肌の生まれ変わり、新陳代謝を意味するターンオーバー、そんなターンオーバーが早いと、何となくアンチエイジングに良かったり、肌のハリやツヤを保つのにもいいというイメージがありますが、
実際には早すぎても良くないといわれています。
今回はその理由に、ターンオーバーが早くなる原因、対処法や改善法などについて詳しくご紹介してみたいと思います。
1.ターンオーバーの周期はどれくらい?
ターンオーバーというのは、肌の新陳代謝を意味し、肌細胞が肌内部で新しく作り出され、生まれ変わることです。
その周期というのは、個人差もありますが、通常であれば、28日前後であるといわれ、
一般的には年齢とともに周期が長くなり、
20代の頃には約28日間だったものが、30代になると約40日、40代になると約55日、50代になると約75日と長くなっていきます。
また、その日数は、
年齢×1.5~2倍
を目安に計算することもできるようになっています。
2.ターンオーバーは早すぎてもよくない?
このようにターンオーバーは年齢とともに長くなっていき、長くなることによってそれだけ肌の生まれ変わりが遅くなり、
肌のハリや弾力といった若々しさに影響を与えたり、肌荒れの改善も遅くなったりと、
肌のターンオーバーが遅くなることはよくないというイメージがあります。
逆に、ターンオーバーは早い方が、若々しく、美しい肌が保てるというイメージもあります。
それは確かにその通りなのですが、ただ、若々しい肌がターンオーバーが早いということと、ターンオーバーが早すぎてしまっているということでは、意味合いが異なり、
ターンオーバーが早すぎるということには肌に何らかの問題があり、またそのことよってあらゆる肌トラブルにもつながってしまうことも意味します。
3.ターンオーバーが早すぎるとどうなる?
●未熟な肌細胞が表面に押し出されやすくなり、もろく、弱い肌に
肌というのは、肌を構成する組織の一番内側にある「基底層」という部分で生まれ、
ターンオーバーを繰り返すたびに、徐々に外へと押し出され、最終的には、肌の表面の角質層を形成するようになります。
その時に、ターンオーバーが早すぎると、肌細胞が十分に成長することができない状態のままで角質層にまで押し出されるといったことが起こります。
健康的な肌は、成長段階で毛細血管から酸素などの栄養が送られ、保湿成分もしっかりと含まれた状態で角化するのですが、
十分に生長しきれていない未熟な状態の肌細胞というのは、酸素などが十分に送られない状態となり、
また、肌を丈夫にする保湿成分も十分にない状態で、非常にもろい状態となります。
そして、未熟な状態のままの肌細胞に覆われた肌というのもまた乾燥しやすく、角質もはがれやすい状態となります。
そうなると、乾燥肌はもちろん、バリア機能の低下ももたらし、外部刺激などにもすぐに反応してしまうような敏感肌の原因ともなります。
4.こんな症状もターンオーがーが早いことが原因かも
乾燥肌や敏感肌もそうなのですが、他にも、
・毛穴が開いている
・肌がかゆくなりやすい
・肌が赤くなりやすい
・毛穴に皮脂が詰まりやすい
・ニキビや吹き出物ができやすい
・肌がくすんでいる
といった症状がある方は、ターンオーバーが早いことが原因となっているかもしれません。
特に、肌細胞が未熟な状態で表面まで押し出されることにより、そんな弱い未熟な肌細胞を守ろうと、本来なら自然と剥がれ落ちるはずに古い角質が肌に残りやすくなり、
そのため、ごわついたり、くすみやすくなってしまいます。
5.ターンオーバーが早くなる原因は?
ではこのようにターンオーバーが早くなりすぎてしまう現象というのは、どうして起こってしまうのでしょうか。
それには色々な原因が考えられ、例えば、
誤ったスキンケア
ターンオーバーを早めてしまう原因としては、、その多くが誤ったスキンケアが原因とされています。
元々は普通肌で、ターンオーバーも正常であったものが、例えば、
・必要以上に洗顔をしてしまう
・必要以上にクレンジングをしてしまう
といったことによって必要な皮脂や潤いまでも奪われてしまい、
それが繰り返されることにより、角質が薄くなって、ターンオーバーが早くなってしまうこともあります。
ピーリングやスクラブ洗顔、はがすタイプのパックなどを繰り返すことによっても、肌を守る角質が薄くなり、
バリア機能も低下して、それを補おうと、ターンオーバーが早くなることもあります。
熱いお湯で洗顔することによっても、皮脂が必要以上に流れやすくなってしまい、肌の乾燥を招き、バリア機能の低下を招いてしまいやすくなります。
毎日のスキンケアでの保湿が十分でないことも、やはり角質の弱体化を招いて、ターンオーバーが早める原因になってしまいます。
紫外線によるダメージ
紫外線により肌がダメージを受けてしまうと、それを修復しようと肌は代謝を早めようとします。
そのためターンオーバーが早くなりやすく、肌細胞が未熟なままで肌の表面を覆ってしまいやすくなります。
そうなるとさらに、そんな弱い肌を守ろうと古い角質が溜まりやすくなったり、メラニンの生成も促されて、しみ、そばかすもできやすくなることもあります。
ストレスや食生活の乱れ、睡眠不足などの生活習慣
誤ったスキンケアや紫外線といった外側からの刺激だけではなく、体の内側からの不調や乱れによっても肌のターンオーバーは狂いやすくなります。
ストレスの多い日々を送っていたり、栄養バランスが偏った食生活が続いたり、
また睡眠不足によっても、体の中ではそのことによりホルモンバランスや自律神経が乱れやすくなり、
体の不調をきたすのはもちろんですが、肌のターンオーバーが乱れて、生まれ変わりが上手くできなくなったり、
特に、元々ターンオーバーが早くなってしまっている方の場合、さらに肌が弱くなり、その周期が早くなってしまうこともあります。
6.正常化させるには何が必要?
●クレンジングをしすぎない
スキンケアアイテムの中でも特にクレンジングは洗浄力が高いものが多く、
その洗浄力の高さを実現するために石油系界面活性剤が使用されているものも多くなっています。
そのような石油系界面活性剤には、たんぱく質を変性させるという働きもあり、
肌細胞や肌の角質はたんぱく質でできているために、使いすぎることによって、必要な角質までも取り去って、角質を薄くしてしまうことがあります。
肌のバリア機能を守るためには最もクレンジングに気をつける必要があるともいわれることもあるほどで、
もちろんメイクをしたらきちんと落とす必要はありますが、クレンジングを長時間し続けたり、こすりすぎるといったことはやはり厳禁で、
クレンジングの際には、できるだけ短い時間で、こすらずに、クレンジング剤を優しくなじませながら、適切に行うようにしましょう。
●洗顔は優しく
洗顔もまた、必要な皮脂や水分を奪いやすく、バリア機能の低下を招きやすいものです。
肌表面の汚れや蓄積された皮脂を取るためにも洗顔は必要ですが、
やはりクレンジング同様、長時間洗い続けたり、こすったり、また1日に何度も洗顔するといったことは避けましょう。
洗顔は、多くても朝と晩の2回にとどめるようにし、
乾燥が気になったり、肌が敏感な状態の時は、洗顔料を使うのは夜だけにして、朝はぬるま湯だけで洗うといったこともいいでしょう。
また、洗顔の際にはたっぷりの泡で、できるだけ短い時間で優しく行うようにしましょう。
●クレンジング、洗顔時は、ぬるま湯ですすぐ
必要な角質や皮脂を守って、ターンオーバーを整えるためにクレンジングや洗顔の際にはぬるま湯で洗うことも大切です。
先のとおりに、熱いお湯は皮脂を溶かしやすく、必要な皮脂までも落としてしまい、肌を乾燥させやすくします。
そのため触ってみたり、顔にかけてみて少し冷たいかなと思えるくらいのぬるま湯で洗うようにしましょう。
また、顔だけでなく、お風呂上りに、体にかゆみを感じたり、カサカサと乾燥してしまうような場合には、お風呂のお湯も熱くなりすぎている可能性がありますので、
お湯の温度も少し下げて、熱すぎないお湯で入るのもおすすめです。
●保湿をきっちりする
肌のターンオーバーを正常に整えるためには保湿も欠かせません。
肌が潤っている状態だとそれだけで角質が健全に保たれるようになり、バリア機能も健全に保たれるようになります。
そうなると、角質が極端に薄くなったり、弱くなったりすることがなくなり、
ターンオーバーを早くする必要もなくなるので、その周期は本来の正常な状態へと戻ってくれるようになります。
さらにターンオーバーが正常化することにより、肌も丈夫になり、敏感肌が改善されたり、
古い角質や余分な皮脂も排出されやすくなり、肌のゴワつきや毛穴、肌荒れの改善にも導くことができるようになるでしょう。
●角質ケアをしすぎない
古い角質やくすみが気になるからとピーリングなどを繰り返している方もいらっしゃるかもしれませんが、
それも過ぎると、必要な角質までも取り去ってしまい、いつの間にかバリア機能の弱体化、ターンオーバーの早すぎる状態を招いてしまいます。
そのため、ピーリングなどの角質ケアはできるだけ行わないようにするのがおすすめですが、
古い角質が原因でターンオーバーが遅くなってしまうことがあるのも事実ですので、
どうしても気になる場合には、使用する成分やケアの方法、回数などに注意しながら、適切に行うようにしましょう。
例えば、
・ピーリングであれば、フルーツ酸などの比較的低刺激なものを使用する
・酵素洗顔など、肌をこすり過ぎない方法でケアする
・回数も、月に1、2回程度、多くても週に1回程度に留めておく
・はがすタイプのパックなどは刺激が強すぎるので避ける
といった風ですね。
ただやはり実際にターンオーバーが早くなりすぎて、肌が敏感な状態になってしまっている場合には、角質ケアは避けるべきでしょう。
●肌をこすりすぎない
こすりすぎたり、肌へと強い力を加えることでも肌は簡単に傷ついてしまいますし、角質やバリア機能も簡単に弱くなってしまいます。
そのため、特にクレンジングや洗顔の際には、肌をこすらないようにし、できれば、肌に直接指が触れないようにするくらいに優しく洗うようにされるといいでしょう。
ファンデーションを塗る時も、優しく塗っているつもりでも意外と力が入ってしまっていることもありますので、
特に、パウダーファンデーションをパフで塗る際には、できるだけ優しく乗せてあげるようにしましょう。
また、見落としがちなのが、化粧水や乳液を付ける際で、
毎日のことですので、気付かないうちについついこすってしまったり、力を加えてしまっていることもありますので、
化粧水や乳液を付ける時も極力優しい力でなじませてあげるのがいいですね。
●紫外線対策をきっちり行う
早すぎるターンオーバーを整えて、正常に戻してあげるためには、紫外線対策も重要で、
紫外線の強い季節には必ず、日焼け止めを塗る、UV効果のある下地やファンデーションで肌を守ってあげるようにしましょう。
特に、UV効果のあるパウダーファンデーションがおすすめで、肌に密着しすぎず肌に優しいですし、
それでいてパウダーによって紫外線も拡散してくれるようになっています。
もし、肌が敏感で日焼け止めを塗ることができないといった場合には、日傘や帽子などでガードしてあげるようにしましょう。
●生活習慣を整える、特に睡眠は大切
外側からの適切なケアはもちろん、生活習慣を整えて、内側からもケアすることも大切です。
特に睡眠は大切で、適切で質のよい睡眠は、遅くなってしまったターンオーバーを整えてくれるのはもちろんですが、
早くなりすぎてしまったターンオーバーを整えるためにも必要不可欠で、睡眠により健全な肌細胞が作り出され、
健全な角質や丈夫なバリア機能も育てられることになります。
そうなると、ターンオーバーを早くする必要もなくなるので、
未熟な肌細胞が早すぎる段階で肌表面に押し出されることもなくなり、肌も本来の健全な状態へと戻すことができるようになるでしょう。
7.まとめ
いかがでしたか?
ターンオーバーというと、早いと、それだけ肌の生まれ変わりが早くなって、肌の弾力を保てたり、若々しさを保てて、
早ければ早いほどいいというイメージがありますが、実際には早すぎるターンオーバーはよくなくて、
早すぎてしまうことにより、肌が未熟になり、逆に、乾燥肌や敏感肌の原因、肌のごわつきやキメの乱れ、くすみや毛穴などのあらゆるトラブルのもとになってしまうこともあるんですね。
特に最近では敏感肌に悩まれている方も増えていて、その原因がそんなターンオーバーが早くなりすぎることにあり、
さらに突き詰めてみると、ターンオーバーを早めている原因には、誤ったスキンケアが原因となっていることが意外と多いんですね。
今回はそんな早すぎるターンオーバーやその原因、改善法、対処法などについてご紹介しましたので、
もし今現在、敏感肌や肌荒れ、トラブルに悩まれている方は、今一度、こちらでターンオーバーやケアの仕方について見直されて、当てはまることがあれば、改善されてみてはいかがでしょう。
よろしければシェアをお願いいたします。