化粧水には、保湿に美白、エイジングケア、収れん、拭き取りなど様々な種類があります。
今回はそんな化粧水の種類やそれぞれの効果、役割、それぞれの化粧水で向いている肌質、向いていない肌質、
さらに、化粧水の意外な活用術、顔以外の活用術などについてもご紹介してみたいと思います。
賢い化粧水選びなどにもぜひ参考になさってみてください。
1.保湿化粧水(柔軟化粧水)
保湿化粧水は、柔軟化粧水とも呼ばれ、最も多く市販されている一般的な化粧水です。
肌へと水分を与え、肌の潤いを保つことがその主な目的で、
肌を柔軟に保ったり、肌のキメを整えるものもあります。
その主な成分構成としては、精製水に、グリセリンなどの保湿成分、
アルコールやパラベンなどの防腐剤、安定化成分、
他にも、美白成分や整肌成分などの訴求成分が配合されているものもあります。
精製水がその多くを占め、7~8割が精製水でできているものが一般的です。
また、保湿成分には、グリセリンのほか、
・セラミド
・コラーゲン
・エラスチン
・アミノ酸
・プロテオグリカン
など、様々な成分があります。
おすすめの肌質…全ての肌質
おすすめできない、注意が必要な肌質…特になし
※ただ、オイルが配合されている高保湿性の化粧水の場合、脂性肌の方や混合肌の方は使いすぎることでニキビができることもあるので注意が必要。
2.美白化粧水
美白化粧水は、保湿機能に加え、美白効果もプラスされた化粧水のことです。
その働きは、メラニンの生成を抑えて、紫外線や日焼けによるシミ、そばかすを防ぐというものが主となっています。
一般的には、メラニンの定着を防いで、シミ、そばかすを予防することが目的のものが多くなっているのですが、
なかには、すでにできているシミ、そばかすを薄く改善させるものや、肌に透明感を与えるといったプラスαの効果が期待できるものもあります。
また、「美白化粧水」として提供するためには、厚生労働省認可の美白有効成分が配合されている必要があり、
例えば、
・アルブチン
・エラグ酸
・カモミラET
・トラネキサム酸
・プラセンタエキス
・ルシノール
・t-AMCHA(t-シクロアミノ酸誘導体)
・リノール酸
といった成分があります。
これらは、メラニンの生成を抑制したり、メラニンの排出を促し、またメラニンを還元するといった作用が期待できる成分として、
厚生労働省によって、その有効性、安全性が認められた成分となっています。
【おすすめの肌質】
・シミ、そばかすが気になる肌
・くすみが気になる肌
・紫外線を浴びる機会が多い方
【おすすめできない、注意が必要な肌質】
・美白成分の中にはハイドロキノンなど、刺激の強いものがあるため、
乾燥肌や敏感肌の方は注意が必要な場合も。
3.エイジングケア化粧水
エイジングケア化粧水は、保湿とともに、年齢肌対策も可能となっている化粧水のことです。
エイジングケア化粧水の場合、期待できる効果というのは各商品により様々異なり、またその効果も多岐に渡るのが特徴で、
一般的には、年齢とともに遅くなりがちな肌のターンオーバーを促進して、肌の新陳代謝を高める効果が期待できるようになっているものが多く、
そのことで肌の弾力やハリを生み出し、たるみを防いだり、
肌の代謝がよくなることで、透明感を生み出し、くすみを防ぐといった効果があるものもあります。
さらに、肌自体に弾力を与える有効成分でハリを与えたり、
通常の保湿化粧水よりも高い保湿効果を実現し、加齢による肌乾燥や小じわ、たるみ毛穴などを改善してくれる化粧水もあります。
また、レチノールのような小じわやほうれい線自体に働きかける有効成分が配合されているものもあります。
例えばその有効成分としては、
・EGFやFGFなどの成長因子
・プロテオグリカン
・レチノール(ビタミンA誘導体)
・ビタミンC誘導体
・ヒアルロン酸
・コラーゲン
・エラスチン
といった成分があります。
【おすすめの肌質】
・たるみや小じわ、ほうれい線が気になる肌
・くすみが気になる肌
・たるみ毛穴が目立つ肌
・目元、口元の下がりやハリ不足が気になる肌
【おすすめできない、注意が必要な肌質】
・基本的にはどんな肌質の方も使用できますが、当然、肌代謝の活発な若い方は使用する必要はないでしょう。
4.収れん化粧水
収れん化粧水は、「引き締め化粧水」や「トーニングローション」、
あるいは「タイトニングローション」、「トーナー」とも呼ばれる化粧水のことで、
主に、肌の収れん、引き締めを目的とした化粧水のことです。
エタノールなどのアルコール成分が配合されているものが多く、
その引き締め作用によって、開いた毛穴を引き締め、目立たなく整える効果や、
皮脂の分泌を抑える効果もあり、余分な皮脂を抑えて、テカリも防いでくれる効果があるものもあります。
さっぱりとした使用感で、肌に清涼感を与えるものが多く、
どちらかといえば、皮脂、テカリの気になる暑い時期向けの化粧水であり、
また、肌がテカりやすかったり、ニキビができやすい脂性肌向けの化粧水といえます。
さらに、小鼻やTゾーンの皮脂のテカリを抑えたり、毛穴を引き締めるため、
Tゾーンのメイクの持ちをよくするために、部分的に使用するのにも適した化粧水でもあります。
ただ、アルコールが多く配合されていることから、どうしても肌が乾燥しやすく、刺激も強いので、乾燥肌や敏感肌の方、肌の弱い方、インナードライの方、
あるいは、体調や季節などで肌が弱くなっている方には適さない化粧水ともいえます。
【おすすめの肌質】
・脂性肌
・混合肌
・肌がテカりやすい肌
・毛穴が目立つ肌
・毛穴の黒ずみやざらつき、角栓ができやすい肌
【おすすめできない、注意が必要な肌質】
・乾燥肌
・敏感肌
・インナードライ肌
・季節や体調などによって肌が敏感になる方
5.拭き取り化粧水
拭き取り化粧水は、クレンジングや洗顔をした後に使用することで、クレンジングや洗顔で落としきることができなかったメイク汚れや皮脂、肌表面の汚れを拭き取ることができる化粧水のことです。
通常は、コットンに化粧水を含ませて、肌を直接拭き取るようにして使用するようになっていて、
落ちにくいメイク汚れや肌の汚れを落とすことができるのをはじめ、
古い角質や毛穴の詰まり、ざらつきを落とすこともでき、
肌のざらつきやくすみ、角質肥厚、ごわつきの改善にも効果が期待できる化粧水でもあります。
さらに古い角質を落とすことにより、肌のターンオーバーを促す効果も得られ、キメが整えられたり、肌が明るくなったりといった効果が期待できるものもあります。
配合成分としては、
・フルーツ酸などのAHA(ピーリング作用のある成分)
などが配合されているものが多くなっています。
拭き取り化粧水にはこのような優れた効果が期待できる一方で、肌を直接こすることから、肌への刺激も強く、
肌を傷めたり、肌の乾燥やバリア機能の低下を招いてしまうこともあります。
そのため、特に、乾燥肌や敏感肌の方、インナードライの方、また、年齢肌の方も使用には注意が必要な化粧水でもあります。
【おすすめの肌質】
・古い角質で肌がごわつく肌
・肌のざらつきが気になる肌
・肌の代謝が悪く、くすみやすい肌
【おすすめできない、注意が必要な肌質】
・乾燥肌
・敏感肌
・インナードライ肌
・年齢肌
6.ニキビケア化粧水
ニキビケア化粧水は、その名の通り、ニキビを改善させたり、ニキビの予防を目的とした化粧水のことです。
その作用は、一般的には、ニキビの原因となるアクネ菌を抑える殺菌作用や、
ニキビの炎症自体を抑える抗炎症作用があるものが多くなっており、
なかには、アクネ菌の原因となる過剰な皮脂の分泌を抑える効果や、
肌のターンオーバーを促進し、ニキビの治癒を促進する効果のあるもの、
さらに、ニキビの原因となるホルモンバランスの乱れを整え、ニキビの予防を促すといった効果が期待できるものもあります。
配合成分としては、殺菌、抗炎症作用のある成分として、
・グリチルリチン酸2K
といった成分や、
過剰な皮脂の分泌を抑えたり、肌のターンオーバーを促す
・トコフェロール(ビタミンE)
・プラセンタ
・EGF、FGF
といった成分、
また、ホルモンバランスに働きかける成分として、
といった成分が配合されているものもあります。
ただこのようなニキビケア化粧水の中には、殺菌作用が強く、肌への刺激に、肌の乾燥を促してしまうものもあります。
そのようなものには、サリチル酸が多く配合されているものが多くなっているのですが、
このようなものは、過剰に皮脂が分泌される思春期ニキビには有効ですが、大人ニキビの場合には、刺激が強かったり、肌乾燥の原因にもなってしまうこともありますので、注意が必要です。
【おすすめの肌質】
・ニキビができている肌
・ニキビができやすい肌
・過剰な皮脂の分泌が多い肌
・毛穴に皮脂が詰まりやすく、黒ずみ、角栓ができやすい肌
【おすすめできない、注意が必要な肌質】
・乾燥肌
・敏感肌
・インナードライ肌
・殺菌作用が強いものであれば、大人ニキビの方も注意
7.導入化粧水
導入化粧水は、「ブースター」や「プレ化粧水」とも呼ばれ、
通常の化粧水の前に使用することによって、その後につける化粧水や美容液、乳液などの浸透を高めることができる化粧水のことです。
洗顔後に拭き取る「拭き取り化粧水」も、この導入化粧水の一種であり、
このような導入化粧水の働きとしては、肌を柔らかくして有効成分が浸透しやすい状態へと整えたり、
特に拭き取り化粧水では、肌の角質を柔らかくし、古い角質を取り除くことによって、
化粧水の浸透を妨げていた古い角質がなくなり、より化粧水が浸透しやすい状態へと整えることができるようになっています。
そのために、AHAなどのピーリング成分が配合されているものもあります。
それとともに、導入化粧水自体、保湿力が高いものも多く、保湿化粧水としての役割を果たすものも多くあります。
基本的には、洗顔した後、化粧水を付ける前に使用するようになっています。
【おすすめの肌質】
・乾燥肌
・インナードライ肌
・化粧水や美容液が浸透しづらいと感じる肌
・硬く、ごわつきやすい肌
・くすみやすい肌
・年齢肌
【おすすめできない、注意が必要な肌質】
・拭き取り化粧水の場合には、こすったり、ピーリング作用で、刺激が強くなることがあることから、敏感肌や乾燥肌、肌の弱い方は注意が必要
8.メンズ用化粧水
メンズ用化粧水は、男性用に作られた化粧水のことで、近年その数や種類も多くなってきています。
男性の肌というのは、女性に比べて、その水分量は6~7割程度で、その一方で、皮脂の量は倍程度もあるとされています。
そのため、このようなメンズ用化粧水は、潤いはきちんと与えながらも、皮脂の分泌を抑える効果のあるものや、
使用感は比較的さっぱりとしていて、使用した後は肌をサラッと整えたり、べたつきの残らないものも多くなっています。
また、今では様々なものがあり、乾燥肌向け用のものや、保湿力の高いもの、ニキビを防ぐもの、
美容液や乳液の効果も兼ね備えたオールインワンタイプのものもあります。
【おすすめの肌質】
・男性で肌の乾燥に悩まれている方
・肌のテカりやニキビに悩まれている方
・女性でも、脂性肌の方で、さっぱりとした化粧水が好みの方
【おすすめできない、注意が必要な肌質】
・メンズ用でも、ニキビケアなど殺菌作用のあるものは、敏感肌や乾燥肌の方は注意が必要
9.より美肌に導く化粧水の使いこなし術
このように、今では化粧水といっても一般的な保湿化粧水から、色々な肌悩みに対応してくれる化粧水までたくさんあって、
目的や肌質に合わせて選ぶことができるようになっているんですね。
さらに、普通に使うだけでももちろん効果的なんですが、
そんな化粧水をさらに上手く使いこなすことによって、より美肌も目指すことができます。
例えば、
●収れん化粧水の活用術
収れん化粧水は、肌に刺激が強かったり、肌を乾燥させてしまうというデメリットもあるのですが、
一方で、優れた引き締め効果や過剰な皮脂の分泌を抑えて、毛穴を目立たなく整えてくれるといった効果が期待できるのも確かなので、
使いすぎには注意しながらも、例えば、
特に、脂性肌の方や混合肌の方の場合、また、普通肌の方でも、季節によってはテカりがとても気になるものです。
そして、皮脂が過剰に分泌されて、毛穴が目立ってしまったり、毛穴のざらつきや角栓になってしまうこともあります。
それを解消するためには、肌を保湿することが大切だとわかっていても、今すぐにそんなテカりを何とかしたいこともあります。
そんな時には、テカりが気になる箇所、特に、Tゾーンにだけ収れん化粧水を使用するというのもいいでしょう。
おすすめの使い方としては、朝のメイク前の保湿の時に、普通の保湿化粧水を顔全体に使用した後、
テカりや毛穴が気になるTゾーンや、鼻の横にだけ収れん化粧水を優しく塗布する方法です。
そうすることで、速効で毛穴が引き締まって目立たなくなったり、皮脂も抑えられて、テカリにくくなり、
それもある程度効果が持続してくれるようになっていますので、
その後に、いつも通りに、乳液や化粧下地、ファンデーションでメイクすることで、テカりにくい、サラッとした肌を保つことができ、メイクの持ちもよくなるでしょう。
そんな収れん化粧水はメイク直しの時にも結構重宝します。
こちらも、脂性肌の方や混合肌の方、普通肌の方でもテカりが気になる方におすすめで、
メイク直しの際に、まずはティッシュなどでテカりをオフし、
その後に、やはり顔全体ではなく、テカりや毛穴が気になるTゾーンや鼻の横の部分にだけ収れん化粧水を適量塗布して、引き締めてあげます。
そしてその上から、ファンデーションを重ねます。
そうすると、収れん化粧水を付けていない時と比べても、長時間テカりも抑えられるようになりますし、毛穴も引き締まり、目立たなくなります。
※ただやはり収れん化粧水は肌を乾燥させるものも多いので、乾燥肌の方や敏感肌の方、インナードライ肌の方はあまりおすすめできません。
●ニキビ跡の改善に美白化粧水を活用する
美白化粧水は、メラニンを抑えて、シミ、そばかすを防ぐ目的のものが多くなっていますが、
なかには、肌のターンオーバーを促して、肌の色素沈着を防いだり、改善させたりといった効果があるものもあり、
それはまた、色素沈着を伴うニキビ跡を改善させるのにも効果的となっています。
肌のターンオーバーが促されることで、肌の色素沈着の排出も促すことができるようになり、
特に、赤くなったり、紫色、茶色に残ってしまったニキビ跡が気になるといった方の改善にも効果が期待できるようになっています。
またそのようにターンオーバーを促してくれる成分としては、例えば、プラセンタやビタミンC誘導体、カモミラET、エラグ酸、トラネキサム酸といった成分がそれにあたり、
このような成分が配合されている美白化粧水もおすすめです。
●保湿化粧水は即席のコットンパックにも
保湿力の高い化粧水をコットンにひたひたに染み込ませて、即席のコットンパックを作ってみてもいいですね。
専用の美容マスクやパックは、1枚のお値段が高かったり、そのことであまり頻繁にできなかったり、
もったいないからと何度か使用したりと誤った使い方もしてしまうこともあるんですが、
化粧水のコットンパックならとてもリーズナブルですし、簡単に作ることができるのでおすすめです。
化粧水も、いつも使っている化粧水でよくて、それをコットンにたっぷりと染み込ませて、
できれば、コットンは5枚用意して、両ほほ、おでこ、鼻、あごの5箇所にぴたっと貼り付けるようにすると、顔全体保湿ができていいですね。
パックの時間が長すぎるとかえって肌を乾燥させてしまいますので、
時間にして5分程度、長くても10分くらいまでにとどめておきましょう。
パックをした後は、いつもお使いの乳液やクリームで水分を閉じ込めてあげましょう。
手軽でありながら、化粧水を普通に付けるよりもより肌をしっとりさせることができるんですね。
10.顔以外にも使える?化粧水の意外な使い方
●とろみのある化粧水はボディローションに
ボディの保湿にボディクリームやボディミルクを使用している方も多いでしょう。
でも、クリームやミルクは、特に、夏場なんかは結構重くて、そのような季節には使いづらいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
かといってさらさらのボディローションだと少し軽すぎると感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合には、とろみのある化粧水をボディローション代わりにしようしてもいいでしょう。
例えば、ヒアルロン酸が配合されている化粧水の多くはとろみがあるので、非常に保湿力に優れているとともに、
そのとろみによって与えた水分も保ってくれるようになっています。
顔の場合には、それだけではどうしても乾燥するのでその後に乳液などを使用する必要がありますが、
ボディなら、とろみのある化粧水だけでも十分で、
ミルクやクリームほどには重くなく、さらさらのボディローションほどには軽すぎないので、夏場のボディローションとしてもおすすめですね。
●大容量の化粧水は寝癖直しにも
今では、大容量でとてもお安く買える化粧水も色々と提供されていますね。
そんな大容量の化粧水なら惜しみなくたっぷりと使うことができるので、顔にたっぷりと付けるのはもちろん、
他にも、朝の髪の寝癖直しウォーターとして使うのもおすすめです。
寝癖直しウォーターは、もちろん専用のものもありますが、1回の使用量は意外と多くて、すぐになくなってしまうと感じる方も多いと思いますが、
大容量の化粧水ならたっぷり使ってもかなり持ちがよくて、コスパにも優れていますし、
もちろん保湿成分が配合されていることから、髪にも潤いを与えて、寝癖直しの効果もあるんですね。
使い方も、スプレーボトルに入れ替えて、普通の寝癖直しウォーターのように、髪シュッとするだけで簡単に使えるんですね。
12.まとめ
いかがでしたか?
今では化粧水一つとっても、一般的な保湿重視のものから、美白効果のあるもの、エイジングケア効果のあるもの、
収れん効果やニキビケア効果、男性用のものまで、本当に色々なものが提供されています。
そしてもちろん、それぞれでその特徴や配合成分、効果も異なり、使用に適した肌質や注意すべき肌質なども異なるんですね。
こちらではそんな化粧水の種類やそれぞれの特徴、さらには、化粧水の活用術や意外な使い方などもご紹介してみましたので、
ぜひ、化粧水を選ぶ際やより賢い活用方法として参考になさってみてください。
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