食事の際に野菜から食べ始める、いわゆるベジファースト(ベジタブルファースト)によって血糖値の上昇を抑えることができたり、
太りにくくなったり、ダイエットにも大きな効果を発揮してくれます。
しかし、その方法が間違ってしまうと逆効果になってしまうこともありますので、
今回はそんな本当に正しいベジファーストについてその方法や注意点、誤った方法、さらには、肉ファーストやお茶ファーストについてもご紹介してみたいと思います。
1.ベジファーストとは?
ベジファーストとは、ベジタブルファーストともいい、食事の際に、一般的にはご飯などの主食、炭水化物から食べるところを、
野菜から食べるようにする食事方法のことです。
2.ベジファーストの効果とは?
●食物繊維を先に摂ることで糖質の吸収を緩やかにする効果
野菜に含まれる食物繊維には、小腸内で糖質の消化や吸収を抑えたり、緩やかにする働きがあり、
同じ量の炭水化物を摂取したとしても、その吸収量を抑えることができ、ダイエットに効果を発揮してくれるようになっています。
●血糖値の急激な上昇を抑え、緩やかにする効果も
さらに、血糖値の上昇を抑えるという効果もあり、
その効果というのは、炭水化物から食べるのに比べて、野菜から食べたほうが血糖値の上昇を約2分の1程度にも抑えることができるという報告まであるほどです。
●空腹も感じにくくなり、食べすぎも自然と防ぐ効果も
血糖値の上昇は食欲とも深く関係しており、
血糖値が急激に上昇することにより、その後、血糖値が下がる際にも急激に下がりやすくなり、
そのことによって早く空腹感を感じやすくなってしまいます。
そのため、炭水化物からたくさん食べ始める人の方が空腹を感じやすくなり、大食いの傾向にあるともいわれ、
食後すぐに甘いものが食べたくなるといったことも、この血糖値の急上昇と急下降が関係しているともいわれています。
逆にいえば、血糖値の急上昇を抑えることにより、食べ過ぎてしまうのを自然に防ぐことができるようになるんですね。
●食物繊維がお腹で膨らみ、よりお腹が満足する効果も
さらに野菜には、食物繊維の中でも水溶性の食物繊維が含まれているものも多く、
そんな水溶性食物繊維には、お腹の中で水を含んで大きく膨らむという特性もあり、
自然と満腹感を与え、そのことによっても食べ過ぎを防ぐという効果も得られるようになっています。
3.正しいベジファーストの方法とは?
ではこのようにダイエットや血糖値を抑えるのに効果的なベジファーストですが、その正しい方法とはどのようなものなのでしょうか。
まずは当然、
●野菜から食べる
ことが大前提となります。
野菜の中でも、食物繊維の量がポイントとなり、食物繊維がなければ糖質の吸収を抑える効果が得られなくなりますので、
野菜なら何でもいいというわけではなく、食物繊維が少ない野菜だとあまり意味がないんですね。
ですから、
●食物繊維が豊富な野菜から食べる
ようにしましょう。
例えば、食物繊維を豊富に含む野菜としては、
・切り干し大根
・ごぼう
・タケノコ
・ほうれん草
・オクラ
・キャベツ
などが挙げられます。
そのような野菜から食べるようにしましょう。
●海藻類、きのこ類もOK
食物繊維は、海藻類やきのこ類にも豊富に含まれていますので、
海藻類、きのこ類から食べるのもいいですね。
例えば、海藻類であれば、
・もずく
・わかめ
・海苔
などもいいですし、このような海藻類には水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
きのこ類であれば、
・しいたけ
・えりんぎ
・なめこ
・しめじ
・えのきだけ
・マッシュルーム
などがおすすめですね。
4.ベジファーストの効果をより高めるためのポイント
方法によっては、そんなベジファーストの効果をさらにアップさせることも可能です。
そのためには、
●野菜(食物繊維)を摂ってから時間を置いて炭水化物を食べる
もちろん、食物繊維の豊富な野菜や海藻類、きのこ類から食べ始めるだけでも効果的なのですが、
というのは、糖質の分解を促す働きのある体内ホルモンにインシュリンというものがあるのですが、
インシュリンが分泌されることにより血糖値も適正に抑えられることになり、
さらに、そんなインシュリンの分泌を司るホルモンとしてインクレチンというものもあり、
そんなインクレチンは、野菜を食べることによっても刺激され、インシュリンが分泌される準備を整えてくれる働きをしてくれるようになります。
そしてそのインクレチンの効果が出始めるのが、食べてから15分程度ということもわかっていて、
そのため、野菜を食べてから15分後に炭水化物を食べることによって、より効果的に血糖値の上昇も抑えられるということなんですね。
これは海藻類やきのこ類を食べても同様ですので、お試しになってみてもいいですね。
野菜にしても、また、その後に食べる炭水化物やたんぱく質を含む食べ物にしても、よくかむことも効果を高めるポイントですね。
よくかむことで自然と満腹中枢が刺激されて、食べる量がそれほど多くなくても満腹感が得られるようになります。
そのことにより無理をしなくても食べ過ぎてしまうのを防ぐことができるようになりますし、早食いも防ぐことができるようになります。
特に早食いをしてしまうといった方の場合、満腹中枢が刺激される前に食べてしまうことになりますので、どうしても食べ過ぎてしまい、カロリー過多になりやすく、太りやすくなってしまいます。
また、急にたくさんの量を食べてしまいますので、やはり血糖値が急上昇しやすくなるんですね。
ですから食べる時はよくかむよう心がけましょう。
5.外食時はどうすればいい?
家での食事の場合には、サラダなどを一品添えるだけでベジファーストも簡単にできるのですが、
外食の場合ですと、そうもいかないこともあります。
例えば、外食する場合には、できるだけサラダが付いているような定食やセットメニューを頼むようにしたり、
野菜炒めや野菜の煮込み、野菜スープ、あるいは、海藻類やきのこ類が使われたメニューを選ぶようにされるといいですね。
外食の際には、そんなに時間をかけながらゆっくりと食べることも難しいかもしれませんが、できるだけよくかんでゆっくりと食べることもおすすめします。
6.肉ファースト、お茶ファーストもアリ?
外食の際、あるいはおうちでの食事の際にも、どうしてもサラダなどが用意できずにベジファーストができないこともあります。
でも、血糖値や食べすぎが気になるといった場合には、肉ファーストやお茶ファーストがおすすめです。
お肉から先に食べるようにする方法で、お肉の他にもお魚や豆類などたんぱく質を豊富に含む食べもであればOK。
お茶から先に飲むようにする方法で、お茶以外にも、お水や他の飲料、スープやお味噌汁などもOK。
つまり、炭水化物以外のものを先に食べるということですね。
肉ファーストやお茶ファーストでは確かに、野菜などの食物繊維を摂った時ほどには血糖値の上昇を抑えることはできませんが、
空腹の状態でいきなり炭水化物を食べてしまうのに比べ、少なくとも血糖値の急激な上昇は抑えることができるようになっています。
また、お茶ファーストでは、食べる前に水分を取ることでお腹が満たされることになり、食べ過ぎを防ぐことができるといった効果や、
お肉などのたんぱく質を食べることにより、特に、お肉などは、よくかんで食べる必要もあることから、満腹中枢も刺激されやすく、食べすぎも防ぐことができるようになります。
他にも、特に女性の場合、たんぱく質が不足してしまっている方も多いので、
このように肉ファースト(たんぱく質ファースト)にすることにより、意識的にたんぱく質もきちんと摂ることができるようになったり、
そしてたんぱく質は筋肉を作るのにも必要不可欠で、きちんと筋肉が保たれることにより、体の基礎代謝も高めることができ、よりダイエットにも効果的になるといったメリットもあるでしょう。
7.ベジファースト、やり方を間違えると逆効果になることも?
このようにベジファーストはとても簡単で、しかもとても効果も高いものなのですが、
そのやり方を間違ってしまうと効果が半減したり、逆効果となってしまうこともありますので注意が必要です。
例えば、注意すべきこととしては、
●糖質を多く含む野菜から食べる
野菜の中でも糖質が高めのものもあります。
それが、
・かぼちゃ
・にんじん
・じゃがいも
・さつまいも
・トマト など
といったもの挙げられ、
これらを先に食べてしまうと、血糖値を意外と高めてしまうことになります。
ベジファーストしているつもりでも、糖質も摂ってしまっていることになりますので注意が必要です。
食べるならやはり先にブロッコリーやキャベツなど、食物繊維が多く、糖質の低い野菜から食べるようにして、その後に食べるようにしましょう。
●糖質を多く含むドレッシングをかける
サラダを食べる時にはドレッシングが欠かせないといった方も多いと思いますが、
ドレッシングの中には、意外と糖質が多く含まれているものもあります。
例えば、青じそのノンオイルドレッシングなどはおいしいのでとても人気で、ノンオイルでカロリーは抑えられているので、いいように思えますが、糖質の量は意外と多くなっています。
サラダにかけて食べてみると甘みがあるのでそれも納得できるかと思います。
一方で、シーザードレッシングやごまドレッシング、フレンチドレッシングなどは糖質が低めなので、サラダにかけるならこのようなドレッシングがおすすめです。
マヨネーズも糖質が低めですし、オリーブオイルなどの体にいいオイルもいいですね。
ドレッシングを購入される際には、糖質の量は成分表示にて「炭水化物」の量として記載されていることが多いので、気になる方はチェックしてみましょう。
●味付けの濃い野菜料理から食べる
サラダがない場合には、野菜や海藻類、きのこ類が使われたお料理から食べるのでもいいのですが、
そのお料理にお砂糖や糖質の多いみりん、ソースやケチャップなどの調味料が多く使われていればあまり意味がありません。
特に味付けの濃いお料理の場合には、やはり知らず知らずのうちに糖質を多く摂ってしまうことになりますので、
ベジファーストをする場合、また、自分でお作りになる場合には、できるだけ味付けを薄めに作るといった工夫も必要でしょう。
●野菜やきのこでも、天ぷらやフライなど揚げ物から食べる
たとえ食物繊維の多い野菜やきのこであっても、それが天ぷらやフライであってはあまり意味がありません。
もちろん、油分も多くなってしまいますし、衣にも糖質が含まれ、真っ先にご飯を食べるのと同じように、血糖値の上昇にもつながってしまいます。
やはり天ぷらやフライから食べるのも避けた方がいいでしょう。
●肉ファースト、お茶ファーストで糖質を多く摂ってしまう
肉ファーストをする際にも同様で、お砂糖や調味料を控えめに作るようにし、
お茶ファーストの場合、お茶やお水であれば問題ないのですが、
当然、砂糖が入っているジュースや清涼飲料水、コーヒーや紅茶なども避けるべきです。
また、野菜ジュースやスムージーなどは一見よさそうに思えるのですが、野菜や果物の糖質が多く含まれているものもありますので、そのようなものも避けた方が無難でしょう。
お茶ファーストの場合には、糖質の含まれていない飲み物にし、
スープの場合にも、できるだけ薄味のものを飲むようにしましょう。
●野菜過多になり、炭水化物を極端に減らす
ベジファーストがダイエットや血糖値を抑えるのに効果的だからと、野菜や海藻類、きのこ類ばかりを食べ過ぎて、
その後に食べる炭水化物を極端に減らしすぎるといったこともやめましょう。
野菜を適量食べて、血糖値の上昇が抑えられるコンディションに整えてから、次に、筋肉を作るたんぱく質、
そして最後に、エネルギーとなる炭水化物を適量きちんと摂るというのが最も理想的で、栄養もエネルギーもきちんと補給しながら、バランスよく食べるようにしましょう。
8.まとめ
いかがでしたか?
食事の際には、まずは、食物繊維が豊富な野菜や海藻類、きのこ類などから食べるようにして、
そのあとに炭水化物を食べる。
そのことによって、いきなり炭水化物を食べ始めるよりも血糖値上昇を抑えることができ、血糖値の上昇が抑えられることで、太りにくくなったりとダイエットにも効果的ですし、
糖尿病の予防などにも効果的なんですね。
食べる順番を変えるだけなので今すぐにでも始めることができますし、このようなベジファーストを行うだけで、極端なダイエットや糖質制限なども必要なくなるといったメリットもあります。
ただ、野菜なら何を食べてもいいわけではなく、またその方法を間違ってしまうと知らず知らずのうちに逆効果になっていたということまであるんですね。
今一度、本当に正しいベジファーストについて、そのポイントをしっかりと抑えて、正しく行うことで自然とやせやすい体質、健康も目指していきましょう。
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