレスを受けることにより、体は緊張状態となり、血管が収縮しやすくなります。
そのことで血行が悪くなりやすく、
また、ストレスは体内の自律神経やホルモンバランスの乱れの原因にもなり、より頭皮環境を悪化させてしまうことになります。
頭皮への血流が悪くなったり、自律神経の乱れにより白髪が生えてしまうことがあります。
そのようにストレスが原因となる白髪は、ある部分にまとまって生えてくることも多いようです。
●ホルモンバランスの乱れ、自律神経の乱れ
ホルモンバランスの乱れやホルモンの分泌が減少することにより、メラノサイトの働きも低下し、メラニンの生成が行われにくくなることがあり、
黒髪が作られにくくなってしまうことがあります。
自律神経の乱れはまた、毛細血管を収縮させる原因となり、
血行不良によって、頭皮やメラノサイトにも栄養が十分に送られにくくなって、白髪につながってしまうことがあります。
●病気による体力低下、ストレス
病気をしたり、特に大病を患うことにより、体力の低下を招き、
そのことが頭皮の免疫力の低下の原因ともなり、白髪が増えてしまうことがあります。
そのような体力、免疫力の低下の他にも、
病気、特に大病を患うことにより精神的ストレスも受けやすくなり、そのことでさらに白髪が増えてしまうこともあります。
●睡眠不足
睡眠不足により、体は十分に修復ができずに、頭皮も、日中に受けたダメージが修復されにくくなります。
そのことが頭皮環境の悪化の原因となり、毛母細胞やメラノサイトの働きにも影響を与え、白髪につながってしまうことがあります。
●喫煙
喫煙することにより血管が収縮して、血行不良を招いてしまいます。
そのことにより、頭皮への血流も極めて悪くなり、毛母細胞、メラノサイトの栄養不足を招き、白髪につながりやすくなります。
●過度のダイエット
特に極端に食べる量を減らす過度のダイエットは、体の栄養不足とともに、頭皮の栄養不足も招き、
メラノサイトの働きを弱める原因となり、白髪が生えてしまうことがあります。
3.いったん白髪になると黒髪に戻らない?
ではこのような白髪は一旦生えてしまうと元の黒髪に戻ることはないのでしょうか?
●加齢による白髪は戻る可能性は低い
例えば、加齢による白髪の場合には、黒髪へと戻すのは難しいといえるでしょう。
それは毛母細胞やメラノサイト自体の老化が原因となっていることから、そこから作り出される髪が黒髪に戻ることはめったにありません。
ただ、先のとおりに、白髪になる原因には加齢の他にも様々なものがあり、
現に、同じ年齢でも、白髪の多い人がいる一方で、驚くほどに白髪の少ない人もいます。
そのことから、白髪はその原因をよく知り、一つ一つを取り除くことで防ぐことも十分に可能で、予防することが何より大切であることがわかります。
一方で、例えば若い方で、何らかの原因で一時的に大きなストレスを受けて、それにより白髪が増えたといった方や、
生活習慣などの乱れによって白髪が生えたといった場合には、
ストレスの原因を取り除いたり、生活習慣を見直して、改善させることによって、白髪が黒髪に戻る可能性も高いといいます。
この際もやはり、睡眠や食事、運動などの生活習慣の改善が必要になりますね。
4.白髪を予防するための7つの方法とは?
このように白髪は予防することがとても大切で、
また、場合によっては改善させることも可能で、ここからは今すぐにでも始められる方法をご紹介してみたいと思います。
睡眠で修復を促す
毎日の質のよい、十分な睡眠は健康の維持や美容のためにも必要不可欠なことはもちろんですが、
白髪の予防のためにも非常に重要です。
睡眠中には、体内の修復を促す成長ホルモンが多く分泌され、日中に受けたダメージやストレスを修復し、体内を健全に整えてくれます。
頭皮のダメージの修復も促されることになりますので、髪を生やす毛母細胞や黒髪を保つメラノサイトの働きも健全に保つことができるようになります。
睡眠によってさらに、ホルモンバランスや自律神経も整えることができますので、より頭皮環境も健全に整えられ、白髪予防のためには必要不可欠なんですね。
質のよい睡眠は、健全な髪自体も育ててくれますので、抜け毛や薄毛の予防のためにも非常に重要です。
就寝時間についても、できれば早い時間帯、夜の12時くらいまでには眠りについておくのが理想的でしょう。
適度な運動、入浴
適度な運動や入浴は、体の代謝や血行をよくし、
血行がよくなることによって、頭皮の血流もよくなります。
頭皮の血流がよくなることにより、血液によって栄養も行き渡りやすくなり、毛根や毛母細胞を活性化させたり、
黒髪の元となるメラノサイトも活性化され、黒髪を維持しやすくなります。
運動といっても、何も特別で難しいものである必要はなく、
例えば、手軽に誰でも始めることができるウォーキングや軽いジョギング程度でも十分に血流をよくすることができます。
運動する時間の長さも、長時間である必要はなく、1日に30分~1時間程度のウォーキングなどでも効果的でしょう。
続けていくことが大切ですし、また、逆に激しい運動は体に負荷をかけすぎてしまいますので、軽く続けられる運動がおすすめです。
入浴もまた、長風呂や熱いお湯に浸かることはかえって体に負担になってしまいますので、
できれば、40℃~42℃程度のぬるま湯に、15分~20分程度浸かるくらいの入浴がいいでしょう。
マッサージで血行促進
血行をよくするという意味では、頭皮マッサージも有効でしょう。
その方法としては色々とありますが、例えばその一例として、
があります。
頭部のハチの部分から頭頂部にかけては特に血流が悪くなりやすく、そこをマッサージしてあげることにより頭皮全体の血流もよくすることができるようになっています。
その方法としては、
①まず、髪の生え際から頭頂部に向かって、指の腹をすべらせるように、下から上へ優しくマッサージしてあげます。
②次に、耳の上から頭頂部に向かって、同じように指の腹で、下から上へマッサージします。
③最後に、耳の後ろから頭頂部へ向かって同じように、下から上へとマッサージします。
頭のハチの周りを前から後ろ、下から上へと優しくマッサージするというイメージですね。
簡単にできるマッサージで、テレビを見ながらでも気軽にできますし、
特に血行がよくなっているお風呂上りなんかにもおすすめですね。
※マッサージは、力を入れすぎてしまったり、爪を立てて行うと、頭皮を傷つけてしまいますので、
必ず、指の腹を使って、優しい力で行うようにしましょう。
バランスの取れた食事
バランスの取れた食事もまた、白髪の予防のためには欠かすことができません。
基本的には、炭水化物にたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく食事を取るように心がけ、
できるだけ色々な食材から栄養素を摂るようにするのがいいでしょう。
その上で、髪の毛を作る材料となるのはたんぱく質にアミノ酸であることから、たんぱく質、アミノ酸を積極的に摂るのもおすすめです。
また、アミノ酸の中でも、チロシンというアミノ酸は毛髪を黒くするメラニン色素の材料となる成分でもあり、
チロシンを十分に摂取することで白髪を予防する効果があるとされています。
チロシンは、乳製品や果物、魚介類、大豆、ナッツ類などに含まれているアミノ酸でもありますので、そのようなものを積極的に摂るのもいいでしょう。
さらに、
白髪予防によいとされるミネラルを摂る
ミネラルのなかには白髪予防によいとされるミネラルもあり、
例えばそれには、
・ヨード(ヨウ素)
・カルシウム
・鉄
・銅
・カリウム
などがあります。
それぞれの栄養素の働きというのが、
新陳代謝を正常化させ、たんぱく質の合成を助ける働きもあり、健康的な髪を維持する効果があるミネラル。
黒髪を作るのに不可欠な女性ホルモンの分泌も促してくれる働きも。
ヨードには、細胞の成長や代謝を促進する働きがあり、
黒髪を作り上げるメラノサイトを活性化させる働きもある。
細胞を活性化させる働きがあり、メラノサイトの活性化にも効果的。
血液中のヘモグロビンの構成成分となり、取り込んだ酸素を血液に乗せて全身へと運んでくれる働きがあるミネラル。
そのため、全身に栄養が行き渡りやすくし、頭皮にも栄養が行き渡りやすくなり、毛母細胞やメラノサイトも健全に保たれる。
様々な酵素の働きを活性化させ、
特に、チロシンが体内でメラニン色素へと合成させるのに使われるチロシナーゼという酵素の働きも活性化させる効果もある。
そのため白髪予防に効果的で、チロシンともに摂ることでより効果を発揮してくれる。
塩分や水分、老廃物の排出を促してくれる働きがあり、
むくみの改善や血行不良の改善も促し、頭皮にも栄養が行き渡りやすくしてくれる。
他にも
・ビタミンC
・ビタミンE
といったビタミン類も有効です。
ビタミンAには新陳代謝を促してくれる効果や皮膚を健全に保ってくれる効果がありますし、
ビタミンCやビタミンEには、非常に優れた抗酸化作用があり、頭皮の老化も防いで、若々しく保ってくれる効果も期待できます。
そしてビタミンEには、血行促進効果もあります。
たんぱく質を含め、このようなミネラル、ビタミンを摂ることが白髪予防には効果的とされていて、食品から見ると、それらの栄養素を豊富に含むのが、
・魚介類
・大豆製品
・きのこ類
・ナッツ類
・緑黄色野菜
といった食品となっていますので、
このような食品をバランスよく、積極的に摂ることで白髪も効果的に防ぐことができるでしょう。
さらにビオチンというビタミンも効果的です。
ビオチンは、ビタミンB7とも言われ、ビタミンB群に含まれるビタミンでもあるのですが、
それには、アミノ酸やコラーゲンの生成を促して、健康的な髪と頭皮を維持する効果があり、
また、メラノサイトを活性化してくれる働きもあり、白髪予防にも効果的なビタミンとされています。
そんなビオチンは、魚介類やナッツ類、きのこ類、大豆製品、卵黄などにも含まれています。
さらに、
ポリフェノールには、高い抗酸化作用があり、やはり頭皮や髪の毛の老化を防ぐのにも効果的で、
白髪予防にも効果的となっていますので、ポリフェノールが豊富に含まれる食品もいいでしょう。
例えば、ブルーベリーやカシス、ビルベリーなどのベリー類、赤ブドウや緑茶、大豆製品、黒ごまなどもいいですね。
他にも、
例えば、生姜やにんにく、ニラ、ねぎ、ターメリックやクルクミンといったスパイスなどには、
血行をよくして、体を温めてくれる効果があり、白髪予防にも効果的でしょう。
ストレス、疲れをためない
ストレスや疲れもまた、血行を悪くしたり、自律神経やホルモンバランスの乱れにもつながってしまいます。
かといって現実的には、全くのストレスフリー、疲れのたまらない生活を送ることは無理かもしれませんが、
例えば、日ごろからリラックスできるような時間を作るようにしたり、趣味に没頭する時間を作ったりと、
自分なりにストレスを軽減するような工夫をされるといいでしょう。
そして疲れがたまったなと思ったら、無理をせずに休憩を取る、体や心を酷使しすぎないといったことも心がけられるといいですね。
紫外線を予防する
紫外線を浴びてしまうことにより、肌の老化を招くとともに、髪や頭皮にもダメージを与えて、老化を進めてしまいます。
そのことによりメラノサイトにもダメージを与えてしまうこともありますので、頭皮も紫外線対策をしておきましょう。
例えば、紫外線の強い季節の外出時には帽子をかぶるようにしたり、日傘をさすようにするのもいいでしょう。
不規則な生活、不摂生をやめる
バランスの取れた食事に睡眠、適度な運動などの生活習慣を整えることはもちろん、
例えば、喫煙や過度の飲酒、過度のダイエットなどの不摂生もまた白髪の原因になってしまいますので、
禁煙を心がけるようにしたり、お酒を飲みすぎない、無理にダイエットをしすぎないといったことも大切になってきますね。
5.サプリメントで予防、改善は可能?
白髪を防ぐために必要な栄養素はできるだけ食品から摂るのが理想的ですが、栄養素によっては、十分に摂ることが難しいものもあります。
そのような場合には、サプリメントで補ってあげるのも効果的でしょう。
特に白髪予防に効果的で、食事だけでは不足してしまいがちなものとしては、
・ビオチン
・銅
・カルシウム
・鉄分
・ビタミンC
などがあります。
このようなものが配合されているサプリメントが効果的だと思われます。
6.漢方薬で予防、改善は可能?
漢方では、
・血虚(けっきょ)…血が足りない状態
・腎虚(じんきょ)…内分泌系や免疫機能の低下、また、女性ホルモンも減少している状態
・気虚(ききょ)…「気」が不足している状態、生命エネルギーが不足している状態
このようなことが白髪の原因として考えられるとされています。
そしてこれらを改善させるために、
例えば、血虚(けっきょ)であれば、
・鹿茸 など
腎虚(じんきょ)であれば、
・八味地黄丸
・六味丸 など
気虚(ききょ)であれば
・薬用人参
・唱三仙 など
といった漢方が有効であるとされていますので、このようなものを取り入れてみるのもいいかも知れません。
7.抜くのはいい?白髪は抜くと増える?
白髪を抜いてしまうと増えるということもよく聞きますが、
実際には、白髪を抜いてもその毛根から白髪が生えることはありますが、増えるということはありません。
ただ、黒髪を抜くのと同じで、髪を無理に抜くことになりますので、毛根や頭皮を傷つけてしまう恐れがあります。
そのことで、髪を育て生やす役割のある毛母細胞にもダメージを与えて、最悪の場合には髪が生えてこないといったこともありますので、
増えることはないにしても、やはり無理やりに抜くのはよくないでしょう。
もし白髪が気になるのであれば、根元からカットするか、あるいは白髪染めをするのがいいですね。
8.女性は妊娠、産後に白髪が増えやすい?
女性の場合、妊娠や出産後に白髪が増えてしまうという方もいらっしゃいます。
これは、
ことが主な原因で、
特に、エストロゲンという、毛髪を育てたり、頭皮環境を正常に保つのにも関係する女性ホルモンが減少することにもなり、
そんな女性ホルモンの減少がメラノサイトの働きの低下にもつながってしまいますので、白髪が増えてしまうことがあります。
さらにこの時期には、育児による疲れやストレス、睡眠不足にも陥りやすくなり、そのことが白髪を悪化させてしまうこともありますし、
妊娠中、授乳中には赤ちゃんや母乳に栄養が多く送り込まれることになりますので、お母さんは栄養不足にも陥りやすくなってしまいます。
常にきちんと栄養補給しなければならず、そうでなければ、栄養不足により頭皮も悪化しやすくなり、さらに白髪になりやすいといえるんですね。
また、女性の場合、閉経後にも女性ホルモンは減少しやすく、そのことによってもやはりメラノサイトの働きを弱めて、メラニン色素が作られにくくなり、白髪が増えてしまうことがあるんですね。
9.まとめ
いかがでしたか?
白髪を見つけると本当に嫌なもので、増えてくると、このままどんどんと増えるのかと心配にもなってきます。
逆に、髪が黒々としているだけで、見た目も若くいられますし、ツヤのある黒髪は女性の憧れでもあります。
また、白髪が生えるのは年だからとあきらめてしまっている方も多いかもしれませんが、例えば、生活習慣や食事に気をつけることにより、
あるいは、マッサージやサプリメント、漢方などを取り入れることによっても、防ぐことが可能になるんですね。
一旦白髪になってしまうと改善させるのも大変ですので、予防することがやっぱり大切で、
こちらでは今すぐにでも始められる予防法をご紹介しましたので、ぜひ取り入れて、いつまでも若々しい黒髪を保ちましょう。
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